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松田師「さらに進化」主役はタイムフライヤー/吉田竜作マル秘週報

  • 2017年11月22日(水) 18時00分


◆ここを制すれば来春のクラシックも見えてくる

 東西トレセンの坂路のタイムはICタグを読み取り、ラップタイムを計時する仕組みなのだが、このやり方は若干時代遅れになりつつある。

 今はGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を使って、例えばサッカー選手の1試合あたりの走行距離を瞬時にして測定することが可能。それらのデータをもとに、指導者は的確なトレーニング方法を考え、試合での戦略を練るわけだ。

 前回のラグビーW杯で“世紀の番狂わせ”を演じた日本代表も、このシステムを導入。選手個々のデータを測定し、栄養補給から休養、トレーニングでの負荷のかけ方などを事細かに指導したという。ちなみに今はドローンで上空からの撮影を行い、客観的な視点を得ることで、より動きの質を高めようという試みも行われているそうだ。

「スタートの時にセットをしないといけないみたいだけど、数字自体は正確に出るらしいよ。時には(競馬)専門誌の人間が採る時計とは5つ、6つ(秒)違うこともあるみたいだね」

 これ、何の話かといえば、現在は手動で採っているトラックの時計を、某若手キュウ舎がGPSを使って計測した時の結果だそうだ。かねてJRAも「技術的にはトラックでの採時は可能」としてきたが、オフィシャルよりも先に、店子が始めてしまったのはなんとも…。

 キュウ舎にとっては、より正確な数字が出れば、スタッフの技術向上にもつながるし、馬の体調管理もしやすくなる。もちろん、ファンにしても、これまで以上に予想する上で正確な材料を得ることができるのだから、GPSによる採時の導入は本格検討の余地が大いにあるのではないか?

 ちょっとマニアックな話になってしまった。そろそろ2歳馬の情報もお届けしないと。先週の東京スポーツ杯2歳Sでワグネリアン(牡・友道)が無傷の3連勝を見事に達成。しかし、暮れの朝日杯FS、ホープフルSの両GIを回避する見込みとあって“賞レース”の行方はまだまだ見えてこない。となると、GIII京都2歳S(25日=京都芝内2000メートル)に、より大きな注目が集まる。

 デビュー戦でワグネリアンとハナ差の勝負を演じたヘンリーバローズ(牡・角居)のエントリーが見送りとなったのは残念だが、代わりに主役を務めるのは角居調教師の師匠筋にあたる松田調教師が送り出すタイムフライヤーとなろうか。

「萩Sを使う前は挫石やら熱発など、いろいろあったのですが、それらをはね返して勝ってくれました。ここにきて毛ヅヤが良くなって、馬体に張りも出てきました。さらに進化してますね。馬の完成を待ってと思っていましたが、これなら月に1走ペースで使ってもいいかなと思ってます」(松田調教師)

 新馬戦でのちのGIII札幌2歳Sの覇者ロックディスタウンに後れを取ったものの、タイムフライヤーがこの京都2歳Sを制すれば、未勝利戦→萩Sに続き3連勝。2歳の賞レースはもちろん、来春のクラシックも見えてくる。

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2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

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