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重い馬場ならスタミナ血統が走る菊花賞

  • 2017年10月20日(金) 19時00分


◆4年前のように欧州血統がハマる馬場になりそう

 俗に言われるスタミナ血統とは、たいてい凱旋門賞のような欧州の中長距離レースに強い血のことを指します。が、凱旋門賞に強いスタミナ血統を持つ馬は、軽い馬場で行われる菊花賞では走りません。

 昨年の勝ち馬サトノダイヤモンドは凱旋門賞上位馬のほとんどの血統表に入っているサドラーズウェルズやネヴァーベンドを持っていない馬。

 一昨年も高速馬場。競馬をやっていれば誰でも知っている、スプリント血統サクラバクシンオーを母父に持つキタサンブラックが1着。2着リアルスティールは母父ストームキャットで名マイラーのミエスクの母系。

 レコード決着だった2014年も姉が芝1200m重賞も勝った快速馬のトーホウアマポーラで、母父ミスプロ系アンブライドルズソングのトーホウジャッカルが1着。2着サウンズオブアースも母系は米国型のスピード持続力に優れた血。

 このように、軽い馬場で行われる菊花賞の場合、父が芝2000m以上の重賞で実績を残す種馬でさえあれば、母馬は欧州で強い「スタミナ血統」はむしろ持っていない方がいいのです。

 ただし、重い馬場で行われる菊花賞なら話は別。「欧州の重厚な血」が重要。

 不良馬場で行われた4年前の菊花賞勝ち馬はエピファネイア。父はロベルト系のシンボリクリスエス。母系に欧州の名血ながら、高速菊花賞ではスピードの重しになるサドラーズウェルズ。

 3着バンデはアイルランドの生産馬。父サドラーズウェルズ系。

 今年の菊花賞は、4年前のように欧州血統がハマる馬場になりそう。

 ダンビュライトは近親に重い馬場の宝塚記念を勝利したマリアライト。近親のアロンダイトもダートの長距離G1ジャパンカップダートを優勝。

 同一族が欧州指向のタフな馬場に強いのは母系に潜むリヴァーマンがポイント。同種牡馬はネヴァーベンド系にプリンスキロ系の配合。同系配合のミルリーフも欧州適性が極めて高いです。

 マイネルヴンシュは兄にコスモオオゾラ。重い芝の弥生賞を優勝。そういえば、当時の弥生賞は「ディープ産駒が走れない馬場」としてコスモオオゾラを本命にしました。

 当時も馬場発表は「やや重」でしたが、どうせだったら良馬場発表にしてくれたら良かったなー。と今は思います(笑)。父はステイゴールド。こちらも、サンデー系の中では凱旋門賞適性が高い種牡馬。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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