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GI馬だけじゃない!地方トップトレーナーも育てる角居勝彦調教師/前編

  • 2017年10月31日(火) 18時01分
ノンフィクションファイル

▲先日の菊花賞を制した角居調教師が、地方競馬にもたらしているものとは


菊花賞をキセキで勝利した角居勝彦調教師。国内だけでなくヴィクトワールピサでドバイワールドカップ、デルタブルースでメルボルンカップと海外でもビッグレースを制覇してきた。さらに今春は13週連続勝利を挙げ、競走体系が大幅に刷新された1984年以降では新記録を樹立。これだけ活躍馬を育てる角居師だが、育てているのは馬だけではなかった。

ハッピースプリントを管理する大井・森下淳平調教師や、園田・姫路リーディングの新子雅司調教師など地方競馬のトップトレーナーは開業前、角居厩舎に研修に訪れ大きな影響を受けたという。一体どんな秘密がそこには隠されているのだろうか。前編は門下生の森下師と新子師、後編は角居師の話をお届けする。(取材・文・写真:大恵陽子)



大井・森下調教師「角居先生の考えを学びたいと」


 2015年浦和記念(JpnII)をハッピースプリントで、2012年東京ダービーをプレティオラスで勝利した大井の森下淳平調教師。2014年ジャパンダートダービーではハッピースプリントでハナ差の2着と、JpnIまであと一歩のところまで手を伸ばしていた。

 ホースマンとしてのスタートはオーストラリアで競馬の学校に通ったところから。その後、アメリカやフランスでの研修や牧場勤務を経て高橋三郎厩舎(大井)のスタッフとなった。当時、厩舎にはフジノウェーブやコアレスハンターが在籍していたという。日本だけでなく海外でも学んだ森下師はなぜ、開業前に角居厩舎で研修を受けることを選んだのだろうか。

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▲ハッピースプリントを管理する大井の森下師


「角居先生の本を読んだりインタビューを見る中で、考えを学びたいと思いました。自分のやりたい考えの方向性を持たれている先生でした」

 憧れを抱いていたが、地方競馬の調教師に合格したばかりの森下師は角居師との面識がなかった。ところがある日、角居師が大井競馬場にやって来た。高橋三郎厩舎時代の同僚と角居厩舎のスタッフが牧場時代の知り合いだという繋がりをたどって、角居師に挨拶に行った。そして、「研修に行かせてください」と願い出た。

「二つ返事で快く受け入れていただきました。角居先生の器ってすごいですよね。気兼ねなく受け入れてくださり、すごくありがたかったです」

 地方競馬に籍をおく者にとって、JRAで学べる貴重な機会を得ることができた。研修期間は2週間。

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