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だから逃げて! 典さん!

  • 2017年09月21日(木) 12時00分


お父さん、ご存じですかね?

【神戸新聞杯は、圧倒的1人気のダービー最先着馬(5着以内)の土俵入りを観戦するレースだ】

だから4角を回って直線に向いたときにかけるエールは、もちろん、

【よいしょ!】

ですぞ、ということを。

書き方は微妙に変えてるけど、こんなことを毎年のように記している。もはや日課(年課?)だ。今年は、かつて東スポで連載されていた奈良林祥氏の「お父さん、ご存じですか」風にしてみた。

それはともかく、

この場合の土俵入りとは、もちろん横綱だけに許された横綱土俵入りのことだ。横綱相撲を超えた大楽勝感を伝えたくて、ずっとそう呼んでいる。

実際、ダービー最先着馬(5着以内)が神戸新聞杯に出走すると、圧倒的1人気になりやすく、しかも大楽勝することが多い。

【ダービー最先着馬(目安5着以内)が1番人気に支持されたら、2連レベルで絶大】【ダービー最先着馬が1番人気以外だったら、3連レベルで信頼大】

とはいえ、毎年毎年1人気馬が土俵入りを披露しているわけではない。一昨年の1人気馬リアルスティールは2着だった。その年は土俵入りではなく、横綱が横綱相撲を取ろうとして、金星を献上してしまった。そんな感じだった。

だから、どうしても、
【ダービー最先着馬が1番人気に支持されたら、2連レベルで絶大】
と書かざるをえない。

土俵入りではなく、横綱相撲。
横綱相撲だから、力の違いで押し切ることもあれば、金星を献上してしまうこともある。それでも連対は外さない。

では、去年のサトノダイヤモンドのレースっぷりは土俵入りだったのだろうか? それとも横綱相撲だったのだろうか?

単勝1.2倍

土俵入りに相応しい単勝支持率だった。

ふつうにスタートして真ん中外目を追走。いつもなら4角回るくらいから加速して、直線に向いて一気に突き放す。この時もいい感じで4角を回って、直線を向いたから、
「ヨイショ!」と心の中で叫ぼうかと思っていたら、ん?

想像どおりには伸びなかった。
ミッキーロケットの伸びが目立ち、危うく差されるのでは? とヒヤッとしたくらいだった。実際、上がり1位はミッキーロケットだった。

だけど、ミッキーが迫って来てからの走りは、抜かせないぞ! そんな走りでもあった(ように見えた)。
横綱が前頭筆頭くらいのイキのいい若手にぶつかり稽古をしているかのようだった(正式には『あんま』かもしれないけれど、ここは『ぶつかり稽古』にしてみた)。

土俵入りじゃなくて、ぶつかり稽古。うむ、これはこれでいい。一番しっくりくる。

この2頭で3着馬を3馬身離したから、ミッキーロケットの思い切りがよかったと言えるし、その後の菊花賞でのサトノダイヤモンドのレースっぷりは、まさに土俵入りと言いたくなるような楽勝っぷりで、神戸新聞杯のぶつかり稽古はサトノダイヤモンドにとってもいい稽古になっていたのかもしれない。

でも、サトノダイヤモンドを頭固定で買っていた人は、ドキドキしただろうな?

神戸新聞杯 単勝1.2倍 クビ差
菊花賞   単勝2.3倍 2馬身1/2

神戸新聞杯で大きく張ってヒヤヒヤした人が、菊花賞では買うのを控えたかのようだ。

単1.2倍を買う人は、100円買いの記念買いか、100万以上の投資買いの二つに分かれるのでは? と勝手に推測している。
で、昔ながらの張り師がサトノダイヤモンドからの馬連を3点くらいで仕留める。

netkeibaニュースでも紹介されていた「勝負馬券論・100万仕事のマグナカルタ」(著・市原克也)によれば、絶対的な軸馬がいたら、その馬から10倍台の馬連を2、3点買って、成功したら、そのお金を使って、再度10倍台の馬連に転がして、資金を増やしていくのが理想だそうだ。

今は3連系のデジタル時代だから、儲けるなら3連系で大穴を拾っていくのが良いと言われている。著者の市原氏もその考えを肯定しつつも、数千円を2、3点で10倍台に何度か転がして、100万円を作りたいそうだ。

そういう意味では神戸新聞杯は軸がしっかりしているから馬連2、3点主義の方にはいいレースなのかもしれない。

例えば、去年の神戸新聞杯。
横綱1人気のサトノダイヤモンドから流す10倍台の馬連は2点しかなかった。
だからチョイスに迷わず簡単だったろう。

サトノ=カフジプリンス  11.6倍
サトノ=ミッキーロケット 11.6倍

ちなみに本書は、タイトル(勝負馬券論・100万仕事のマグナカルタ)通り、100万勝負にこだわり、そこにたどり着くまでのプロセスとマインドについて探求し、それを8つのマグナカルタ(大憲章)としてまとめた本だ。

著者の100万仕事(最高で700万仕事)の経験や、著者がリスペクトする、netkeiba.comのウマい馬券でもおなじみの、ゲート・インの吉冨隆安さん、双馬毅さんとの対談は読み応えがある。対談なのに驚嘆と共感に加え、叱咤もまみれているからだ。100万を飛び越えて、500万、1000万仕事を何度も経験している傑物二人の話は面白いし、ためになる。

