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デムーロ・チョイス2 ムーアはアポジーに脅威を感じるか?

  • 2017年11月16日(木) 12時00分


エリザベス女王杯、いかがでしたか?

Mデムーロのモズカッチャン、頑張りましたね。

好スタートからの内枠先行。もうこの時点で馬券圏内は間違いなし! そう思いましたね。
でも自分はモズカッチャンの枠が3枠に決まった時点で、勝負あった! なんてこっそり思ってたんですよ。
あとはデムーロ。ミルコ・デムーロが出負けしなければ…なんて静かに祈ってましたよ。

レース中は早めに抜けださないように、そんなことをミルコ・デムーロは思ってたんじゃないでしょうか? でも心配には及びませんでしたね。2番手を進んだクロコスミアが直線に向いてもバテずに頑張りましたからね。あの頑張りはミルコ・デムーロにとっても好都合だったでしょうね。

クロコスミアを交わせば勝てる。
勝てる、勝てる、勝てるとマキシマムドパリに騎乗していた藤岡佑介はレース後にコメントしてましたが、それはミルコ・デムーロも同じだったかもしれませんね。

ミルコ・デムーロは、追って、追って、追いまくりましたね。そしてゴール前、きっちり差しましたね。秋華賞での早仕掛けをちゃんと修正しての1着。見事ですね。

クロコスミアも頑張りましたね。
ペースは先行した馬に有利でしたが、力がなければあそこまでは頑張れません。前走の府中牝馬Sがフロックでないことも証明しましたね。クロコスミアを2番手で流れに乗せた和田竜二も見事でしたね。

マキシマムドパリも頑張りましたね。残念ながら馬券圏内には入れませんでしたが、12人気で4着なら藤岡佑介も悔いはないことでしょう。

クロコスミアを交わせば勝てる! 交わせたモズカッチャン、交わせなかったマキシマムドパリ。最後に力の差が少し出たのかもしれませんね。

和田竜二、藤岡佑介、二人ともこの秋、京都で頑張ってますね。
菊花賞では、藤岡佑介は10人気のクリンチャーで2着、和田竜二は13人気のポポカテペトルで3着しましたね。
そして、エリザベスでは和田竜二が9人気のクロコスミアで2着、藤岡佑介が12人気のマキシマムドパリで4着。

京都で行われる今年最後のG1、マイルCSにも二人はちゃ〜んと騎乗しそうですよ。ワクワクしますね。ちょっと話がそれちゃいましたね。
皆さんのエリザベス女王杯はいかがでしたか? 私のエリザベスは先週のコラムで書いた通りですよ。

でも私、レースが終わった瞬間、気絶しちゃいましたよ。なんででしょうね。それではみなさん、さよなら、さよなら、さよなら。

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Mデムーロのチョイス・チョイス
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今週のマイルCSは簡単だ。
Mデムーロのチョイスに乗ればいいだけだからだ。

騎乗馬はペルシアンナイト。

以下は、この秋、自分がセットで妄察したMデムーロのチョイス・チョイス(詳細は先週のコラムにて)。

第1弾
秋華賞 モズカッチャン 3着
菊花賞 キセキ     1着

第2弾
エリ女 モズカッチャン 1着
マイルCS ペルシアンナイト

2週連続G1で社台グループの馬に騎乗しないのが珍しくて、Mデムーロの騎乗馬に注目したけれど、5人気3着、1人気1着と第1弾では結果を出した。

第2弾は、自らが騎乗してG1実績を作ってきた2頭の古馬に騎乗せずにG1未勝利の3歳馬を選んだのが珍しくて、これまたセットで注目した(している)。

そのエリ女。秋華賞で3着だったモズカッチャンに連続騎乗して、1着した。レース後のコメントを読む限りでは、秋華賞も勝つ気満々だったことがわかる。その借りをエリ女で返したかのようだ。同じように菊花賞を勝ったキセキについても早くからこの馬の力を認めていた感じだった。

Mデムーロが選ばなかった馬がCデムーロに回ったから、エリ女では表・Mデムーロ、裏・Cデムーロにしてみたけれど、ここまでは、Mデムーロは自らチャンス判定を下して、結果を出している。だから純粋に馬を選んでるように感じられる。


エリ女 
Mデムーロ モズカッチャン 
Cデムーロ クイーンズリング(去年のエリ女1着馬・前走もMデムーロが騎乗)

マイルチャンピオン
Mデムーロ ペルシアンナイト
Cデムーロ レッドファルクス(スプリンターズS連覇、安田記念3着馬。前走もMデムーロが騎乗)

ならば、ここもペルシアンナイトを純粋に欲しがったということでいいのではないか。ハービンジャーが大大大好き、スキスキスキップという可能性もないとは言えないが、スプリントレース主体とはいえ、Mデムーロで5-0-2-1、G1を2勝、3着2回のレッドファルクスをソデにするのだから、マイルではペルシアンナイトの方が上と見立てたと思いたい。

