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【キャリア最多勝利】和田竜二騎手(1)『5年前から乗り方のチェンジに取り組んでいます』

  • 2017年10月30日(月) 12時01分
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▲デビュー22年目でキャリア最多勝利を更新中、和田騎手の好調の要因とは!? (C)netkeiba.com


デビュー22年目を迎えた和田竜二騎手が今回のゲスト。2012年のキャリア最多勝利を更新し、ここにきて成績がグッと上がった和田騎手。好調の要因は何なのか?「5年前から乗り方をチェンジ」「日本で通用すればいいという時代ではない」「あとはメンタル」 和田騎手の口から飛び出した数々の気になるフレーズ。和田騎手の“今”に迫ります。(取材:東奈緒美)


幸先輩が涼しい顔して乗っているうちは、つらいなんて言ってられへん(笑)


 現在(10月22日終了時点)、83勝をマークされて、全国リーディング5位。2012年のキャリア最多勝利(80勝・JRAのみ)を更新されましたね。

和田 順調に乗れているのが何よりです。今までよりもいい馬が回ってきているような気もしますし、あとはこの流れを崩さんようにいきたいなと。

 96年にデビューされて、今年で22年目。すでにベテランの域に達しましたが、ここにきて成績がグッと上がったことには何か要因が?

和田 5年くらい前から乗り方のチェンジに取り組んでいて、それが徐々に身になってきているのかなと思います。まぁ、まだまだですけど、だいぶ固まってきたなという実感があるというか。

 具体的にどんなことに取り組んでらっしゃるんですか?

和田 自分のポテンシャルを上げるというよりは、根本的な馬の乗り方を習ったり、馬の走り方を研究したり。具体的には映像を観たり、木馬に乗ったりですけど、実戦でやろうとするとなかなかね。

 5年前というのは、何か心境の変化があったんですか?

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▲「5年前というのは、何か心境の変化があったんですか?」 (C)netkeiba.com


和田 いや、そういうことではないです。ただ、改めて知識や馬の乗り方を教えてもらうようになっただけで。馬乗りって、やることがたくさんあるんですよ。まだ知らないこともあるでしょうし。

 それらがここにきて固まってきたということですね。

和田 ん〜、まだ理想とはほど遠い感じですけどね。技術が上がれば上がるほど、考えていることのレベルも高くなって、今度はそれを追いかけて…の繰り返しですからね。僕だけではなく、みんなそうだと思いますよ。自分で満足してしまったら、すぐに落ちていく世界ですから。やるべきことは、まだまだたくさんあります。

 常に前を見て、上を目指し続けてこそジョッキーさんなんですね。

和田 日本のトップもそう言ってますからね。東さんは、馬に乗ったことがありますか?

 はい。一度だけですけど。

和田 乗馬をやっている人は、みんな「ようわからん世界やな」って思っているはずですよ。答えがない世界ですし、教える人もあんまりいないから。あ、上手い人はいっぱいいるんですよ。ただ、言葉にできないから難しい。そんななかで、世界で活躍しているジョッキーの乗り方もどんどん変わってくるわけで。ライアン・ムーアにしても、数年前とは全然違いますしね。

 外国人ジョッキーが入ってきたことで、騎乗フォームや鐙を変えたりする日本人ジョッキーも多いそうですね。

和田 世界的に乗り方が変わってきているのは明らかですからね。今はもう、日本で通用すればそれでいいという時代ではないですし。僕自身、海外での騎乗経験はまだまだ少ないですけど、本当に質が全然違うから。ただ、知識として「こう乗ればいい」というのはわかっているので、それを踏まえながらいろいろ取り組んでいますけどね。

 海外にも目を向けているということですか?

和田 今はそうじゃないと意味がないでしょう。馬は通用するのにジョッキーは…みたいな話になっているし。いやいや、ちょっと待てよという感じで、一応頑張ってますけどね。

 そういえば、年末にプライベートでアメリカに行かれたそうですね。

和田 はい。さすがに向こうで風穴を開けるのは難しいなと思いますけど、まぁ勉強のために。やっぱり海外にも行きたいからね。英語の勉強もしてるけど、なかなか脳が回転せえへん(笑)。

 英会話のレッスンに行かれたりしてるんですか?

和田 そうですね。あとはオンラインで習ったり。行きたいと思っているのなら、勉強しておかないと恥ずかしいでしょ。言葉の壁は大きいけど、逆に技術と言語さえあれば、どこにでもいける仕事やから。やることがたくさんあって面白いですよ。

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▲英会話習得中の和田騎手「行きたいと思っているのなら、勉強しておかないと恥ずかしいでしょ」 (C)netkeiba.com


 日々競争の世界で生きるというのは、本当に大変なんですね。

和田 僕は昔から本当に乗り数が多いので、そのぶん馬のサンプルも多いから、それを生かしていけるのはありがたいですけどね。やっぱり、上を目指すにしても、経験が少ないと難しいから。技術的にはだいぶわかってきているので、あとはメンタルを鍛えていかなアカンなと。リーディングの上位にいて、いい馬が集まってきたときに、メンタル的にどう対処していくかということも課題のひとつだと思うし。

 どうやってメンタルを鍛えていくんですか?

和田 それはもう、自分で自分を御すしかない(笑)。

 それも経験の量がものをいうんですかね。

和田 どうなんでしょうね。僕の場合、追い込みすぎてもダメなタイプなので。土曜日の1レース目も日曜日のGIも取り組むことは同じなのに、それを違うものにしているのは自分自身のメンタル。周りの雰囲気からして全然違うから、なかなか難しいんですけど。あ、土曜日の1レース目を適当に乗ってるとかそんなんじゃないですよ(笑)。

 それはわかってます(笑)。40歳を迎えられて、体力的な変化はありますか?

和田 さすがにね、去年あたりから夏場はちょっとキツイな…っていうのはあるね。一度、脱水症状を起こしてね。でもまぁ、長年やってますから、体が慣れてる。それに、幸先輩が涼しい顔して乗っているうちは、僕がつらいなんて言ってられへんわ(笑)。

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▲2017年の高松宮記念制覇時の幸英明騎手 (C)netkeiba.com


 幸さんは表情に出さないんですね。

和田 あの人は出さないねぇ。体力を保ちたかったら、休まずに乗ることが大事。僕自身、火曜日から金曜日まで調教に乗るようにしているしね。1週間の生活を変えないこと。

 食生活も変わりませんか?

和田 うん、体重が変わらんからね。さすがに食い過ぎたなぁと思う日があっても、いざ体重計に乗ると大して増えてへん。病気なんちゃうかなと思ったり(笑)。

 確か、お酒もあまり飲まれませんよね?

和田 いやいや、飲むよ。むしろ飲みすぎや(笑)。まぁ、太らずにいられるのは、ある意味、職業病かもしれんね。

(文中敬称略、次回へつづく)

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東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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