つまり、今年のレイデオロも、土俵入り、もしくはぶつかり稽古だと思えば、1着固定で買えばいいし、横綱相撲と思えば、2着の可能性を加味して、馬連を買えばいいということだ。

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神戸新聞杯のヨイショ・ポイント
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予想
1人気 レイデオロ    2.1
2人気 キセキ      3.9
3人気 サトノアーサー  6.2
4人気 ダンビュライト  6.7
5人気 カデナ      11.3
6人気 ベストアプローチ 13.1
7人気 マイスタイル   13.9
ーーーー
8人気 アドマイヤウイナー 43.1
以下

【ダービー最先着馬(目安5着以内)が1番人気に支持されたら、2連レベルで絶大】

レイデオロはダービー馬。
1人気も確定的。
連対は「絶大」レベルだ。

予想オッズを見ると、実質7頭立ての競馬に見える。
この通りならば、レイデオロからの馬連10倍台は、5人気〜7人気の3頭か。

カデナはGIよりもGIIで力を発揮しそうに思える。
マイスタイルは典さんがマイペースで逃げるならば、弥生賞の再現(2着)があってもいい。
ベストアプローチも青葉賞で2着している。
3頭ともにGIIでの好走実績があるから、ここで走っても驚けない。

ちなみに予想2人気〜4人気の馬にはGII以上での連対実績はない(ダンビュライトはGI・3着はあるけど、GIIでの連対はない)。

絶大レベルの1人気の時の相手は、過去10年だと、

2〜3人気  4回
6〜8人気  4回

フィフティー:フィフティー。
ならば6〜8人気を買いたくなる。

今回は実質7人気までの競馬だから、1つズラして5〜7人気でいいのではないか?

つまり、予想オッズどおりだとカデナ、マイスタイル、ベストアプローチとなる。レイデオロとの馬連が10倍台なら3頭均等買いでも十分足りる。

うむうむ簡単だ! レイデオロが土俵入り、いやぶつかり稽古、いや単なる横綱相撲でも十分だ。

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池江厩舎と角居厩舎のお任せポイント
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ローズSは角居厩舎のラビットランが1着した。ローズSは角居厩舎と石坂厩舎のどちらかが好走すると記し、中でもラビットランに注目したら、見事に1着してしまった(ちなみにカワキタエンカも注視しましたよ、奥さん!)。

セントライトは池江厩舎の2着、3着(ちなみに1着したミッキースワローにも注目できましたよ、奥さん!)。

その角居厩舎と池江厩舎が神戸新聞杯にも有力馬を出走させる。

角居厩舎は、春はあと一歩が足りなかったキセキを立て直して、Mデムーロを引き続き確保しての出走。前走1000万勝ちの夏組の王道は、ここで3着して、菊花賞で跳ね上がるパターン(オウケンブルースリ・ビッグウィーク)。もし、そこまで描いて、Mデムーロを確保したというのなら、キセキを相当評価しているということだ。いくら角居厩舎の馬でも、この馬は社台グループの馬ではない。Mデムーロもお付き合いだけで騎乗することはないはず。

池江厩舎は、皐月賞馬のアルアインとサトノクロニクルをセントライトに回して、サトノアーサーをこちらに出走させる。神戸新聞杯は3歳馬の秋の路線の王道的前哨戦で、そこにサトノアーサーを出走させるということは、池江師の期待は春同様にサトノアーサーのように見える(真意はわからないけれど、一般的にはそう見える)。鞍上川田もデビュー以来一貫して騎乗していて、そこにもブレがない(ように見える)。

予想1人気 レイデオロ ルメール
予想2人気 キセキ   Mデムーロ
予想3人気 サトノアーサー 川田

先週のセントライトは2・1・3人気で決まったけれど、できれば上位人気馬から1頭削ってみたい。

だからこの3頭をじ〜〜っと眺めてみる。
今週も角居&池江厩舎におまかせしていいのか?
いや、やっぱり、
ルメール&Mデムーロにおまかせしたほうがいいのか?

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神戸新聞杯・注目馬
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レイデオロがどんな相撲を取るのか大いに注目しつつも、
デムーロのキセキのレースっぷりにも注目してみたい。

だから、サトノアーサーをサゲることにした。

レイデオロとキセキでなんかを包むのが理想だ。秋は包装紙馬券が楽しいから、その練習も兼ねられる。

包みたいのは、前記した馬連候補生たち。
ベストアプローチ
マイスタイル
カデナ

マイスタイルにはできればダービーと同じような感じで逃げて欲しい。
そうなったときに、他陣営がどんな動きを見せるのか? そこが大いに気になる。

ダービーは、ルメール以外の騎手はみんな反省していた。
「動けなかった」と。

競馬場は違えども同じ2400で、同じようなSペースでマイスタイルが逃げたら、少なくともダービー騎乗者たちの脳裏にはダービーがよぎるはず。

逃げが打てるアダムバローズ池添が番手に控えてくれたら、再現できるんじゃないか。どんな競馬をしてくるか読めないのが典さんだから、逃げと決めつけられないけど、ぜひともダービーを再現する作戦を立ててほしいものだ。

もし、そうなったら、誰か動くかな?
前哨戦だし、ルメール含めて誰も動かないかな?
うむ、どのみち観戦しがいがありますぞ、全国の奥さん!

だから逃げて! 典さん!

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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