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JRA勢とホッカイドウ勢が互角の戦い/北海道2歳優駿

  • 2017年10月30日(月) 18時00分


未来への夢が広がる重賞


 10月31日(火)門別競馬場で行われる『第44回北海道2歳優駿』。1997年にダートグレード競走に格付けされてから20年の歴史を振り返ると、JRA所属馬10勝、ホッカイドウ競馬所属馬10勝と全く互角の戦いを繰り広げています。

 馬産地・日高町にある門別競馬場では全国に先駆け毎年4月から2歳新馬戦がスタート。シーズンを通して2歳戦の割合が多く、若駒の育成に力を入れていることもあり強い2歳馬たちを次々と輩出しています。10月12日のエーデルワイス賞で1着から5着までホッカイドウ競馬勢が独占したことから、北海道2歳優駿も地元での経験値が高いホッカイドウ競馬勢が優勢と考えられます。そこでまずホッカイドウ競馬勢、中でも前走・サンライズC組をご紹介しましょう。

重要なステップレースはサンライズC


 ホッカイドウ競馬の重賞・サンライズCはこのレースに向けて重要なステップレース。2013年の勝ち馬ハッピースプリントは北海道2歳優駿も制覇。昨年もサンライズCの1、2着馬、ヒガシウィルウィンとスウィフトハートが北海道2歳優駿で2、3着となりました。今年もサンライズCの1、2、3、6着馬が出走。

 イノセントC、サンライズCと重賞連勝中のヤマノファイト。デビューから8戦して【4-1-1-2】。着外の2戦は芝に挑戦した函館2歳S(13着)とコスモス賞(9着)なので参考外。ダート戦では常に馬券圏内と安定した走りを見せてくれています。GI/JpnI・9勝挙げているエスポワールシチーの初年度産駒で、父の産駒として重賞初制覇(9月のイノセントC)を飾ったのがこの馬。エスポワールシチー産駒のダートグレード競走初制覇も目前です。

常に安定した走りを見せる重賞連勝中のヤマノファイト(写真は2017年サンライズC優勝時、(C)netkeiba.com)


 サンライズCで2着のハッピーグリン。デビューから7戦して【2-3-2-0】で、この中にはコスモス賞3着、すずらん賞3着の札幌芝でのレースも含まれ、芝・ダート問わず高い能力を見せています。ダート戦に限れば【2-3-0-0】でオール連対。重賞では栄冠賞でサザンヴィグラスの2着、サンライズCでヤマノファイトの2着と惜しいレースが続いていますが、ここで重賞初制覇なるか注目の1頭。

 サンライズCは3着だったサザンヴィグラス。デビューから5戦して【3-1-1-0】。2戦目で栄冠賞を制し、3戦目のブリーダーズゴールドジュニアCまで3連勝した素質馬。その後1700m戦で2着、3着と勝ち切れていないのは距離が原因とも考えられ、今回さらに距離延長の1800m戦で真価が問われますが、重賞ウイナーの巻き返しに大いに期待します。

重賞ウイナーの巻き返しに期待したいサザンヴィグラス(写真は2017年栄冠賞優勝時、撮影:田中 哲実)


 サンライズCでは6着に終ったディーエスソアラー。先日行われた西日本ダービーを9連勝で制した高知ダービー馬・フリビオンの半弟。重賞では出番の無い戦いが続いていますが、距離延長でその血が騒ぐかもしれません。

能力はかなりのものがあるドンフォルティス


 JRA勢で唯一の2勝馬ドンフォルティス。前走・阪神のヤマボウシ賞は中団後方からの競馬。4コーナーで外に出すと、伸び脚鋭く並ぶ間もなく差し切って3馬身差の快勝。出遅れがちのスタートと初の1800mをこなせるかがカギとなりますが、能力はかなりのものがあると思われます。キタサンブラックで天皇賞・秋を制した武豊騎手とともにタイトル奪取を目指します。

武豊騎手とともにタイトル奪取を目指すドンフォルティス(写真は2017年ヤマボウシ賞優勝時、(C)netkeiba.com)


 フィールシュパースは前走・東京のプラタナス賞で、後方追走から3コーナー過ぎにじわじわと進出しての3着。器用さには欠けますが地力があるのは確か。1800mの経験があるのも強み(阪神・2歳未勝利戦で1着)。日曜日にJRA通算700勝を達成し勢いのある田辺裕信騎手とのコンビで臨みます。

1800mの距離経験があるのが強みのフィールシュパース(写真は2017年未勝利戦優勝時、(C)netkeiba.com)


 その他、中山・1800mの2歳未勝利戦を勝ち上がったマイネルアンファン(前走・プラタナス賞は8着)。東京・1600mの2歳未勝利戦をレコードタイムで勝ち上がったムルシェラゴも出走。4頭のJRA勢にとっては初めての地方競馬への遠征、初めてのナイター競馬への対応がカギとなります。

 11月9日(木)の道営記念を最後に冬休みに入るホッカイドウ競馬。今季の開催を終えるとJRAをはじめ南関東競馬や各地の地方競馬に移籍する2歳馬も多く、出身馬たちは全国に活躍の場を広げることになります。昨年このレース2着のヒガシウィルウィンは年明けに船橋に移籍。東京ダービー、ジャパンダートダービーを制し、3歳ダート戦線の頂点に君臨しました。今年もまたトップホースがここから誕生するのか!? 12月の全日本2歳優駿はもちろん、来年のダートクラシック戦線へ向けても見逃せない戦いです。未来への夢が広がる北海道2歳優駿にご注目ください!

※次回の更新は11月2日(木)18時。翌日に大井競馬場で行われる「JBC」3競走のコラムをお届けします。



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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