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GI・JpnI馬4頭の戦いを制するのは?!/日本テレビ盃

  • 2017年09月26日(火) 18時00分


JBCクラシックへ向けた戦いが始まる


 9月27日(水)、船橋競馬場で行われるRoad to JBC『第64回日本テレビ盃(JpnII)』。秋のGI・JpnI戦線を前に、王者たちがここから始動します!JBCクラシック、チャンピオンズC、東京大賞典と続くダート古馬中距離の王道路線の戦い。本番を見据えた好メンバーが揃いました。

 JRA勢はアポロケンタッキー、ケイティブレイブ、サウンドトゥルー、モーニンの4頭。最初に、このうちの3頭が出走していた前走・帝王賞を振り返りましょう。

 1番人気はドバイワールドC(5着)帰りのアウォーディー。2番人気アポロケンタッキー、3番人気サウンドトゥルー。JRA勢で唯一GI・JpnIを勝っていなかったケイティブレイブは6番人気でした。

 2枠3番に入り「逃げる」と思われていたケイティブレイブ。しかしゲートが開くと大きく出遅れてしまいます。「スタートで大きくつまずいて正直“終わった”と思いました」とレース後に振り返った福永祐一騎手。代わりにレースを引っ張ったのはオールブラッシュ。クリソライト、アウォーディーと続き、中団にサウンドトゥルーとアポロケンタッキー。ケイティブレイブは後方からの競馬となります。

 コーナーを回ってクリソライトが先頭に立ち、直線では外から追い上げるアウォーディーを振り切ってこのままゴールかと思いきや、さらに外から豪快に伸びてきたケイティブレイブが差し切って勝利。鮮やかな末脚を見せてくれました。「気を取り直して途中で押し上げていく準備は出来ていました。思っていたよりも手応えが良く、直線でいい脚を使うことが出来ました」と福永祐一騎手。これまで逃げて重賞を制してきたケイティブレイブが“つまずく”というハプニングで図らずも自身の走りの幅を広げる結果となったのです。

船橋コースと先行策で“圧勝”も期待できるケイティブレイブ


 ケイティブレイブもJpnIホースの仲間入りをして、日本テレビ盃に出走するJRA勢4頭はすべてGI・JpnIホースということに。実に魅力的な4頭ですが、今回はこの路線の世代交代を見据えてケイティブレイブを中心に推したいと思います。

 3歳で兵庫チャンピオンシップ、さらに古馬に混じって白山大賞典、浦和記念を制覇。今年4歳になって名古屋大賞典、帝王賞を制して重賞5勝。園田、金沢、浦和、名古屋、大井と様々な遠征先で重賞を制覇しており、初めての船橋にも不安はありません。コーナーがスパイラルカーブで「走りやすい」とJRAの騎手たちも太鼓判を押す船橋コースは歓迎。本来の先行策を取れれば“圧勝”もあるかもしれません。

初めての船橋にも不安はないケイティブレイブ(写真は2017年帝王賞優勝時、撮影:高橋正和)


 一昨年このレースを圧勝したサウンドトゥルー。その年の暮れに東京大賞典も制してGIホースの仲間入り。昨年の日本テレビ盃でもアウォーディーの3着に健闘。前走・帝王賞も4着で勝ち切れないレースも多いですが昨年のチャンピオンズCを制するなど“ここ一番”で見せる末脚が武器。この1年間GI・JpnIレースだけを戦ってきましたが、1年ぶりのJpnIIレースで昨年以上を目指します。

“ここ一番”で見せる末脚が武器のサウンドトゥルー(写真は2016年チャンピオンズC優勝時、(C)netkeiba.com)


 秋の飛躍に期待する5歳馬・アポロケンタッキーは前走・帝王賞はドバイワールドC(9着)帰りで5着。帰国初戦で遠征の疲れがあったと考えれば地力は見せてくれました。昨年の東京大賞典でアウォーディー、コパノリッキー、サウンドトゥルーらを破った走りを再び見せて欲しいと思います。

前走は帰国初戦だったが地力は見せたアポロケンタッキー(写真は2016年東京大賞典優勝時、撮影:高橋正和)


 最後に別路線からモーニン。今年のフェブラリーSは12着も、かしわ記念ではコパノリッキーの3着、前走・さきたま杯はスタートで後手を踏み中団後方からの競馬となりながらもホワイトフーガの2着と、少しずつ着順を上げています。昨年の日本テレビ盃は58キロで2着、今年は57キロと斤量が1キロ減っているのと、昨年の勝ち馬アウォーディーが出走していないことなどから優勝のチャンスはありそう。すんなりとゲートを出て自分の競馬ができれば昨年のフェブラリーS以来、1年7か月ぶりの勝利を挙げることができるかもしれません。

1年7か月ぶりの勝利を目指すモーニン(写真は2016年フェブラリーS優勝時、撮影:下野雄規)


 近年の傾向を見るとすべて4番人気以内で決着している日本テレビ盃。地方勢は2012年3着のマグニフィカ、2011年3着のカキツバタロイヤル、1着は2010年のフリオーソまでさかのぼります。JRA勢優勢の状況は今年も続きそうです。

 日本テレビ盃はRoad to JBCであると同時に船橋競馬の秋のビッグレースでもあります。今回地元船橋から唯一出走する3歳馬キャッスルクラウンには53kgの軽量を活かし、ひとつでも上の着順を目指して欲しいですね。

地元船橋から唯一出走する3歳馬キャッスルクラウン(写真は2017年戸塚記念出走時、撮影:高橋正和)


 上位争いはJRAの4頭に絞られそうな今年の日本テレビ盃。モーニンが逃げるのか?それともケイティブレイブが行くのか?アポロケンタッキーとサウンドトゥルーはどこで動くのか?GI・JpnIホースたちのJBCクラシックへ向けた戦いが始まります。

※次回の更新は10月2日(月)18時。翌日に金沢競馬場で行われる「白山大賞典」のコラムをお届けします。



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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