前走の富士Sは不良馬場で、1・2・3着馬は外を通って伸びて、ペルシアンナイトは内を通って伸びなかった。それをよりどころにするなら、ここでの上がり目はあるはず。

Mデムーロはペルシアンナイトに騎乗して、1-1-1-1の成績だ。

シンザン記念 重 12-7-7 3着
アーリントンC 良 9-9-9 1着
皐月賞 良 15-15-5-5 2着
富士S 不良 4-6-5 5着

皐月賞は向こう正面で一気に先行集団に取り付けての2着。Mデムーロのファインプレイにも思えるけれど、動かずに済む位置にいたなら動く必要はなかったし、勝ったかもしれない。騎乗に納得はしていないだろう。

シンザン記念と富士Sは馬場が悪かったとはいえ、通ったコースや道中の位置取りを見ると、これまた納得はしてないのではないか。

Mデムーロがペルシアンナイトで納得の騎乗をしたのはアーリントンCだけかもしれない。

納得の騎乗ができずに連続騎乗してきた時のMデムーロは怖い。それはモズカッチャンでも証明されている。

Mデムーロは皐月賞のレース後にペルシアンナイトについて、「2000Mくらいなら問題ない」とコメントしていた。つまり、裏返せば距離は伸びない方がいいということだ。そしてダービーではアドミラブルに騎乗して3着した。

もし、ペルシアンナイトがNHKマイルに出走していたら、Mデムーロはカラクレナイとペルシアンナイトのどちらに騎乗していただろう。

というわけで、今週もMデムーロの馬上感覚の冴えに最大の敬意を表してみたい。

とはいえ、あくまでもMデムーロが騎乗可能な馬の中でチャンスホースを選んだにすぎない。ペルシナンナイトでエアスピネルやイスラボニータにどこまで迫れるかはわからないし、Mデムーロ自身がどこまで迫れると思っているかもわからない。

エリ女は3歳牝馬活躍の歴史があった。でもマイルチャンピオンシップは3歳馬苦戦の歴史でもある。そこは少しは考慮しないといけない。ただ勝ち馬がいないわけではない。サッカーボーイもタイキシャトルもアグネスデジタルも勝っている。

サッカーボーイは1人気、タイキシャトルは2人気と、すでに大きな評価を受けていたけれど、アグネスデジタルは13人気だった。だからまだわからない。

少なくともレッドファルクスよりはポテンシャルは上だと仮定するならば、そして5人気(予想)前後ならば、Mデムーロのチョイスに賭ける価値はある。そんな見立てだ。

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マイルチャンピオンシップ・注目馬
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表・ペルシアンナイト
裏・ーーーーー


にしても、エアスピネルにムーアとは驚いた。
ただ、これで自分の中でもやもやしていたものも少し晴れた。

マルターズアポジーの存在だ。この馬の存在が展開のゆらぎを引き起こす可能性があって、そこを警戒していた。それはマルターズアポジーが快走する、凡走するどちらであってもだ。

自分はマルターズアポジーと武士沢騎手は好きだ、むしろ応援している。でも、今回はセットメニューでMデムーロのペルシアンナイトとしていたので、マルターズアポジーとの距離感が難しかった。

しかし、ムーアがエアスピネルに乗るとなった以上は、そこは少しカバーできるような気がしている。ムーアは人気の馬に乗るときは逃げ切りを許さない騎乗のできる騎手だからだ(と思っている)。

去年は7人気のネオリアリズムでも番手につけて、ミッキーアイルに迫った(ミッキーアイルの斜行もあって、3着に負けた)。エアスピネルは予想では現状2人気だけど、最終的には1人気になるかもしれない。ならばより一層、逃げ切り許すまじ! そんな騎乗をするのではないか。

問題は、ムーアがマルターズアポジーを危険な存在と認識するか。
もちろん認識する。認識するに決まっている! マルターズアポジーと武士沢を前にして、ムーアが脅威を感じないはずがない!

エアスピネルが先行したら、イスラボニータだってあとをつけるに決まっている。
ムーアとルメールは、先週のエリザベスで1・2人気で馬券圏外に散った二人だ。その二人が再び1・2人気に乗って、無様な競馬はできないだろうし、勝ちに行く競馬をしないわけがない。

ということで、ライバル2頭が激突し合ってるところを横目に、遠くからペルシアンナイトが差す。

それが理想。

マルターズアポジーが負けるときは、真ん中くらいにいる馬が勝ちやすい(例外はキタサンブラック)。今回だと9〜10番手くらいか。ペルシアンナイトにはそのへんにいて欲しいな。

ムーアがマルターズアポジーのあとをつける。
ルメールがエアスピネルのあとをつける。
Mデムーロは出遅れ・出負けしない。

これでお願いします。


裏・ーーーーー


裏はCデムーロのレッドファルクスにしようと思っていたけど、予想では3人気。裏が表より人気になってちゃ意味はない。だからやめた。実オッズでレッドファルクスがペルシアンナイトより人気がなかったら買えばいい。だから今はなしで。

仮にこのままレッドファルクスの方が人気だったら、裏はマルターズアポジーにする。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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