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カツジ朝日杯FSの主役に台頭できるか/吉田竜作マル秘週報

  • 2017年11月08日(水) 18時00分


◆池添兼調教師も一気に評価を上方修正

 少し気の早い話になるが、今年の「最優秀2歳牡馬」を決める戦いは、例年とは異なるものになりそう。ご存じの通り、暮れのホープフルS(12月28日=中山芝内2000メートル)が今年からGIへと昇格。それも有馬記念(24日)の後の、JRA最後の大一番になるとあって、各メディアでの扱いが、かなり大きなものになることが予想されるからだ。しかも昨年の覇者レイデオロが今年の日本ダービー馬に輝いたことを思えば…。

 一方で地位低下が避けられそうにないのが、これまで2歳牡馬唯一の頂上決戦に位置づけられていた朝日杯FS(17日)。個人的な見解にはなるが、2歳女王決定戦の阪神JF(10日)ともども、阪神芝外回り1600メートルは、馬の絶対能力を測るのに最適な舞台と考えている。今年はホープフルSに素質馬が集まりそうな情勢。せめて関西の有力馬はこちらに向かってほしいのだが…。

 現時点でその朝日杯FSの有力馬に挙げられるのが、未勝利戦→もみじSと連勝中のダノンスマッシュ(牡・安田隆)。「何頭かロードカナロアの子には乗りましたが、この馬が一番すごい。頭から尻尾の先まで、一本の線でつながっていて、それがしなるように動いている感じ。のみ込みも早くて、鞍上の福永騎手も“現時点では教えることがないくらい”と言ってました。できれば(2歳GIを)取りたいですね」(担当の岩本助手)

 この手応え通りの圧倒的な力を見せれば…。後のホープフルS勝ち馬を抑えて、最優秀2歳牡馬の座を手にできるかもしれない。

 ただ、そうは甘くないのが勝負の世界。まずは土曜(11日)のGIIデイリー杯2歳S(京都芝外1600メートル)に注目してほしい。当コラムがデビュー前から追い続けてきたディープインパクト産駒カツジ(牡・池添兼)がエントリーしているからだ。

 新馬戦(京都芝内1600メートル)前は「今回のマイルはいいとして、距離が延びてどうか」と守備範囲に不安を見せていた池添兼調教師だったが、満点の内容だったデビュー戦を終えて、一気に評価を上方修正。「あのレースぶりなら距離も持ちそうだね」と来春のクラシック参戦を視野に入れ始めた。とはいえ、新馬→デイリー杯2歳S→朝日杯FSの年内マイル3走がデビュー前の青写真。先々がどうなるにしろ、この間に賞金を加算して来年に備えたいのがトレーナーの本音だろう。

 新馬戦→GIII新潟2歳Sと連勝中のフロンティア(牡・中内田)など、他にも注目馬が多いデイリー杯2歳Sは朝日杯FS、そして最優秀2歳牡馬を占う意味でも重要な一戦となる。

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