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いちばん末脚がキレる馬を狙え!/新潟2歳S

  • 2017年08月24日(木) 18時00分

■新潟2歳S(G3・新潟芝1600m外)フルゲート18頭/登録17頭


【コース総論】新潟芝1600m外 Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気は高信頼度だが、7〜9番人気や10〜12番人気に妙味アリ。
★枠番による成績の偏りが非常に小さなコース。軽視しても問題ないか。
★最後の直線が長く差しや追い込みも決まるが、前も意外に残るコース。





 関屋記念に続き、今度は2歳重賞が行われる新潟の芝1600m外。まるで「U」字のようなコース形態で、1600mのうちなんと1200m以上が直線部分と、ストレート部分が大半を占める特殊なコースである。これだけ直線部分が長いと、コーナー部分が小回りでも、いわゆる「展開の紛れ」は起きづらくなる。

 1番人気は連対率51.4%と高信頼度で、勝率の高さも十分。しかし、妙味があるのは7〜9番人気や10〜12番人気のゾーンで、激走率もなかなかの高さだ。単勝回収率が100%をオーバーしている7〜9番人気は、とくに注目したいところ。勝率は5.6%と、4〜6番人気とほとんど差がない。ここを単複で狙うのも面白そうである。

 展開の紛れがないコースであるのは、枠番別成績からも明らか。内枠である馬番1〜6番の連対率がやや低いが、強調できるような成績の偏りはまったく見られない。単純に内外を比較したデータでは、成績差がさらに縮まっている。最内や大外といった極端な枠番を引いたとしても、道中でいくらでもカバーできるコースだといえる。

 そして脚質面だが、こちらもかなりフラット。最後の直線が長いので、他のコースでは頭ひとつ抜けた成績となりやすい先行勢が、イマイチの結果に終わっている。とはいえ、イメージほど直線一気が決まるコースではなく、ある程度は前々のポジションを取れたほうが有利。好位〜中団からのチョイ差しが、もっとも効率のいい勝ち方だろう。

【レース総論】新潟2歳S(G3) 過去10年
・レースの要所!

★7番人気以下の穴馬が過去10年で11頭も馬券絡み。高配当も十分狙える。
★コースデータと同じく内外は成績に関係なし。枠番は軽視でオッケイ。
★連対馬の半数が後方から追い込んでのもの。「超」差し優勢のレース。
★前走での上がり3F順位「2位以内」が好走の必要条件。末脚を徹底重視。








 ハープスターなど、後の活躍馬を輩出している「出世レース」でもある新潟2歳S。未完成な2歳によるレースでもあり、そうそう順当には決まらないのが大きな特徴だ。レースの平均配当は、単勝765円、馬連1万2628円、3連複5万6780円とかなり高めの水準。1番人気の信頼度はソコソコ高いのだが、それ以上に人気薄の激走が目立っている。

 7番人気以下馬がトータル[1-6-4-102]と、過去10年で11頭も馬券絡み。13番人気以下で連対した馬が3頭も出ているなど、波乱傾向が強いのは間違いない。狙って美味しそうなのは、コースデータと同じく7〜9番人気や10〜12番人気で、ここを2〜3着で狙う3連単ならば、かなりの高配当も期待できそうである。

 次に枠番だが、こちらはコースデータ同様に「フラット」という結論。あえていえば、勝率や連対率がもっとも高く、枠番値もプラス0.3と優秀な馬番7〜12番が買いやすい。とはいえ、複勝率や複勝回収率が高いのは内枠で、単勝回収率がもっとも高いのは外枠と、一長一短。枠番をあまり気にせずに買うのが、おそらく正解だろう。

 それとは対照的に、成績に大きな偏りが見られるのが脚質である。逃げた馬はすべて4着以下で、4コーナーを6番手以内で回った先行勢も[1-2-5-60]で連対率4.4%と大不振。連対馬のほとんどが、中団〜後方から差した馬なのだ。最速上がりをマークした馬の連対率は、なんと90.0%! もう、完全に末脚勝負のレースと化している。

 そうなると注目すべきは、前走でどのような末脚を見せていたか。前走での上がり3F順位別で成績をまとめてみると、好走馬のほとんどが前走で、最速〜2位の上がりを使っていたことが判明する。前走での上がり3F順位が3位以下だった馬は、トータル[1-2-0-50]で複勝率わずか5.7%。回収率も低く、とても手が出せる内容ではない。

