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京都1400mこそ持ち味発揮に最適のコース/ファンタジーS

  • 2017年11月02日(木) 18時00分


◆鞍上も気合の入り方がちがうはず

 来期の牝馬クラシックにつながるレースが増えたため、近年の好走馬はあまり目立っていないが、昨年の3着馬は今秋の秋華賞を制したディアドラ。その翌週の菊花賞を勝ったキセキの祖母はロンドンブリッジ(桜花賞2着馬)。同馬は1997年の勝ち馬であり、2004年のオークス馬ダイワエルシエーロの母でもある。

 1998年の勝ち馬プリモディーネ、2004年のラインクラフトは翌年の桜花賞馬となった。2003年の勝ち馬スイープトウショウは、のちに秋華賞、エリザベス女王杯、宝塚記念まで勝っている。いまはまだ無名でも、今年の出走馬の中にもそういう牝馬が隠れているかもしれない。

 スズカフェラリー(父スズカフェニックス)を買いたい。同距離の前走「りんどう賞」は、1分21秒8(上がり34秒0)の3着にとどまったが、初コースで出負け。直線に向いて少しスムーズさを欠くところがあり、そのためインを狙ったが、寄られて狭くなってしまった。勝負どころからG前まで詰まりつつ0秒1差の1分21秒8なら、評価は下がらない。小柄な牝馬のわりに大跳びで、見た目以上に不利(ロス)は大きかった。

 父スズカフェニックス(その父サンデーサイレンス)は、1200mの高松宮記念の勝ち馬。マイル以下がベストのスピード型だったが、1400mの阪神Cも、1600mの東京新聞杯も制している。4勝した母スズカフォイル(父フレンチデピュティ)もマイラータイプであり、おそらくスズカフェラリーは1400〜1600mがベストのスピード系の差し馬。現時点では外回りの京都1400mこそ持ち味発揮に最適のコース、距離と思える。

 A.シュタルケ騎手に乗り代わったこと自体はとくにプラスもマイナスもないだろうが、短期免許の騎手が加わり、先週あたりから各場で勝つのはカタカナ表記の騎手ばかり。先週は人気薄の馬だけで10戦0勝だったシュタルケ騎手(春シーズンには約2ヵ月で9勝)は、ここは重賞でチャンス十分の馬に騎乗だから、気合の入り方がちがうはずである。

 前回の1200mの小倉2歳Sは、競りながら前半「33秒3」だったモズスーパーフレアは、この距離の方が楽なペースで行けるだろう。同馬と、中京のマイルを勝って2戦2勝のアマルフィコーストが相手本線。穴馬は切れ味のスノーガーデンと、同じくアーデルワイゼか。

 大井の「JBCスプリント」は、9歳馬ながらまだまだ衰えなし。全8勝中の7勝を記録するダートに出走するスノードラゴンを買いたい。スローのスプリンターズをわずか0秒1差で、自己最高とそう差のない1分07秒7だった。ここは、間違いなくハイペースだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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