◆まだ5歳、過去の馬ではない 近年はダート界の世代交代も以前ほどゆるやかではなく、秋になると古馬有利ともいえない。このレースは過去10年、3歳馬が【4-2-3-18】の成績を残し、5歳馬の【4-4-1-31】と肩を並べるまでにパワーアップしている。4歳は頂点に立っているくらいでないと、6月の条件再編成で賞金が半額計算になった影響がまだ尾を引き,めったにエース級が出てくるとは限らない。成績は【1-1-2-23】にとどまる。先週の「みやこS」などその典型で、4歳馬の出走はなく、「5歳=5歳=6歳」の決着だった。
ちょっと陰りを思わせる近走の成績から、一気に人気下降ぎみの5歳
モーニン(父ヘニーヒューズ)を狙いたい。4歳春にGI「フェブラリーS」を当時のコースレコード1分34秒0で
ノンコノユメを封じたまでは、【6-0-1-0】。ところが、そのあとは昨年の武蔵野Sの7着を含み、ここまで【0-2-1-5】。典型的なアメリカ血脈の組み合わせだけに、また、へニーヒューズ(その父ヘネシー、祖父ストームキャット)産駒とあって、この父系のもともとの本質(死角)でもある進展性のなさ、早すぎる完成を露呈したような成績になっているが、まだ5歳、過去の馬ではない。
もともとダートのスピード系なので調教は動くが、今回は1週前に栗東の坂路「48秒2-35秒9」の自己最高タイムをマークしてみせた。いっぱいに追っての時計ではなく、これまでの最高が「50秒4」だから、いかに走りやすいコンディションとはいえ、動きが落ちているわけではない。また、前回の船橋「日本テレビ盃」1800mでは、珍しく自身でハナを切ってレースを進め、4着に負けたとはいえ終始マークされながら「0秒2差」に粘り、本来の行く気と粘り腰が戻っていた。
今度はその1週前の追い切りに乗っていた横山典弘騎手を配してきた。どうしても行きたい逃げ馬は見当たらず、芝からのスタートなので東京ダート1600mでは主導権を主張したい馬に有利な外枠を引いたのも幸運。陣営が位置取りに注文(指示)をつけるとは思えないので、メンバーを見た横山騎手は自身でハナを切り、(連敗している馬だけに)気分よく展開させる可能性がかなりある。
そうなれば、時計勝負になりそうなダートコンディションでもある。1分34秒0「58秒8-35秒2」の持ちタイムが示すスピード能力がフルに生きるだろう。
快速系の父ヘニーヒューズの産駒は、みんながスプリンター系ではない。持ち込みのケイアイレオーネは1800m〜2000m級もこなした。また、代表産駒の米チャンピオン牝馬ビホルダー(11勝のG1を含み26戦18勝)は、ダート8.5〜10Fに勝ち星が集中する。モーニンのベストもこの1600mであり、中間の快調教と、前回サウンドトゥルー、ケイティブレイブなどと「0秒1〜2差」なら陰りの見えた早熟型ではないはずである。
もちろん強敵は3歳
サンライズノヴァだが、先行できる伏兵も複数絡めたい。