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信頼できる人気馬はアレとコレだ!/ローズS

  • 2017年09月13日(水) 18時00分

■ローズS(G2・阪神芝1800m外)フルゲート18頭/登録23頭


【コース総論】阪神芝1800m外 Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気の信頼度はハッキリと低め。7〜9番人気など穴狙いが美味しい。
★内枠有利に見えるが、実際は人気通り。枠番による有利・不利は少ない。
★直線の長い外回りで脚質は差し優勢。最速上がり馬の強さも目立っている。





 バックストレッチの2コーナー寄りにあるポケットが発走地点である、阪神芝1800m外。最初のコーナーまで距離があるので、スタート直後のポジション争いが激化することはなく、序盤〜中盤はゆったりした流れになりやすい。最後の直線が500m近くある上に急坂コースでもあるので、直線一気の差しや追い込みも決まるコースといえる。

 形態的には紛れが起こりづらいはずなのだが、1番人気の複勝率は40.0%と意外なほど低め。2〜4番人気あたりは好成績だが、1番人気の過信は禁物だ。また、7〜9番人気が複勝率20.0%、複勝回収率113%と素晴らしい成績を残しているのも特徴で、積極的に狙う価値アリ。10番人気以下を狙うよりも、はるかに効率よく儲けられる。

 次に枠番別成績。信頼度は綺麗に「内>中>外」の順で高く、いっけん内枠有利&外枠不利だと感じられることだろう。しかし、平均人気も「内>中>外」の順で、そこには大きな差が出ている。つまり、実際には枠番による有利・不利は非常に小さく、おおむね人気通りに決まっているということ。あえて序列をつけるならば、回収率ベースの数値が高い中枠が、もっとも狙い目だろう。

 最後に脚質面だが、こちらは明確に差し優勢。さすがに回収率は先行勢のほうが高いが、信頼度に関してはまったく遜色がないという、じつに優秀な内容である。また、最速上がり馬がトータル[16-4-5-18]で勝率37.2%、連対率46.5%と超優秀であるのも見逃せないところ。2〜3着に取りこぼさず、前をキッチリと差し切っているのが素晴らしい。データの数値以上に、実際は差し優勢とみたい。

【レース総論】ローズS(G2) 過去10年
・レースの要所!

★1番人気は[5-2-1-2]で連対率70.0%と超優秀。関東馬も意外に強い。
★複勝率は横並びも、勝率や回収率が高いのは内枠。外はやや割引か。
★コースデータと同じく差し優勢。速い上がりを使えるのが必要条件。
★前走での着順や上がり3F順位は必ずチェック。巻き返しはきかない。








 夏を充電期間にあてた、3歳牝馬のトップクラスが始動するローズS。前走オークス組が過去10年で8勝、前走桜花賞組が1勝と、春の実績馬がそのまま結果を残す傾向が強い一戦である。しかし平均配当は、単勝890円、馬連7502円、3連複3万2488円と高め水準。昨年もそうだったように、1着馬に関してはソコソコ堅いが、2〜3着は意外に紛れるのがこのレースなのだ。

 実際に人気別成績を見ても、1番人気が[5-2-1-2]で連対率70.0%と突出して好成績ではあるが、それ以下に関しては人気を問わず好走している印象。4〜6番人気よりも7〜9番人気のほうが高信頼度で、10〜12番人気が4回も馬券に絡んでいるなど、人気薄の好調さが目立つ内容だ。あとは、関東馬が意外に強いのも覚えておきたいデータ。ここにぶつけてくるような関東馬は、能力的にもまったく見劣らないということだ。

 次に枠番だが、秋開催の2週目に行われるレースのためか、コースデータよりもやや内枠有利・外枠不利になっている印象である。内枠である馬番1〜6番はトータル[6-3-3-48]と、ここから勝ち馬が6頭も出ている。人気薄での激走例も多いので、今年もしっかりマークしておきたいところ。内枠を少しプラス、外枠を少しマイナスに評価するのが、おそらく正解だろう。

 脚質に関しては基本的にコースデータ通りだが、これも良好な馬場コンディションの影響か、最速上がり馬が1着ではなく「2着」に取りこぼすケースが非常に多い。最速上がり馬が制したのは、なんと過去10年で昨年のシンハライトだけなのである。とはいえ、差し優勢のレースで、速い上がりが勝ち負けに必要不可欠であるというのは、コースデータとまったく同じ。間違いなく、中団からキレのある末脚を繰り出せる馬を重視すべきだ。

 それを補足するのが、前走での4コーナー通過順位別成績。前走で逃げていた馬は1頭も粘れておらず、1〜6番手で回っていた先行勢もわずか1勝。もっとも信頼度が高いのが、前走4角13〜18番手の追い込み勢である。また、前走での上がり3F順位別のデータにおいても、前走での上がりの速さが今回の成績に直結している傾向が見受けられる。前走での上がり3F順位が「3位以内」であるのは、勝ち負けの必要条件といっても過言ではない。

