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秋GIスタート!混戦スプリンターズSの最終追い切りチェック!

  • 2017年09月27日(水) 18時00分


前走時が仕上がり良好、今回馬体的な上積みはないか


 いよいよ、今週から秋のGIがスタート。本当なら、わくわくするようなスプリンターの集結だったと思いますが、やっぱり小粒なメンバー、というか「休み明けどうなんだ」という実績馬が多く、あまり胸が高鳴ってくる感じがありません。もちろん昨年の覇者レッドファルクスが美浦所属ということもあるのでしょうが、こちらは高松宮記念の覇者ビッグアーサーがいるはずで…。

 これについては下記にありますので、参考にしていただければと思います。netkeiba.comの予想オッズを見て意外だったのはメラグラーナの2番人気。やはり前走の最後の直線は不利だったと思われている方が多いのか、中山芝1200mなら巻き返してくるはずだと思われる方が多いのか。それにしても、シュウジって人気が一気に落ちたんですね、とか予想オッズを見ていると、いろいろ考えるところがありそうです。

【スプリンターズS/ビッグアーサー】

 1週前追い切りはトレセンニュースでもお伝えしましたが、終いの止まり方が気に入りませんでした。というか、好調時は時計を要したとしても、勢いがあったのですが、本当に止まっているといった走り。少しもたれるようなところがあったのも気になっていました。しかし、デビュー前の追い切り以来だった城戸騎手だったことも影響しているかも知れないと思い、最終追い切りに注目しました。

 いつもの担当助手が跨っていましたが、スタート時に首を振るのはいつものこと。最初だけ我慢して、あとはスピードに乗っていく走り。最後の1Fは完全に止まっていて、やっぱりもたれて走っているように見えました。3F目から4F目の減速は1.5秒。数字以上に止まっている感じでしたし、現状では地力でどこまでやれるか。仕上がりとしては5分、6分だと思います。

ビッグアーサーは地力でどこまでやれるか(9月21日撮影) style=

ビッグアーサーは地力でどこまでやれるか(9月21日撮影)


【スプリンターズS/メラグラーナ】

 中京芝1200mでは結果が出なかったものの、前走阪神芝1200mではメンバー最速上がりの4着。しかも内から抜け出してくるのに時間を要したので、このあたりが上位人気に支持されている要因でしょうか。

 個人的には前走時にすでに仕上がり良好だったと思っているので、馬体的な上積みはないと思います。あとは最終追い切りですが、ある程度の時計を出していながら、2F24.5秒、1F12.3秒。この動きを見ても、やはり急坂での加速力は得意。とはいっても、中団から差す競馬をして、他との脚力比べで抜けているわけでもないと思うので、あまり高い評価ができないと思います。

【スプリンターズS/ダイアナヘイロー】

 6月から8月にかけて4連勝した4歳牝馬。この勢いは素晴らしいと思いますし、前走北九州記念からのローテーションも好感。ここでG1を獲るなら、ある程度目一杯に仕上げてくるだろう、勝手にそんなイメージを持っていました。ところが実質的な追い切りは2週前、1週前、そして最終追い切りの3本と少なめ。

 最終追い切りこそ、4F51.1秒と速かったのですが、前走時と2走前1着時は1週前追い切りの時計が速く、最終追い切りは軽め。このパターンの違いをどう判断するかだと思いますし、全体的な調教内容を見ると、ここにきて夏場の疲れが出てきたという可能性も否定できません。

ダイアナヘイローは追い切りパターンの違いをどう判断するか(9月20日撮影) style=

ダイアナヘイローは追い切りパターンの違いをどう判断するか(9月20日撮影)


【スプリンターズS/レッツゴードンキ】

 ヴィクトリアM以来のレースなのに、今回の追い切り開始が9月10日。これはかなり遅いと思いますが、素晴らしい馬体を見ると、いい休養期間だったのだろうと想像します。2週前追い切りは栗東坂路でしたが、1週前追い切りはCWコース。このあたりに久しぶりでもきっちり力を発揮させようとする陣営の意図も感じます。

 そして最終追い切り。時計だけなら、昨年9着時とほぼ同じ。中4週でここを使った時と同じですから、仕上がり状態は同等だと思っていいと思います。実際、その時にメンバー最速上がりを使っているので、状態は良かったのでしょう。問題は位置取り。追い切りでもテンから急かす内容ではなかっただけに、今年も中団より後ろからレースをして、どこまで前に迫ることができるか。そんな内容になりそうです。

【スプリンターズS/ダンスディレクター】

 昨年と同じローテーションでの出走ですが、前哨戦7着だった昨年に対して、今年は3着。それだけにどんな状態でここへ出走してくるのか、かなり注目していましたが、結論からいえば、昨年とあまり変わりないと思います。

 その理由は最終追い切り。前走時は昨年に比べて、かなりしっかりと時計を出してきました。だからこそ結果が出たと思いますが、今回の最終追い切りは4F54.2秒。全体時計が遅いのはもちろん、2F26.0秒がまた遅い時計。ちなみに昨年が25.4秒で、前走セントウルSが2F25.5秒。個人的には3F目が12秒台がこの馬の好走調教だと判断しているだけに、ここはあまり高い評価ができません。

ダンスディレクターはどんな状態で出走してくるのか注目していたが…(9月26日撮影) style=

ダンスディレクターはどんな状態で出走してくるのか注目していたが…(9月26日撮影)


◆次走要注意

・9/24 2歳未勝利【ダノンスマッシュ】(1人/1着)

 ここは順当な勝利でしたが、直線先頭に立って、もっと後続を突き放すと思ったところが2馬身差。まだ気を抜くところがあるらしく、そういったところをレース数を使うことで解消していけば、もっともっと強くなるはず。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切り栗東坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・兵庫特別【ダノンディスタンス】

 ひと夏越して、明らかに成長した姿と精神力で現在の調教をこなしています。最終追い切りでも春には見られなかった集中力で快走。もともと折り合いに難があるようなタイプではなく、ここを勝って、菊花賞の舞台へ進んでほしいものです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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