 以降は、前走での上がり3F順位が「2位以内」だった馬について、データを集計している。前走距離別成績では、芝1400〜1600m戦からのローテが好成績。前走芝1800m組は[0-3-2-24]とイマイチな結果に終わっており、人気でも過信は禁物だ。あとは、前走で新潟や東京、中京といった「左回り」の競馬場で出走していた馬のほうが好成績であるのも、注目すべきポイントといえる。

 最後に、前走上がり2位以内馬の前走オッズ別成績だ。前走で単勝1倍台の支持を集めていた馬は、連対率33.3%、複勝率46.7%と高信頼度で、複勝回収率も224%という高さ。それ以外では、単勝オッズが4倍台だった馬や、10倍台だった馬の好走率が高い。逆に、2.0〜3.9倍だった馬の成績は低空飛行で、リスクとリターンが見合っていない印象である。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きAコース。極端に差し優勢の馬場ではなく先行勢も相応に粘れている。

・天候予測
 金曜日〜土曜日にかけて降雨がありそうだが日曜日には回復。あって稍重程度か。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎

 夏の新潟開催も第5週に突入するが、芝コースに大きな傷みは見られず、先週の土曜日は先行勢がよく残っていた。日曜日になってやや差し優勢にシフトした印象だが、それでも「外差しがバンバン届く」といった状況ではなく、人気の先行馬もキッチリ結果を残している。極端な馬場バイアスのない、フラットな状況にあると考えてよさそうだ。

 血統面での注目は、ディープインパクト産駒の不在である。新潟2歳Sが「末脚勝負のレース」であるのは前述した通りだが、今年の登録馬には、血統的に末脚勝負に向きそうなタイプが非常に少ないのである。こうなると相対的に浮上してきそうなのが、ハーツクライ産駒。オーデットエールがどのようなレースを見せるか、注目したい。

★出走登録馬・総論×各論

 17頭の登録がある今年の新潟2歳Sだが、未勝利馬の回避で最高でも15頭立てになりそう。netkeiba.comでの予想オッズは、ダイワメジャー産駒のフロンティアが現在のところ1番人気に推されている。それに続くのが、ヘニーヒューズ産駒のムスコローソ、ヨハネスブルグ産駒のテンクウなど。どうやら、例年よりも混戦模様の一戦となりそうだ。

 トップ評価は、ハーツクライ産駒のオーデットエール。「新潟芝1600mの新馬で単勝1.7倍の1番人気、最速上がりで快勝」と、このレースで勝ち負けするのに必要とされるファクターをすべて備えている。今年は「前走最速上がり」の馬が少ないので、なおさら有利となりそう。文句なしの本命候補である。

 二番手評価に、ヨハネスブルグ産駒のプレトリア。東京芝1400mの新馬戦では、出遅れて最後方追走→直線だけでぶっこ抜くという離れ業を見せた。前走での単勝オッズが10倍台であることや関東馬であるのも、この馬のプラス材料。こちらも、このレースを好走できるだけのプロフィルを備えている。

 三番手評価に、ディープブリランテ産駒のシンデレラメイク。それなりに速い流れになった中京芝1400mの新馬戦を、中団からポジションを押し上げ、最後は後続を突き放すという強い内容で勝ち上がっている。あの流れを追走して、最速上がりで楽々と抜け出すのだから、瞬発力だけでなく持久力もありそうだ。

 以下は、ムスコローソ、エングローサー、テンクウ、フロンティア、コーディエライトという評価の序列。一発がありそうなのはトランセンド産駒のエングローサーで、いかにもダート向きな血統で評価を落としてしまいそうだが、侮れないモノを秘めているはず。思いきって、ここから入ってみる馬券も面白そうである。


■総論×各論・先週の馬券回顧



札幌11レース 札幌記念(G2)
1着 01サクラアンプルール
2着 02ナリタハリケーン
3着 03ヤマカツエース

現地で負けてきました(#^ω^)ビキビキ

まさか、ここまで差し優勢の展開になるとは……というのが正直な感想。うまく前が捌けたのも勝因なんでしょうけど、コレは買いづらかった。前に行きそうな3頭&人気薄でオッズが美味しかったディサイファから勝負するも、何とも情けない結果に。先週の内容を参考にしていただいた皆様、誠に申し訳ございませんでした!

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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