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評判のスターリーステージに思わぬ強敵出現/吉田竜作マル秘週報

  • 2017年09月06日(水) 18時00分


◆「マイルのトップホースの妹」と「チャンピオンスプリンターの息子」

 夏のローカル開催が終わり、舞台はいよいよ中央へ。競馬ファンも、この時を待ちわびていただろうが、来年のクラシックを狙う素質馬を擁する関係者たちもまた、同じように待ちわびていたことだろう。ミッキーアイルの全妹スターリーステージ(父ディープインパクト、母スターアイル)を管理する音無調教師と担当の平井助手を取材すると、その気持ちが分かりやすいくらいに、よく伝わってくる。

「先週は、まだ余裕残しの追い切りだったのに、イイコトズクシ(小倉2歳S5着)と併せて、こちらのほうが手応えが良かったくらい。走る馬と併せたことで、馬もその気になってきているね」と音無調教師が手応えを隠し切れないほどなら、マイルGI2勝の兄を手がけた平井助手も「この馬も走りますよ。(ミッキー)アイルよりも馬が柔らかいし、跳びも大きいですからね。距離の融通も利きそう」と早くも先を見据えた発言が出ている。

 そんな平井助手が残念そうにしていたのは、スターリーステージのデビュー戦に付き添えないこと。もう一頭の担当馬クリソライトが韓国のコリアCに遠征するため仕方ないことだが、「やっぱりデビュー戦は(パドックで)引っ張りたかったですね」。

 とはいえ、期待の愛馬は、おそらく何のトラブルもなくゲートインしてくれることだろう。平井助手に言わせれば「やりだしたら、きついところはある」とのことだが、記者の印象では勝気で頑固だった兄と比べて、妹はいつ見てもおとなしい。海の向こうで吉報を聞くことができるのではないか。4回阪神開幕初日(9日)の芝外1600メートル新馬戦はスターリーステージの走りに注目してほしい…って、当初はこれで締めくくる構想だったが、ここにきてもう一頭、要チェック馬が登場することに…。

 名牝ビリーヴの子ジャンダルム(牡=父Kitten's Joy)だ。池江キュウ舎の2歳馬は、ほとんどがゲート試験合格後、短期放牧に出され、一度リフレッシュしてからデビュー戦へと臨む。しかし、このジャンダルムは、そのまま栗東に滞在して調整を続け、デビューを迎えることに。

「確かにウチとしては、あまりないケースですね。体力がついてからと思っていたら、それが思いのほかついてきた感じなので」と池江調教師にとっても“うれしい誤算”だったようだ。

 実際、入キュウ当初は「二の脚がつかないし、“本当に名スプリンターを母に持つ馬なの?”って感じ」と、評価は決して高くなかったが、先週の追い切りを受けて「稽古も動くようになってきたね」とトレーナーは、その評価を大幅に上方修正している。

 果たして「マイルのトップホースの妹」と「チャンピオンスプリンターの息子」、どちらに軍配が上がるのか。

 くしくも音無キュウ舎と池江キュウ舎は、ともに10日、管理馬が海外での競馬を予定している(池江キュウ舎はサトノダイヤモンド、サトノノブレスを凱旋門賞の前哨戦フォワ賞へ)。その前日の9日にデビューする2頭の血統馬も、いずれは偉大な先輩に続き、海外へと羽ばたくことがあるかも…。

「スターリーステージVSジャンダルム」。土曜に激突する2頭には、そんなスケールの大きさを感じさせる戦いを見せてほしいものだ。

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