 また、前走大敗からの巻き返しがきかないのも、ローズSの大きな特徴。過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、じつに24頭までが「前走4着以内」だった。面白いのが、前走G1で4着以内だった馬は「連対もしくは4着以下」で、3着には前走G1以外で4着以内だった馬が来るケースが非常に多いこと。つまり、データ的にモズカッチャンは1〜2着で、カワキタエンカ、サトノアリシア、ミリッサ、メイショウオワラなどは3着で狙うのが正解といえる。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きAコース。先週は土日ともに人気馬がキッチリ勝ちきっていた。

・天候予測
 週末にかけて天候が崩れる見込み。台風18号の影響で道悪となる可能性も。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ダイワメジャー産駒○

 先週に開幕した秋の阪神開催。絶好の馬場コンディションで走破時計、上がりともに速く、人気馬がキッチリ1着に来る紛れのないレースがたいへん多かった。おそらく今週も同様の傾向だろうが、気になるのが台風18号で、その進路やスピード次第では、週末の馬場に大きな影響が出そう。道悪となるケースも十分に考えられる状況だ。

 血統面は、ディープインパクト産駒とハービンジャー産駒をプラスに評価。とはいえ実際は、今回データを掲載している種牡馬の産駒はすべて、コース適性が高いと言っていいだろう。しかし、ほとんどの馬がプラス評価の対象となってしまうので、信頼度がとくに高いディープインパクト産駒と、回収率が優秀なダイワメジャー産駒に限定した──というのが舞台裏。血統というファクターを、あまり気にする必要がない登録メンバーである。

★出走登録馬・総論×各論

 秋華賞の最重要トライアルであるローズS。今年もリスグラシュー、ファンディーナ、モズカッチャンなど、春の牝馬クラシック路線で活躍した馬が何頭もエントリーしてきた。女王ソウルスターリングの不在とアドマイヤミヤビの回避は残念だが、それによって混戦模様となり、馬券的に面白くなった部分もある。高配当を狙う買い目のほうが、ここは楽しめそうだ。

 アドマイヤミヤビの直前回避で、より人気を集めるであろう存在がファンディーナ。しかし、本馬の扱いはかなり難しい。というのも、G1級の素質馬であるとはいえ、実績的には「フラワーCの勝ち馬」でしかないからである。皐月賞でアルアインから0秒5差の7着という戦績は立派なものだが、ここで一本かぶりの人気になるというのは、さすがに過剰評価。データ的にも、買いか消しかでいえば「消し」である。

 トップ評価はモズカッチャン。オークスでは6番人気と伏兵扱いだったが、ソウルスターリングに0秒3差の2着に好走。2走前のフローラSでは、中団から一気の脚で差しきったように、決め脚もしっかり持ち合わせている。オークスの最先着馬なのだから、例年であればこの馬が1番人気になりそうなもの。それが3番人気あたりで買えるのであれば、配当的にはかなりおトクだ。

 二番手評価にミリッサ。春のクラシック路線には乗れなかったが、前走は古馬1000万下を相手にレコード勝ちと、その能力の高さを見せつけた。さすがは母シンハリーズで、今ならここでも能力的に見劣らないはず。姉シンハライトが強烈なパフォーマンスを見せたこの舞台で、初重賞制覇を成し遂げる可能性も十分にあるはずだ。

 人気薄では、一発がありそうなサトノアリシアに注目したい。昨年の夏に未勝利→コスモス賞を連勝して以降は好走できずにいたが、前走は札幌で古馬準オープンを相手に3着好走。51キロと軽ハンデだったとはいえ、ハイペースで好位追走から最後まで粘りきった内容から、決して侮れない存在といえる。10〜12番人気あたりになれば、なおさら面白いはずである。

 以下は、カワキタエンカ、リスグラシュー、レーヌミノル、ブライトムーン、カラクレナイ、メイズオブオナー、メイショウオワラという評価の序列。あとは、内枠に入った馬を少しプラスに、外枠を引いた馬を少しマイナスに評価すればオッケイだ。ヒモ荒れ傾向が強いレースなので、2〜3着には人気薄を積極的に狙いたいところ。例年よりも波乱含みの様相なのだから、なおさらである。



■総論×各論・先週の馬券回顧




阪神11レース セントウルS(G2)
1着 07ファインニードル
2着 06ラインミーティア
3着 13ダンスディレクター

馬連が正解ですかそーですか(#^ω^)ビキビキ

というわけで、馬単一方通行のド裏目を食らって見事にサクラチル。馬連だと合成オッズ的に破壊力不足……と考えての選択とはいえ、馬連で30.9倍もつけるんだったら十分ダヨネ。さすがに欲張りすぎた感はあるが、こういう攻めた馬券でヌケるのはある意味、自分の真骨頂。見立て自体は間違っていなかった!(自己弁護)

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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