---

◆音無キュウ舎2歳馬軍団の“真打ち”がお目見え間近

　今さらながら先々週の関屋記念では珍しく◎△▲で予想が的中した。えっ、自慢話はやめろ？

「馬券は競馬場に行った時しか買わない」ポリシーのもと当日、会社でのデスク作業をしていた記者は一銭も儲けておりません。ただ人の言うことを聞いてくれないサラブレッドが相手。思った通りに事が運ぶことなど、ほとんどないだけに「展開を読み切って予想が的中した」ときは、喜びもひとしおなのは多くの方に同意いただけるのでは(しつこいようですが自慢話ではありません)。

　もっとも、POGを冠にしたコラムを長く書いている記者にとっては、もっと気分がいい“当たり方”がある。それは長いスパンでいろいろな材料を揃え、総合的に判断した上で、当たりにたどり着いたケースだ。

「放牧中のケガで他の馬よりも育成の進み具合が遅れている。いや、正確には遅れているというより、無理をさせていないだけで、今はどうもないんだけどな」

　ゴールデンウイーク前、音無調教師はダノンマジェスティ(牡＝父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ)をこう評した。普通の2歳馬なら、そう大きな反響を呼ぶこともない話だろうが、何せ今年の皐月賞馬アルアインの全弟にして、セレクトセールでも2億円を軽く超す高値で取引された超血統馬。注目度はハンパではないだけに、ネガティブに捉えられがちになるし、POGでは敬遠する材料になりかねない。

　ただ、それも捉え方ひとつ。POGのキャリアが長い方ならお分かりだろう。馬には大なり小なりアクシデントはあるもので、能力のある馬なら少々のトラブルがあっても最終的には“間に合う”もの。だからこそ、記者は本紙特別号の「ザッツPOG」で迷いなく指名に踏み切ったのだ。で、つい先日、音無調教師はダノンマジェスティの近況をこう説明した。

「北海道にも何度か見に行ったが、思った通りに良くなっている。今はもう調整が遅れている感じはないし、近いうちに栗東へ連れてこれるんじゃないか。今年のウチの一番馬だと思っているよ」

　記者のテンションが一気に上がったのは言うまでもない。やはり、指名したのは“当たりだった”。そう確信が持てた。

　順調な滑り出しを見せている音無キュウ舎の2歳馬軍団の“真打ち”は、いよいよ、お目見え間近。今春はアドミラブルがダービーで1番人気3着と勝てなかったばかりか、年内復帰も絶望的という情況だが、このダノンマジェスティがアドミラブルの“敵討ち”をしてくれるのではないか…と。それは、ちょっと気の早過ぎる話にしろ、今から噂の一番馬の入キュウの時が楽しみでならない。