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開幕週の東京直線で弾けてくれそうな1頭とは!?/見逃せない東西3重賞最終追い切り詳報

  • 2017年10月04日(水) 18時00分


完全に動けるモードに入っているシュヴァルグラン


 今週から東京、京都競馬場での開催がスタート。その開幕週は毎日王冠、京都大賞典といった秋のG1に向けて、見逃すことができない重賞があります。そして、盛岡競馬場では10月9日にマイルCS南部杯が行われますが、こちらも12月のチャンピオンズCのことを思えば、注目しておかないといけない一戦になりそうです。

 マイルCS南部杯はウマい馬券でも予想を入稿させていただこうと思いますが、まず今日の追い切りで注目したのはカフジテイク。先週に続き、福永祐一騎手が跨っていましたが、栗東坂路で素晴らしい追い切りができました。先週のCWコースでは内にささるような仕草を見せていましたから、やっぱり右回りは不安。逆に左回りなら何の不安もありませんし、あとは最後の直線が300mしかないので、そこで前を捕まえることができるかどうか。

カフジテイク(10月4日撮影) style=

栗東坂路で素晴らしい追い切りができたカフジテイク(10月4日撮影)


【毎日王冠/サトノアラジン】

 もともと馬っぷりの良さは目立つタイプでしたが、今回は休み明けから毛艶が冴えています。秋の休み明けはスワンS1着という実績があるだけに、久しぶりを苦にするタイプではないのかも知れません。でも、その時以上に雰囲気がいい、そんな中間の調整だと思います。

 最終追い切りも6Fからやってきました。川田将雅騎手が跨って、ジークカイザーを追走。最後はきっちりと交わして先着。そもそも2週前追い切りの時点で速い時計を出し、ある程度できている印象だったので、この追い切りで出来すぎてしまうのではないかと思うくらいに動けました。あとはレースでの目的をどこに置いてレースを進めるか。それで着順が決まりそうな感じがします。

サトノアラジン(10月4日撮影) style=

休み明けで快勝したスワンSの時以上に雰囲気がいいサトノアラジン(10月4日撮影)


【毎日王冠/マカヒキ】

 日本ダービーでは◎を打ちましたが、フランス遠征後の今年は本命を打っていません。どうしても3歳春に見たマカヒキのイメージからすると物足りなさを感じてしまって、厳しい評価をしたのかも知れません。ただ、実際に連対はしませんでしたし、陣営も現状を「春と比べたら、今回の方がいい」とコメントしています。

 ここ1、2週でいいと思ったわけではなく、帰厩してすぐの追い切りから馬体の張りや雰囲気の良さを感じていました。だから、最終追い切りを見ても、それをうまく維持している。そんな印象です。特に最終追いは軽い内容だったこともあり、時計的には物足りない印象もあるかも知れません。でもこの馬は出来ているからこそ、最終追い切りは軽めにする。これが好調時のパターン。今のマカヒキなら、東京の直線できっちり弾けてくれる。そう信じてみたい今回です。

マカヒキ(10月4日撮影) style=

時計的には物足りない印象も出来ているからこそ、最終追い切りは軽めのマカヒキ(10月4日撮影)


【毎日王冠/リアルスティール】

 ドバイは遠征したものの、レースに使うことはなく帰国。それ以来のレースということで、かなり不安要素が多いと思いますが、それを打ち消して余りあるくらい魅力的なのが馬体の充実ぶり。仕上がりうんぬんではなく、中身がしっかりと詰まっていて、今秋が楽しみになるようなフレームといったところでしょうか。

 だからこそ、栗東坂路での追い切りもしっかりと時計を出しているというのが個人的な解釈。CWコースでの追い切りこそありませんが、2000m以下の距離で勝負するなら坂路オンリーの仕上げでも全く問題ないと思います。とにかく今の馬体でどこまでのパフォーマンスを見せてくれるか。それが楽しみです。

【京都大賞典/シュヴァルグラン】

 昨年までの休み明けは重い、もっさりしている、そんなイメージでした。でも今年は調整法を変えたことで、そういったところがなく、常に動ける態勢が整っているといった感じ。だからこそ、G1でもあと少しのところまできているのだと思います。

 今回も春と変わりなく、休み明けでも機敏な動きを見せています。最終追い切りは5日に行われると思いますが、9月28日のCWコースでヴィブロスとの併せ馬で完全に動けるモードに入っています。最終追い切りは栗東坂路だと思いますが、時計は4F53秒前後が理想。出来ているからといって、時計を遅くしてしまうとあまり良い結果にはならないと思います。

シュヴァルグラン(10月3日撮影) style=

春と変わりなく休み明けでも機敏な動きを見せているシュヴァルグラン(10月3日撮影)


【サウジアラビアRC/ダノンプレミアム】

 新馬戦は阪神芝1800mを完勝。このレースで5着だったシュバルツボンバーが直後の中京芝1600mをレコード勝ちし、6着だったシエラネバダは先週の阪神芝2000mで勝ち上がりました。決してレースレベルが低いわけではなかったと考えれば、キャリア1戦でも魅力の方が大きくなるのは当然です。

 ただ、この中間の追い切りはあまり動きが目立ちません。9月28日のCWコースでは古馬1000万下を追いかけて、結局追いつけないままに遅れ。時計的にもあまり動いていない印象でした。そして、最終追い切りはタングルウッドを追いかけて、内から追い抜いたものの、その後は手応えに余裕のある相手に追いつかれそうになりました。最終追いは6F84.9〜5F68.4〜4F53.2〜3F38.5〜1F11.8秒なので、終いはしっかり伸びていると思います。ただ動きが俊敏というタイプではないだけに、開幕週の東京芝に適性があるのかどうか。そこが疑問です。

ダノンプレミアム(写真奥・10月4日撮影) style=

東京芝に適性があるのかどうかが気になるダノンプレミアム(写真奥・10月4日撮影)


◆次走要注意

・10/1 2歳新馬【フェールデュビアン】(3人3着)

 調教通り、抜群のゲートセンスで逃げて、レースの主導権を握ります。瞬発力負けした印象もありますが、そもそも追い切り本数が少なく、中身が出来ていなかったということもあります。ひと叩きしたことでテンションが上がってこなければ、次は勝ち負け。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切り栗東坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・久多特別【キアロスクーロ】

 昨年は8着に敗れたレースですが、今年は休み明けでの出走。追い切り本数は少なく、最終追い切りの時計も地味ですが、なにせ動きのスムーズさが魅力。加速していくリズムもよくて、これは休み明けから動けると思いたい走りでした。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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