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ディープ産駒の巻き返すパターン

  • 2017年10月27日(金) 19時00分


◆まさに血統は「馬柱の分析にコクを与えるツール」

 ディープインパクト産駒が天皇賞秋に出走するようになったのは、2013年から。以降、昨年まで4年連続で産駒が連対中。ただし「前走で連対」したディープ産駒は6頭すべてが馬券圏外に。

 前走連対した6レースのうち5レースは、毎日王冠かオールカマー。1800mと2200mで行われる非根幹距離レース。本番の2000mと適性がズレる前哨戦で力を出してしまうのは不利なのでしょう。

 逆にいえば天皇賞秋は「前走3着以下」に敗れたディープ産駒が毎年連対しています。連対したのべ5頭のうち4頭は前走距離が1800mか2200m。非根幹距離で能力を出しきらなかった馬が2000mの天皇賞で力を発揮するパターン。

「前走3着以下」に敗れたディープ産駒は「前走で人気より走らなかった」か「前走でメンバー中2位以内の上がりを使いながら連対できなかった」いずれかのパターンに該当。

 昨年は、このパターンに該当したディープ産駒は3頭。リアルスティールが7人気で2着(前走は安田記念)、ステファノスが6人気で3着。一昨年は該当馬のステファノスが10人気で2着。3年前は該当馬のスピルバーグが5人気で優勝。2着も該当馬のジェンティルドンナ。

 今年の出走予定馬で「前走3着以下」でなおかつ「人気よりも凡走」か「上がり2位以内の末脚を使いながら3着以下」だった馬はカデナ、グレーターロンドン、マカヒキの3頭。

 カデナとマカヒキは母父がフレンチデピュティ系。当レースで2度馬券圏内に入ったステファノスも母父がフレンチデピュティ系種牡馬。天皇賞秋でも結果を出している母父系。

 そのステファノスは、今年は前哨戦のオールカマーで連対。ただし前走は1人気。同馬の2000m適性の高さを考慮しても前走は「2200mで力を出せなかった」パターン。今回へ向けては上積みがありそうですが。

 グレーターロンドンの母はロンドンブリッジ。母ロンドンブリッジで父サンデーサイレンスの配合馬にオークス馬のダイワエルシエーロ。同馬の母父ドクターデヴィアスは欧州血統。前走より距離が延びる臨戦過程を好む血統。先日の菊花賞も祖母にロンドンブリッジ母父にディープインパクトを持つキセキが距離延長で優勝。

 なお、ディープ産駒で母父が欧州型配合の馬が「前走から距離延長」「前走上がり3位以内」のパターンで重賞に出走したケースは先週までのべ160回。該当馬の複勝率は39%。単勝回収率は109%。複勝回収率は94%。同じ前走上がり3位でも距離短縮で挑んだ場合の母父欧州型は複勝回収率66%と大幅にパフォーマンスを下げるように、延長を好む血統。

 亀谷ホームページで無料公開している出馬表では、すべての血統を日、米、欧の3タイプに血統、系統から独自分類しています。

 たった3つのシンプルなパターンに分類した場合。数多くサンプルを集めれば、何の根拠もないデータなら、すべて似たような数字に収束します(仮に血統でも根拠のないデータなら似たような数字に収束します)。

 しかし、日、米、欧の血統分類の場合、サンプルを1万件近く集めても条件によって明確な傾向が出ます。たとえば、天皇賞のように前走距離が違うメンバーや、前走凡走馬が巻き返すパターン分析にも3つの血統分類は効果を発揮します。まさに血統は「馬柱の分析にコクを与えるツール」ですね。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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