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菊花賞をレコード勝ちした兄を持つニックス配合馬トーホウアルテミス

  • 2017年09月27日(水) 12時00分
エールグリーツ(牝 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母アーヴェイ)
 母アーヴェイは英米日で15戦5勝、フラワーボウル招待S(米G1・芝10f)とラヴァラック&ランウェイズフィリーズS(英G3・芝9f)を勝った。前者にはアメリカ遠征中のレッドディザイアも出走しており、アタマ、3/4馬身差の3着となっている。「Danehill Dancer×In the Wings」という組み合わせで、欧州二大血統のデインヒルとSadler's Wellsを併せ持っている。このパターンのディープインパクト産駒は日本ではさほど走っていないが、アイルランドの現2歳世代でトップクラスを形成するSaxon Warrior(17年ベレスフォードS-愛G2)、September(17年モイグレアスタッドS-愛G1・3着)の2頭は、いずれもデインヒルとSadler's Wellsを抱えたディープインパクト産駒。全兄アンバーグリスキーはすみれS(OP)4着などの成績がある。牝馬に替わった本馬は軽さが増す可能性があるので、ベストは洋芝だとしても野芝にも対応できるのではないか。

トーホウアルテミス(牝 栗東・谷潔 父ハーツクライ、母トーホウガイア)
 菊花賞(GI)をレコード勝ちしたトーホウジャッカル(父スペシャルウィーク)、CBC賞(GIII)を勝ったトーホウアマポーラ(父フジキセキ)の4分の3妹。母の父Unbridled's Songは現役時代にブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)とフロリダダービー(米G1)を勝ち、種牡馬としても全米最強馬Arrogateなどを出し成功した。母の父としてはサンデー系種牡馬との間に大物を出しており、上記の兄弟のほかダノンプラチナ(14年朝日杯フューチュリティS-GI)、スワーヴリチャード(17年共同通信杯-GIII、17年日本ダービー-GI・2着)などを出している。本馬はハーツクライを父に持つのでスワーヴリチャード、アダムバローズ(17年若葉S-OP)、カレンケカリーナ(OP)などと同じ。この組み合わせはJRAで出走した7頭中6頭が勝ち上がり、連対率31%、1走あたりの賞金額386万円という優れた成績を挙げている。ニックスといっていいだろう。完成は古馬になってからかもしれないが、芝中距離で重賞クラスの活躍が期待できる。

ミッドサマーコモン(牝 栗東・野中賢二 父ディープインパクト、母ストロベリーフェア)
 フローラS(GII)を勝ったミッドサマーフェア(父タニノギムレット)の半妹。2代母ストームソングは96年のブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ8.5f)の勝ち馬で、母ストロベリーフェアはイギリスで5戦して2着が最高着順だったが、良血を活かして繁殖牝馬として成功。ミッドサマーフェアのほかに4頭のJRA勝ち馬を産んでいる。ストームソングは名繁殖牝馬マジックストームと配合構成が酷似しており、マジックストームはディープインパクトとの間にラキシス(14年エリザベス女王杯-GI)、サトノアラジン(17年安田記念-GI)を産んでいるので、ストームソングを母に持つストロベリーフェアとディープインパクトとの相性も良さそうだ。マイルから2400mまで幅広い距離に対応できるだろう。

レッドヴェイロン(牡 栗東・石坂正 父キングカメハメハ、母エリモピクシー)
 母エリモピクシーはエリモシック(97年エリザベス女王杯-GI)の全妹で、京都牝馬S(GIII)3着など重賞で上位入線を繰り返した活躍馬だった。繁殖牝馬としては姉をしのぐ成績を挙げている。クラレント(父ダンスインザダーク/11年デイリー杯2歳S-GIIなど重賞6勝)、レッドアリオン(父アグネスタキオン/15年マイラーズC-GII、15年関屋記念-GIII)、リディル(父アグネスタキオン/11年スワンS-GII、09年デイリー杯2歳S-GII)、サトノルパン(父ディープインパクト/15年京阪杯-GIII)、レッドアヴァンセ(父ディープインパクト/16年エルフィンS-OP)などを出している。本馬の父はキングカメハメハ。初めてサンデー系以外の種牡馬を交配したのでどんな産駒となるのか興味深い。芝向きのマイラーだろう。

レッドラフェスタ(牝 美浦・二ノ宮敬宇 父オルフェーヴル、母ジューシージーン)
 半姉ラムレイ(父ハーツクライ)、レッドアメリカ(父ディープインパクト)はそれぞれ1勝。母ジューシージーンの半兄Chateau IstanaはフライングチルダーズS(英G2・芝5f)を勝ったスピード馬。ただし、母はSadler's Wells系のHigh Chaparralを父に持つので、このファミリーに代々受け継がれているスピードにスタミナや底力といった要素が加わっている。オルフェーヴルの2代母エレクトロアートは、「Northern Dancer+Lt.Stevens」なので、「Northern Dancer+Thong(Lt.Stevensの全妹)」のSadler's Wellsと構成が似ている。したがって、Sadler's Wellsやその4分の3同血のNureyevを入れる配合は好ましい。本馬はこのパターンで、なおかつ父が持たないMr.ProspectorやBuckpasserを抱えている。派手さはないものの堅実な好配合馬で、芝中距離でいいところがありそう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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