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人気薄を狙ってナンボの波乱レース!/新潟記念

  • 2017年08月30日(水) 18時00分

■新潟記念(G3・新潟芝2000m外)フルゲート18頭/登録17頭


【コース総論】新潟芝2000m外 Aコース使用

・コースの要所!

★4〜6番人気や7〜9番人気など、中穴の好走率が非常に高いコース。
★枠番は基本的に内枠有利&外枠不利。内枠は少しプラス評価したい。
★追い込みも届くが強いのは好位〜中団。人気薄の差し馬には要注意。





 夏のローカル開催も、残すところあと2週。サマー2000シリーズのラストを締めくくるのが、週末に行われる新潟記念である。バックストレッチ側の引き込み線からスタートし、最初のコーナーまでの距離が948mもあるという、新潟芝1600m外と同様に直線部分が非常に多いコース。ここまでくると、逆にトリッキーだ。

 まずは人気別での傾向だが、意外なことに1番人気の信頼度は連対率44.8%、複勝率55.2%と「並以下」で、4〜6番人気や7〜9番人気といった中穴ゾーンの好走率が非常に高い。母数が少ないデータなので偏りが生じやすいとはいえ、ここまで極端な結果が出るケースは珍しい。さすがに13番人気以下になると信頼度はガクッと落ちるが、12番人気あたりまでは十分に狙える内容といえる。

 次に枠番だが、外枠である馬番13〜18番が低信頼度。対照的に好調なのが内枠である馬番1〜6番で、こちらは枠番値もプラス圏内だ。極端に内枠有利&外枠不利というわけではないが、それでも内枠に入った馬に関しては、少しプラスに評価したほうがベターなはず。人気薄であれば、なおさらである。

 最後に脚質。4コーナーを7〜12番手で通過した「中団待機組」の勝率がもっとも高いなど、最後の直線が長い新潟外回りらしい結果が出ている。単勝回収率も133%と高く、速い上がりを繰り出した馬の成績も優秀。とはいえ、連対率や複勝率は先行勢のほうが上であるのも事実で、ベストは好位〜中団やや前あたりのポジションだろう。

【レース総論】新潟記念(G3) 過去10年
・レースの要所!

★1番人気は過去10年で1勝2連対と絶不調。人気薄を積極的に狙うべき。
★ひとケタ馬番とふたケタ馬番で大きな成績差。内を重視するのが正解。
★中団から差せる人気薄に注目。回収率が高く狙ってみる価値は十分!
★連対馬20頭のうち19頭までが中3〜8週。ハンデは56キロの牡馬が好調。








 昨年は珍しく1番人気と2番人気で決まった新潟記念だが、その前はまさに大荒れ。レースの平均配当は、単勝1818円、馬連9154円、3連複4万5553円と猛烈に高い。とにかく人気サイドが弱いのが特徴で、1番人気[1-1-0-8]、3番人気以内[3-2-2-23]と、まったくアテにならない。人気薄から好配当を狙ってナンボの一戦といえる。

 とくに好調なのが4〜6番人気と7〜9番人気で、その連対率や複勝率の高さは、人気薄とは思えないほど。超人気薄であるふたケタ人気も7頭が馬券絡みと、激走例は枚挙に暇がない。あとは、関東馬と関西馬の成績がほぼ互角で、回収率も加味すると「関東>関西」の評価となるのも、新潟記念の大きな特徴だ。

 次に枠番だが、こちらはコースデータよりも「外枠不利」の傾向が強まっている印象。単純に内外を比較したデータでは、馬番1〜9番が連対率15.6%、複勝率24.4%で馬番10〜18番が連対率7.7%、複勝率10.3%と、なんと2倍以上という大差が出ている。回収率や枠番値も完全に「内>外」であるため、外枠は割り引いて考えるべきだ。

 脚質についてはコースデータの通りで、やはり好位〜中団やや前あたりがベストポジション。牡馬のハンデに関しては、複勝率と回収率がいずれも高い、55〜57キロのゾーンを重視するのが正解となる。牝馬ならば、2勝をあげているハンデ52キロ馬が要注意。あとは、好走馬のほとんどが中3週〜中8週のローテで出走しているのも、予想する上で重要なファクターといえるだろう。

