▲意外なメンバーの合流にティンクもびっくり!?(画像提供:渡部久美子さん)
渡部家にヤギのココアが仲間入り!
愛媛県生まれの渡部さんにとって大三島は、子供の頃、観光によく訪れた馴染みのある島でもあった。
「その頃はまだ橋がかかっていなかったので、しまなみ海道ではなくフェリーでしたけど、ドライブがてら島に行って有名な大山祇(おおやまづみ)神社にお参りしたり、釣りをしたりしました」
その大三島で見つけたのは、農家古民家だ。畑もあり、馬も飼えそうな物件だった。
「2015年の春くらいから、地元の大工さんに頼んで改築しました。家は骨組みだけ残っているような状態でしたが、柱や構造はさわらずに綺麗に化粧直しをしたという感じでした」
たくさんあった細かい部屋は壁を取り払い、ワンルームにした。ティンクの住む厩(うまや)は、農業用倉庫を改造した。
「厩舎のすぐ横がダイニングキッチンになっています。馬を飼うのが初めてでしたし、何かあったらパッと馬を覗けるように、ダイニングキッチンに小窓を作りました」
馬の気配をいつも感じることのできる、馬好きにはたまらない家だ。
実は妻の久美子さんも、自分も農業をやりたいと、渡部さんが会社を退職した2年後には小学校教諭の職を辞した。古民家の改築が終わり、渡部さん夫妻は大三島へと居を移した。
退職後、農業を本格的に学んだ渡部さんは、以前住んでいた西条市の家の庭でも、勉強を兼ねて50種類以上の野菜を栽培していた。大三島でも50種類以上の野菜を作りつつ、柑橘類にも挑戦した。
「野菜は自分で食べるくらいですね。ゴーヤ、オクラ、ピーマン、トマト、大根や人参、果物はスイカやイチゴなどです。あと最近こちらで有名な『媛かぐや』という種類の里芋を、今治農業女子で試験栽培しているのですが、それも育てています。
柑橘類は八朔やタロッコという品種のブラッドオレンジ、温州みかんですね。柑橘類は売るつもりはなかったのですけど、フェイスブックで写真を投稿して美味しいとかつぶやいたら、全国の馬友達から送ってほしいと連絡が入り、買ってくださるようになりました」
やがて馬用の放牧地が整い、2016年7月30日にティンクが大三島へと引っ越してきた。