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なかなかの好メンバーなエリザベス女王杯

  • 2017年11月10日(金) 18時00分


◆武豊騎手の乗り替わりよりも、気になるのは…

 古馬の一線級に加えて、3歳も秋華賞の上位馬が揃った今年のエリザベス女王杯。なかなかの好メンバーだ。

 1番人気は古馬勢のほうから出るのだろうか。騎手人気も込みでヴィブロスはかなり人気になりそうだ。

 府中牝馬Sの2着は叩き台としてはちょうどよいところ。一度使って本番という古馬のローテーションはこのレースにおいてベストだ。馬場や展開を問わない面もあるし、不安といえば初距離くらい。それも全姉を考えればさほど問題ではないだろう。

 そのヴィブロスを前走で抑えたクロコスミアも初距離。こちらは距離云々よりも、逃げ馬が同じ手で2回成功するということが難しいように思う。ただ内枠で先行力のある馬に乗る和田騎手には怖さがあり、どんな競馬をするのかは楽しみだ。

 ルージュバックも騎手人気で売れそうな1頭。前走では中山を克服するというまさかの勝利だったが、この馬は外差しでのびのびと差し脚を繰り出すのが一番。2015年の位置取りは極端すぎたが、あれより少し前から追い込む形になるとよいのではと思う。

 騎手といえば、スマートレイアーは武豊騎手のケガで急遽の乗り替わりとなった。誰にでも乗りやすい馬というわけではないので突然の乗り替わり、しかもテン乗りというのはマイナスだが、大敗も少ない馬なのでなんらかのシルシは必要だ。個人的には乗り替わりよりもGIになると少しパフォーマンスが落ちるこの馬のパターンのほうが気になる。

 ミッキークイーンは休み明けだが、これまでの成績が示すところでは鉄砲使いに対する不安はない。馬券の対象からはずれたのは3走とも関東での競馬。京都では走ってきそうだし、今回は他に票を吸収する馬たちがいるので、それなりにおいしい存在になってくるかもしれない。

 3歳勢は秋華賞の勝ち馬がこのところ堅調なので、まずはディアドラを重視しなければならない。今回ルメール騎手を失うのは痛いが、ずっと乗っていた岩田騎手に戻る形なら問題はないだろう。気になる要素があるとしたらオークスから札幌戦までの間隔も中11週で、そこから4戦目という臨戦過程。デキが維持できているかどうか。

 リスグラシューは今回もともと武豊騎手が乗らない前提だったこともあり、人気は下降しそう。オークスの結果が距離によるものと解釈されていることもあるかもしれない。個人的にはオークスは距離というよりデキだと思っているので、むしろ人気落ちならば買いたい。なんだかんだで常に上位にいる、安定味のある馬だ。

 モズカッチャンは器用に立ち回れる馬なので、内枠を引いたのは大きい。まして京都外回りである。問題は荒れた状態で芝が使われてきただけに、インに伸びる余地があるかどうか。そのあたりは土曜から芝のレースを見て判断したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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