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どれが来てもおかしくない菊花賞

  • 2017年10月20日(金) 18時00分


◆買いたい穴馬をとことん買っていくべき

 今年の菊花賞はダービー1〜3着馬が不在。しかも週末はずっと雨ということで、波乱ムードである。

 例年ならば神戸新聞杯の上位馬が堅調なのだが、今年はそもそも勝ち馬が不在。かわって人気になるのが当時2着のキセキだろうか。

 ただ、かなり決め手のある馬だけに雨はマイナス材料。ルーラーシップ産駒そのものは重や不良をこなしているが、この馬のレースぶりだと良馬場のほうが無難だった。枠も外めだけに、いかにロスなく進めるかも問題だ。

 神戸新聞杯3着のサトノアーサーも重歓迎ではないが、きさらぎ賞で不十分ながらもこなしてはいる。むしろこの馬の場合は距離のほうが課題か。エンジンのかかりが遅いタイプなので、早めに仕掛けて距離の長さを利用する手はあるが、一方で距離を気にするとそういう競馬はしづらくなる。

 神戸新聞杯4着のダンビュライトはとにかく決め手がない馬なので、道悪は歓迎だろう。なるべく位置をとって粘り込みたい馬なので、枠は外過ぎる印象。武豊騎手の経験で、いかに距離損することなく前、そしてインにもぐりこめるかが課題となる。

 5着以下だった3頭からは、アダムバローズに僅かに複穴になる可能性を感じる。道悪経験はないが速い決着になってよいことはない馬なので、展開と馬場を利してぎりぎり3着というイメージだ。

 セントライト記念組はミッキースワローが人気になるだろうが、決め手を殺されることを考えるとこの馬も道悪は歓迎できない。血統から3000mへの延長で大きな上積みがあるようにも思えない。ただ横山典騎手は長距離戦の実績があるので、そこは強調材料だ。

 アルアインはもともとの使われ方を考えると3000mでさらに良くなるという見立てはしづらい。馬場は渋っても対応できるだろう。今回は枠も外を引いたので、個人的にはあまり買いたいという気持ちにならない。ただ先週の秋華賞でコース取りの妙を見せたルメール騎手なので、どんな競馬をしてくるかの興味はある。

 サトノクロニクルは重賞好走組の中では距離への対応力がありそう。道悪も大きくマイナスにはならないと見る。ただ勝ち切るタイプではないので、買う場合も馬連や3連複の軸というイメージだ。

 今回の特徴はステイゴールド産駒が多く、しかも揃って有利な内枠に入ったこと。ただ一長一短あってどれを重視するかは難しい。  

 スティッフェリオはセントライト記念4着。通常セントライト記念組は3着以内してきた馬でないと厳しい。ただ先行して枠を生かせばある程度の好走は可能かと思う。

 ウインガナドルは絶好枠。問題はハナにこだわるタイプということ。菊花賞の逃げ残りはイメージ以上に厳しい。クリンチャーやアダムバローズの出方もあるので、あくまで展開次第というところか。

 トリコロールブルーマイネルヴンシュの1000万条件組も枠順はまずまず。前者は春に2回重賞を使っているので、やや新鮮味に乏しいが前走の馬体重が示すように成長している可能性もある。後者は多頭数での好走歴が少ないのが不安だが、初手から位置をとっていけば穴になりうると見ている。行く馬を行かせて……ではなく、ウインガナドルの直後につける意気込みでいきたい。

 まだ名前が出ていないところである程度売れそうなのはブレスジャーニーか。ただ休み明けでいきなり3000mへの距離延長、内枠といってもいったん下げることを考えると個人的には手を出しづらい。

 とはいえ、どれが来てもおかしくないのが今年の菊花賞。外れることを恐れず自分の買いたい穴馬をとことん買っていくべきレースと考える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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