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キタサンブラックに対抗できる馬はいるのか!?ジャパンC有力馬の最終追い切りチェック!

  • 2017年11月22日(水) 18時00分


前走天皇賞・秋組ではあの馬を好評価


 私が競馬ファンだった頃、武豊騎手といえば「天才」が代名詞だったような気がします。その真骨頂だったのが、天皇賞・秋。レースは東京競馬場でライブ観戦させてもらいましたが、レース直後は「武豊、凄い」「キタサンブラック、強い」という空気に包まれた独特の雰囲気。このコンビがもたらしている現在の「競馬熱」を感じることができました。

 このコンビが再び府中に登場。その最終追い切りについてはトレセンニュースで取り上げました。そして、先週までの時点での調教内容に関しては、netkeiba.comの特集ページにある『ジャパンカップ展望』にその見解を書かせてもらっています。どうぞご覧ください。

【ジャパンC/シュヴァルグラン】

 昨年はアルゼンチン共和国杯からのローテーションでしたが、今年は京都大賞典からのローテーション。間隔があく分、どんな調整をしてくるのか興味深いところでしたが、ほぼ予想通り、しっかりと本数を乗って仕上げてきました。ただ、個人的には阪神大賞典から天皇賞・春の時にCWでしっかりと2週続けて時計を出した時よりも負荷としては軽い印象です。

 そして、最終追い切り。初騎乗となるH.ボウマン騎手が跨って、坂路でアドマイヤプリヴを追走する内容。真後ろにつけて、手応えよく進めて、最後は右から持ったままの手応えで先着。シュヴァルにしては動くなあと思いきや、時計は4F56.0秒。この数字なら動いて当然だと思いますし、最終追い切りで56秒台となったのは宝塚記念以来。あの時は目一杯での数字なので、今回と同じではありませんが、数字が遅くなったのは事実です。

シュヴァルグラン(11月22日撮影)

H.ボウマン騎手が跨って最終追い切りを行ったシュヴァルグラン(11月22日撮影)


【ジャパンC/マカヒキ】

 東京芝2400mはあの日本ダービー以来。前走5着の走りからも復活を期待するファンが多くなって当然だと思います。率直に前走時はレース間隔が詰まっていたとはいえ、追い切りの負荷が軽いと感じていました。それで5着だったのか、それとももっとやればもっと走れていたのか。ここが非常に微妙なところ。

 今回は前走時よりもしっかりやっています。特に最終追い切りは追い切りに騎乗した大江祐輔調教助手が「3F目が少し速くなったかな」と話すように、坂路で3F目12.3秒の4F51.3秒。前走の芝馬場追い切りよりも評価できる坂路追い切りな上、全体時計が速くなった点は評価したいところ。春からこの馬の走りに注目していて思うことは、あとは気持ちなのかなと思えるだけに、そこはレース当日の気配が鍵を握っていると思います。

マカヒキ(11月22日撮影)

レース当日の気配が鍵を握るマカヒキ(11月22日撮影)


【ジャパンC/レインボーライン】

 前走が4ヶ月ぶりのレースで、今回が中3週。ともなれば、前走後は栗東に在厩して調整、2走目の上積みが大きいとなるところですが、浅見秀一厩舎の場合は短期放牧がパターン。よって、11月14日に栗東へ帰厩してからの調整となっています。前走不良馬場での好走を考えれば、この中間リフレッシュはプラス材料かも知れません。

 そう思える理由が11月19日の日曜日追い切り。この馬にかぎらず、浅見厩舎は日曜追いが基本ですが、その時計が今年の宝塚記念出走時の日曜追いでマークした自己ベスト時計と同じ数字。当時はラスト1Fが13秒台でしたが、今回は12秒台。乗り手が体重の軽い見習い騎手だったことはありますが、この内容を評価しないわけにもいかないでしょう。最終追い切りはいつも通り、きれいな加速ラップを踏んでいますし、日曜と水曜の緩急は万全だと思います。

【ジャパンC/シャケトラ】

 宝塚記念4着から休養明けの前走。角居勝彦厩舎にしては本数が少なく、悪くはないけど良くもないといった印象の仕上げでした。馬場の影響があったので、仕上がりの真意はつかめませんが、少なくともひと叩きしたことで上昇気配。それが主観的にも客観的にも感じることです。

 まず追い切りの開始時期が早いですし、2週前の時点からCWでの追い切り。そこから3週続けてしっかり負荷をかけてきましたし、その分、最終追い切りでは併せたキングジュエリーを楽々交わして先着する動きを見せたと思います。追い切り時計自体は遅くなりましたが、これは日経賞1着時とほぼ同じ。状態に関しては、前走天皇賞・秋組で一番だと思います。

シャケトラ(11月22日撮影)

シャケトラの状態に関しては、前走天皇賞・秋組で一番(11月22日撮影)


【ジャパンC/サウンズオブアース】

 前走京都大賞典は札幌記念を使った後、放牧へ出さずに北海道から栗東への移動を挟んでの出走。レースにならなかった事実はありますが、こういった微妙な調整の変化が過去に自身が出走した時の京都大賞典とは違った結果になった要因だと思います。

 それだけに、ここへ向かうにあたっても昨年とは違った形になりました。中間放牧へ出した分、気持ちがあまり乗っていないというのが個人的な印象。もともと気持ちが入りすぎるところがある馬ですが、それが昨年のゴール前での爆発力につながったと思います。最終追い切りでは気持ちの面で少し前進を見せた感じですが、それでも昨年ほどの迫力はありません。

サウンズオブアース(11月22日撮影)

昨年ほどの迫力は感じられないサウンズオブアース(11月22日撮影)


◆次走要注意

・11/26 マイルCS【レーヌミノル】(10人4着)

 最終追い切りの動きを見ていると、秋華賞の疲れが出ているなんて評価をしてしまいましたが、ここはすいませんと謝らないといけません。これだけ走れたのですから、陣営も馬もきっちり力を出したというところでしょう。

 ただ、距離に関してはマイルベストはこのレースで明らか。もっと短くなっても走るような気もするだけに、来年の路線が気になります。

[メモ登録用コメント] [マイル以下]最終追い切りCWでラスト1F11秒台なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・ジャパンカップ【ヤマカツエース】

 朝一番のCWはジャパンカップ出走予定馬を含めて、たくさんの追い切りがありましたが、その中でも抜けて目立ったのはこの馬の動き。時計はもちろん、とにかく推進力が抜群で、この動きができるのに、なぜ走らないのだろうというくらい。東京競馬場にはほんとに実績がありませんが、やっぱりこの動きを見せられると無印にするわけにはいきません。

ヤマカツエース(11月22日撮影)

ヤマカツエースを無印にするわけにはいかない(11月22日撮影)



【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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