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感動のキタサンブラック

  • 2017年11月03日(金) 12時00分


◆今の時代の見極めるテーマかも…

 先週の天皇賞、感激しました。

 キタサンブラック、本当に凄い馬だなぁと改めて感じました。通常ですと大崩れした後の1戦というのは、なかなか気力的に前向きになるのが難しいところも。

 それをゲートの突進&過酷な天候状況の中で勝利をしてしまうのだから、心底ハートの強い馬だなぁと脱帽でした。

 またスタートで遅れるハプニングがありながらも、冷静な対応とコース取りのエスコートをされる武豊騎手の神騎乗振り。人馬共に凄いと、レース後は自然と拍手が止まりませんでした。

 また担当される辻田厩務員の、「今回は気持ちものっていますし、大丈夫ですよ」と話されていた言葉が思い出され、宝塚の時の違いも含め、いつも傍にいるからこそ感じ取れる愛馬の内面には、担当者の方々こそが馬の代弁者であり心身の両方から気づけている部分があるのだと再確認するものでもありました。

 私はリアルスティールを本命にし、当日のケハイの良さも推奨しましたが、返し馬を見ると、あの馬場を捉えるのは難しかった様子。それでも前半少しハミを噛む所がありながらも最後まで伸びているあたりに、本格化してきた印象を受けるものでもありました。

 さて今週はダービー2着馬のスワーヴリチャードが始動となります。

 ダービー、私はこの馬を本命にしていましたが、それはデビュー戦から積み上げてきた四位騎手とのコンビ力と、週中のトレセンでいろいろ話を伺った後、最後に、「やるよ」と力強く言葉を発しました四位騎手に魅了されたから。結果はダービー2着と敗れましたが、内容といい、走りといい、四位騎手の騎乗振りといい、拍手を送りたくなる清々しいものでした。

 よって秋、四位騎手と共に歩んでいくスワーヴリチャードを楽しみにしていただけにMデムーロ騎手との新コンビにはショッキングでしたし、そこに至るまでの過程で積み重ねてきたものが正直モッタイナイと思えたところも…。

 しかし今週トレセンへ足を運ぶと、Mデムーロ騎手は追いきり日だけでなく、普段の日のリチャードも知りたいと陣営に御願いをし、普通キャンターの日も跨っており、その姿に偏った見方をしてはいけないなぁと自分自身を反省したのですが、それでもまだはかりかねないものが存在するように思えます。

 その背景には、四位騎手の卓越した馬とのコンタクトと騎乗技術に魅了されてきた私の見方もあってのことなのだと思いますが、騎手の乗り替わりが当たり前となった時代だからこそ、必然か否か見極めるテーマもうまれるのでしょう。

 それでは皆さん、週末は競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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