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馬場と脚質が鍵になりそうな天皇賞秋

  • 2017年10月27日(金) 18時00分


◆同じ人気大敗馬ならばキタサンブラックよりこの馬

 今年の天皇賞秋で気になるのは、やはりキタサンブラックの取捨。個人的には△をつける一方で、馬券的には重く組み入れない方向でいこうと思っている。

 理由のひとつは、天皇賞春に出走した馬たちの不振。その後連続で結果を出し続けている馬がいないことを考えると、なんらかのダメージが蓄積していてもおかしくはない。もうひとつの理由は人気落ちしないことで、リスクはあるのにリターンはあまり増えない(単勝オッズはそれなりにつく1番人気だろうが)ことを考えると、ギャンブルとしては歓迎できない。

 むしろ、同じ人気大敗馬ならば今回人気落ちする度合いからソウルスターリングのほうが妙味ありそうだ。前走は最内枠もマイナスだったが、逃げる形も良くなかったし、そのうえ自分に不向きなラップを作ってしまった。見捨てずにもう1走買い目に入れておきたい。

 宝塚記念馬サトノクラウンは、馬場の悪化で人気を呼びそうだ。重馬場での圧勝歴があるし、脚質に自在性もあるので馬場と展開に合わせた競馬ができる。問題は通常なら有利となる内枠。先週の馬場が極端だったので、仮柵をかぶせてもなお内ラチ沿いが悪いということはないか、そこだけ心配だ。

 堀厩舎はネオリアリズムもいるので、レースを支配しやすい。まずはネオが前に行ってみて、楽逃げなら楽逃げでよし、もし他の馬と競って展開が速くなるようなら今度はサトノクラウンが生きるという、そういった戦略が考えうる。

 馬場が悪化して全員バテるような形になると差し脚が生きそうなのはサクラアンプルール。重実績はないがサトノクラウンと同様に時計勝負はできないので雨は悪い話ではない。ただ、6歳以上馬の連対はこのレースで少ないので、軸にまではできない。人気もないだろうし、3連単の3着に据えて、馬券に絡んだらラッキーという感じの扱いでもいいだろう。

 反対に意外と馬場が悪くならなかったときにはリアルスティール。この馬について先入観の無い外国人騎手がテン乗りというのは良さそうだし、この枠なら壁も作っていける。ただシュミノーは先週今週の特殊な馬場についてどれだけの知識や情報を持っているか分からず、そこはやや不安だ。

 扱いに悩むのがサトノアラジン。マイル仕様にしたはずということで前走の毎日王冠では軽視してしまった。今回は距離ももちろん気になるが、決め手の生きない馬場になりそうという点が懸念材料。ただ先週のキセキのように、馬場適性を超えたところで結果が決まるような馬場になれば、この馬の上位争いも可能になる。

 穴人気しそうなグレーターロンドンも、かなり決め手のある差し馬だけに馬場が逆風となりそう。この馬が差すというだけでなく、前が崩れてくるような展開が必要と見る。

 ダービー馬マカヒキはすっかり人気落ちだが、着差的にはそうひどい競馬はしていない。あまりに人気がなくなるようなら△は回しておきたい。

 ヒモ穴としてはステファノスも魅力。自在性もあるし馬場の適性幅も広い。混戦で上位人気馬が大きく崩れるようなことがあると、複穴になってくるかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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