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ダートでも強い馬がいたら狙ってみたいところですが…

  • 2017年10月28日(土) 12時00分


◆重か不良の天皇賞・秋を勝ったのはすべて4歳馬!

 菊花賞のポポカテペトル、来ちゃいました(3着ですが)!!!なかなかいい手応えだなぁと思って見ていましたが、よくがんばってくれました。和田騎手の渾身の手綱にも感謝です。

 それにしても、大雨の中でのレースはタイヘンでしたね。もう誰かがネタにしているでしょうが、3分18秒9という勝ちタイムは、78回に及ぶ同レース史上5番目の遅さ。そもそも不良で行われたのは過去に2回しかありませんでしたが、そのうちの1回、60年前の1957年にマークされた3分16秒0というタイムに比べても3秒近く(着差にして約15馬身も)遅いものでした。

 ついでに調べたところ、さらに200メートル長い距離を走る天皇賞・春では、今回の菊花賞より速いタイムで決着したことが23回もあります。ひょっとしたら、もう2度とこんな遅い菊花賞は見られないかもしれません。空前ではないにしても、絶後のレースになる可能性はあると思います。

 この菊花賞に象徴されるように、今年の10月は、将来、“雨”をキーワードに語り継がれることになるでしょうね。プロ野球クライマックスシリーズの阪神・DeNA戦が水溜まりみたいになったグラウンドで行われた、とか、ゴルフのトーナメント最終日が史上初めて男女ともに雨で中止になった、とか、とにかくいろいろありましたから。

 えっ、「オマエのG1大穴予想が当たるなんて、何十年に1度の大雨みたいなものだ」って?ウマいこと言いますねぇ。でも、冗談言ってる場合じゃありません。今週の天気予報も雨。しかも、かなりの量が降ると言われています。天皇賞も不良での開催は必至です。

 1984年に今の距離になって以来、不良の天皇賞・秋は1991年の1度しかありません。そう、メジロマックイーンが走行妨害で失格となり、プレクラスニーが優勝したあの年です。

 重馬場での開催も、84年以降で言うと、87年(1着ニッポーテイオー)、00年(同テイエムオペラオー)、01年(同アグネスデジタル)の3回だけ。先週に続いて、“歴史的”レースになることは間違いなさそうです。

 さて、84年以降、重か不良の天皇賞・秋を勝ったのはすべて4歳馬。そのうち3頭には、ダート戦の出走経験がありました。中でもアグネスデジタルは、日本テレビ盃→南部杯→天皇賞・秋→香港カップ→フェブラリーSという信じがたいローテーションで5連勝しています。ダートでも強い馬がいたら狙ってみたいところですが、今年はそういう馬が見当たりません。あえて挙げるとすればディサイファなんですけど、なにせ8歳馬ですからねぇ。

 そこで今回は、4歳馬のマカヒキを狙ってみます(またもや友道きゅう舎+金子さんの馬!)。母のウィキウィキはダート戦ばかりに出走、姉のウリウリには重のCBC賞優勝とローズSで僅差3着という実績がありました。うまく立ち回れれば、案外走っちゃったりして。なんと言ってもダービー馬ですよ。12年のエイシンフラッシュみたいな激走を期待します!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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