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連覇を目指すグレイスフルリープ/サマーチャンピオン

  • 2017年08月15日(火) 18時00分


有力地方勢不在でJRA勢が優位な戦いになりそう


 8月16日(水)佐賀競馬場で行われる『第17回サマーチャンピオン』。ダート1400mで行われるJpnIII競走で2007年からハンデ戦となりました。2007年の覇者キングスゾーンをはじめ、過去5年では2012年2着ラブミーチャン(笠松)、2013年3着コスモワッチミー(高知)、2014年2着ピッチシフター(愛知)、3着タガノジンガロ(兵庫)、2015年2着タガノジンガロ(兵庫)と地方馬も上位を賑わしているレースです。

 とはいえ昨年は1着グレイスフルリープ、2着ワンダーコロアール、3着タガノトネールとJRA勢でのワンツースリー。今年もラブミーチャンやタガノジンガロに匹敵する地方勢不在で、JRA勢が優位な戦いになりそうです。

佐賀の舞台で復活の走りを見せて欲しいグレイスフルリープ


 注目馬の筆頭は連覇を狙うグレイスフルリープ。昨年のレースではすんなりと先頭に立ち、直線でさらに突き放して2着ワンダーコロアールに4馬身差をつけての楽勝。鞍上・小牧太騎手の「いいセンスを持っている馬なので早く重賞を勝ちたかった」という期待に応え、初の地方競馬参戦で重賞初制覇を果たしました。

 その後は5戦して黒船賞3着が最高着順という現状ですが、スタート地点が芝の京都と阪神のダートコースだったり、斤量59kgだったりと理由があって力を出し切れていないと判断。小回りコース・佐賀の舞台で復活の走りを見せて欲しい。鞍上は3戦1勝2着2回と好相性の内田博幸騎手と久しぶりのコンビ。3番手からの競馬で1着となった2015年10月のグリーンチャンネルC(東京・OP・1400m)のようにハナにこだわらなくても大丈夫。斤量57.5kgという不安材料はありますが、スムーズなレース運びで連覇に王手をかけます。

内田博幸騎手とのコンビで連覇を狙うグレイスフルリープ(写真は2016年ポラリスS優勝時、(C)netkeiba.com)


 ラインシュナイダーは着実にクラスを上げてきた5歳馬。デビュー以来27戦中1400m戦を24戦走って【4-13-1-6】と安定した成績。5月の薫風S(東京・1600万下・1600m)を逃げ切ってオープン入り。前走・アハルテケS(東京・OP・1600m)では内々3番手からの競馬で、直線で前が開かずに5着と脚を余した印象。父ヴァーミリアンの手綱を取った武豊騎手とのコンビで初めてのダートグレード競走に臨みます。

武豊騎手とのコンビで初のダートグレード競走に臨むラインシュナイダー(写真は2017年薫風S優勝時、撮影:下野雄規)


 ウインムートは前走初ダートだった7月の桶狭間S(中京・1600万下・1400m)で2馬身半差の完勝。タイム1分22秒8はプロキオンSのキングズガードの勝ちタイム・1分22秒9より早く、初のダートグレード競走で即通用の可能性大。今回のレースを非常に面白くしている未知の魅力ある存在です。

ウインムートは近走の内容から未知の魅力ある存在(写真は2017年桶狭間S優勝時、(C)netkeiba.com)


 タムロミラクルは今年の佐賀記念で2着。距離は長めの方が良い印象でしたが、2走前のかきつばた記念でも2着に好走し、短距離にもメドがたちました。前走・欅S(東京・OP・1400m)はスタートで出足が悪く後方のままで参考外。実績を考えたら上位争い必至です。

タムロミラクルの実績を考えたら上位争いは必至(写真は2016年平城京S優勝時、(C)netkeiba.com)


 9歳馬レーザーバレットは2015年、2016年のテレ玉杯オーバルスプリントを連覇。2015年の兵庫ゴールドトロフィーも制している重賞3勝馬。このレースも一昨年3着と実績はナンバーワン。とはいえ58kgは前走・かきつばた記念で6着だったように今回も厳しい印象。

レーザーバレットは58kgの斤量がカギに(写真は2016年オーバルスプリント優勝時、撮影:武田明彦)


 地方勢では地元佐賀で4連勝中と勢いのあるマサヤ。さらに10歳馬コウギョウダグラスは大井所属時代には重賞出走経験も豊富。佐賀に移籍し、前走久しぶりの勝利を挙げました。JRA勢相手にどこまで食い込めるか期待しましょう。

 直線200mで先行優位な佐賀コース。今回逃げるのは1枠1番に入ったグレイスフルリープか7枠9番ラインシュナイダーか8枠10番ウインムートか!?スタートから目が離せない戦いになりそうです!

 さらに当日佐賀競馬場ではJRA交流の九州産馬限定戦『第21回霧島賞』も行われ、こちらも昨年の覇者キヨマサが参戦。昨年はJRA所属馬でしたが、今年は兵庫に移籍しての遠征。こちらも連覇なるか併せてご注目ください。

※次回の更新は8月16日(水)18時。翌日に門別競馬場で行われる「ブリーダーズゴールドC」のコラムをお届けします。



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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