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秋初戦キタサンブラックの状態は!? 天皇賞秋の最終追い切りチェック!

  • 2017年10月25日(水) 18時00分


前走の惨敗をどう判断するか


 先週の菊花賞。台風の影響もあり、京都競馬場の芝コースは不良馬場を通り越して、極悪馬場といってもよいくらい、時計を要する状態。こうなれば、重の巧拙以上に馬の能力と精神力が重要になるのではないかと思いましたが、それを考慮したウマい馬券の予想は的中。競馬予想TV!でも話しましたが、ルーラーシップ産駒の初G1制覇は現役時代を知る角居勝彦厩舎、しかも厩舎の初G1だった菊花賞。これが見事に決まりましたね。

 毎週毎週、自分の思い通りに結果が決まれば言うことありませんが、今週の天皇賞・秋はどうなりますことやら。今週末も東京競馬場は雨予報ですが、仮に雨が降らないにしても、馬場状態は相当悪化しています。内をあける天皇賞・秋といえば、2007年。勝ったメイショウサムソンは内でも一番悪くなさそうなところを通って、距離ロスない競馬での勝利。1枠1番、武豊騎手。なんか、今年もキーワードになりそうな気がします。

【天皇賞・秋/キタサンブラック】

 前走の惨敗。これをどう判断するか。時期や馬場状態に関しては、昨年こなしているだけに、言い訳にできないところがあると思います。ただ、1つ年をとったことが、蒸し暑い季節、力のいる馬場に対応できなかったという考え方もできるでしょう。調教のやりすぎという意見もあるようですが、それも敗因のひとつだとしたら、去年よりも1つ年をとったからという解釈でよいはず。

 調教内容としては、昨秋の休み明け、京都大賞典よりも本数が多くなっています。これは当然でしょう。その動きも9月の時点から軽快に見えましたし、10月に入ってからも相変わらずな感じ。最終追い切りは少し軽かったという印象ですが、全体的な調教量を考えればこんなものでよいかも知れません。正直、追い切りだけで印評価を決めることができる馬ではないだけに、現時点では曖昧な評価ですいません。

キタサンブラック(10月25日撮影) style=

キタサンブラックの最終追い切りは少し軽かったという印象だが…(10月25日撮影)


【天皇賞・秋/リアルスティール】

 陣営として、前走は急仕上げだった感覚があるのかも知れませんが、あれだけ栗東坂路で速い4F時計を出していたのですから、それが好結果につながったと判断すべき。それはウマい馬券の予想段階でもコラムに記していたので、結果論でないことはご理解ください。問題は中2週の今回です。

 2本の坂路追い切り。正直、前走で仕上がって結果が出たからこそ、今回の調教内容になっていると思います。レース間隔が詰まって、再度の東上。この調教内容は当然かも知れません。ただ、個人的に想定していたのは3本の追い切りで前走以上の本数強化。前走より上積みがあってこそ、ここで好勝負できると思っているだけに、調教内容からはあまり高い評価をしたくありません。

【天皇賞・秋/サトノアラジン】

 前走パドックでその姿を見た時に落ち着き払っていて、雰囲気がありすぎるくらいのオーラを出していました。G1を勝つってこういうことなのかなって感じましたね。それだけに今回の調教内容次第では、ここも好勝負必至。そう思っていました。

 しかし、そのトーンがダウンしたのは先週。池江泰寿厩舎は中2週だったとしても、牡馬なら3本の追い切りが通常。つまり先週は1週前追い切りをやって不思議ないところですが、そこをやっていません。22日に栗東坂路で4F55.9秒を乗って、最終追い切りがCWコースでの併せ馬で先着。前走時にしっかり乗り込まれていましたし、もう追い切りは必要ないのかも知れませんが、この本数は客観的な調教データから強く推せません。

サトノアラジン(10月25日撮影) style=

サトノアラジンは客観的な調教データから強くは推せない(10月25日撮影)


【天皇賞・秋/ステファノス】

 天皇賞・秋は今年で3年連続の出走。過去は毎日王冠をステップレースにしていましたが、今年はオールカマーからの始動。レースは勝ちに等しい内容だったと評価してよいと思いますが、そのあたりは年齢とともに先行してレースができるようになったところにありそうです。

 ですから、前走は休み明けでも仕上がっていたと考えるよりも、叩いた今回の方が上昇すると思っていいはず。ただ、状態が上向いたとしても、先行するレースをすれば、過去の天皇賞・秋で見せたようなメンバー最速上がりを出せるかどうかは疑問。加えて、中4週というレース間隔を考えれば、追い切り本数が3本というのも少し物足りない印象が残ります。

ステファノス(10月25日撮影) style=

追い切り本数が少し物足りない印象のステファノス(10月25日撮影)


【天皇賞・秋/ヤマカツエース】

 東京競馬場は3走して、すべて二桁着順。それを承知でも調教内容からは推したい1頭。ちなみに昨年の天皇賞・秋は最終追い切り場所が栗東坂路だったので、これは状態が悪かったと思います。それに比べると、今回は順調そのもの。9月から栗東で追い切りを積んでおり、その本数は10本を超えています。

 だからこそ、CWコースでの動きはいつも溌剌。最終追い切りも5頭、6頭が周囲にいるところを、最後はごぼう抜きにするような動き。もちろん軽く仕掛ける程度でこの動きですから、いつでも走れる態勢は整っているといった感じ。この状態でもやっぱり二桁着順ということになれば、東京競馬場への適性を疑わざるをえませんが、それはないと思います。

ヤマカツエース(10月25日撮影) style=

走れる態勢は整っているといった感じのヤマカツエース(10月25日撮影)


◆次走要注意

・10/22 2歳新馬【グレイル】(1人1着)

 追い切りでの動きから新馬勝ちして当然と思っていましたが、その評価が悩ましいところ。ただ個人的にはあの雨馬場でレースラップが11.5秒、11.8秒でまとめたところを評価。まだまだ伸びしろもあるはずです。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りトラックでも坂路でもラスト1F最速なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・【ロードヴァンドール】

 天皇賞・秋に出走叶えば、それこそ激走注意の絶好調馬。追い切りでの動きは素晴らしく、逃げたら簡単に捕まらない。そんな感じの走りを追い切りでも見せてくれています。カシオペアSくらいなら楽に逃げ切れるはずです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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