 そして、7番人気以下馬を条件別で集計したデータにもご注目いただきたい。連対しているのはすべて「前走1ケタ人気」で、前走2ケタ人気馬と比較すると信頼度は雲泥の差。また、前走から斤量に「増減なし」の馬もトータル[1-5-7-41]で複勝率24.1%、複勝回収率157%と期待値が高い。鞍上の乗り替わり&継続騎乗での成績差はそれほどないので、こちらは気にしなくてオッケイである。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きAコース。馬場が乾いた日曜日が「前残り祭り」となるほど良好。

・天候予測
 パッとしない天候が週末まで続くが降雨はなさそう。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ハービンジャー産駒▲、メイショウサムソン産駒△

 少し道悪が残っていた土曜日は差し優勢だったが、馬場が乾いた日曜日には前が残りまくった、先週の新潟芝コース。新潟2歳Sは、道中2番手追走のフロンティアが32秒9の上がりを繰り出して快勝している。今週で6週目となる夏の新潟開催だが、芝コースのダメージは相変わらず小さく、良好なコンディションが維持されているようだ。

 血統面は、4種牡馬の産駒をプラス評価。勝ち負けに末脚のキレ味が要求されるコースらしく、ディープインパクト産駒が複勝率38.3%、複勝回収率92%という優秀な成績を残している。あとは、キングカメハメハ産駒、メイショウサムソン産駒、ハービンジャー産駒あたりも侮れないところ。おおむねイメージ通りのラインナップである。

★出走登録馬・総論×各論

 トップハンデは、57.5キロを背負うラストインパクト。最軽量はハンデ51キロのシャドウウィザードと、かなり斤量差がある一戦となった。netkeiba.comの予想オッズでは、56.5キロのアストラエンブレムが現在のところ1番人気。以下、ハンデ57キロのマイネルフロスト、56キロのトーセンバジル、57キロのルミナスウォリアーと続いている。

 とはいえ、人気馬がアテにならないレースであるのは前述した通り。思いきって人気薄を上位に評価した馬券のほうが、ここは断然面白い。そういったレース傾向も加味して、今回は上位4頭を選択。トップ評価は意外にも、登録馬で唯一の牝馬であるロッカフラベイビーとなった。

 過去10年で2勝をあげている「ハンデ52キロの牝馬」であり、いいカンジに人気薄となるのも確実。関東馬であることや、前走1ケタ人気&前走からの斤量増減がない人気薄であること、キングカメハメハ産駒であること、中4週のローテなど、プラス評価となった項目が非常に多い。これで1ケタ馬番にでも入れば、文句なしに本命級だ。

 二番手評価に、前走で函館記念を制したルミナスウォリアー。サマー2000シリーズのポイント上位馬であり、ここはなおさら力が入る。ハンデ57キロのメイショウサムソン産駒で、ローテも文句なし。新潟芝コースでの実績も十分で、引き続き好レースが期待できそうな1頭といえる。

 三番手評価に、人気薄となりそうなソールインパクト。ハンデ53キロの牡馬というのが割引材料だが、それ以上にプラス評価となった項目が多く、トータルで考えれば狙ってみる価値は十分にあるはずだ。前走の七夕賞でも3着に好走しているように、ここなら能力的にも通用する可能性が大。一発が大いに期待できる内容である。

 四番手評価に、小倉記念を制したタツゴウゲキ。斤量は前走から3キロ増となるが、前走はそれも納得の優秀なレース内容だった。サマー2000シリーズで現在第2位につけているのも、プラスに評価できる材料のひとつ。スッといい位置が取れる競馬センスの良さも、この組み合わせでは有利に働きそうだ。

 以下は、マイネルフロスト、アストラエンブレム、ロイカバード、カフジプリンス、トーセンバジル、スピリッツミノルという評価の序列。あとは、枠番による評価の上げ下げがどうなるか次第だ。そうそう順当に決まるとは思えないので、人気薄を重視するスタンスは最後まで貫きたいところである。


■総論×各論・先週の馬券回顧




新潟11レース 新潟2歳S(G3)
1着 08フロンティア
2着 15コーディエライト
3着 03テンクウ

タテ目で決まったーよ(#^ω^)ビキビキ

3着の欄にはキッチリ3頭いるのに、1〜2着の欄にはゼロ。というか「3着にはマークしているが1〜2着にはマークしていない3頭」でキッチリ決まっているという(吐血)。期待したオーデットエールですが、あの展開であそこまでポジションが下がっちゃうと、そりゃ厳しいよなあ……。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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