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オルフェーヴル産駒はゆとり調整で育つ晩成型(辻三蔵)

  • 2017年08月29日(火) 18時00分


◆デビュー勝ちした馬に成功の秘訣が隠されている

 今年のファーストシーズンサイアー(中央競馬)はロードカナロアの1強ムード。中央競馬では新種牡馬最多の6頭が勝ち上がり、出世頭のステルヴィオはコスモス賞(2歳オープン)を制した。収得賞金9278万円は次位のヘニーヒューズ(収得賞金5640万円)に大差をつけている(データは2017年8月21日現在)。

 一方、ロードカナロアの対抗格として期待されたオルフェーヴルは焦らず急がずゆっくりスタート。7月が終わった時点で勝ち上がったのはクリノクーニングだけだったが、8月に入り、本領を発揮。サンデーレーシング所属のロックディスタウン、ラッキーライラック、レゲンダアウレアが新馬戦で立て続けに勝利。全て、現役時代のオルフェーヴルの育成に携わったノーザンファーム調整馬なところに、産駒成功の秘訣が隠されている。

 ロックディスタウン(8月6日新馬戦1着)は5月11日に美浦トレセンに入厩後、6月1日にゲート試験に合格。6月3日にノーザンファーム天栄に調整放牧。7月17日に帰厩し、ウッドコースと坂路を併用して調教本数を5本乗り込んだ。

 レゲンダアウレア(8月20日新馬戦1着)は5月11日に栗東トレセンに入厩後、25日にゲート試験に合格。6月10日にノーザンファームしがらきに調整放牧。7月20日に帰厩し、ウッドコースと坂路を併用して調教本数を7本消化。

 ロックディスタウン、レゲンダアウレアはトレセン、牧場での連携調整で合計3カ月間乗り込んでいる。

 オルフェーヴルも現役時代、ノーザンファームしがらきとの連携調整で体調管理を行っていたが、トレセンでの在厩期間が長いとストレスが溜まる傾向があった。環境の変化で気持ちをリセットし、フレッシュな状態で使うことを意識している。

 調教スタイルも坂路調教か、ウッドコースでの4ハロン追いが効果的。短い距離を集中的に走らせることで集中力を高めている。

 芝向きの軽い走りをするのでウッドチップ主体の馬場では調教駆けしない面もある。その場合は遅めの時計でも調教本数を増やして仕上げていく。一杯に追うと嫌気を出すので、脚色は馬なり〜強めが理想。強制して動かすよりも自らの意志で走るように矯正している。

 一方、ラッキーライラック(8月20日新馬戦1着)は長期間在厩馬。7月7日に栗東トレセンに入厩後、21日にゲート試験に合格。ウッドコースと坂路を併用して調教本数を10本消化。ウッドコースで3週連続6ハロンから追い切り、折り合い強化に努めた。気性面の課題を調教で改善しながら、栗東で1カ月半乗り込んだ。

 オルフェーヴルは現役時代、夏の新潟開催で新馬戦を勝った後、スプリングSで2勝目を挙げるまで7カ月かかった。引退レースになった5歳暮れの有馬記念(8馬身差圧勝)で生涯最高のパフォーマンスを見せたように、母父メジロマックイーンの成長力を受け継いだ晩成タイプだ。

 産駒の育成方針も3歳春のクラシックに目標を定めることで的確に成長を促進できる。愛馬の成長に合わせて時間をかけて育てる「ゆとり調整」が最適だ。

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