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天皇賞・秋の結果を素直に信頼!/ジャパンC

  • 2017年11月22日(水) 18時00分

■ジャパンC(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録19頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 数あるG1のなかでも、とくに「格」が高いジャパンC。当然ながらここは前走G1組が中心で、なかでも好走率が高いのが、前走で天皇賞・秋に出走していた組と、前走海外遠征組の2パターンである。登録馬に後者が見当たらないとなると、今年は前者が中心。ここをどう「ふるい」にかけるかの勝負といえる。

 注目すべきは、天皇賞・秋での上がり上位馬だ。上がり3F順位が「3位以内」だった馬に限れば、トータル[4-3-3-10]で連対率35.0%、複勝率50.0%と、その半数が馬券絡み。単勝適正回収値111.1、複勝回収率100%と、回収率ベースの数値も非常に高い。今年の登録馬では、キタサンブラック、サトノクラウン、マカヒキの3頭がコレに該当する。

 問題は、泥んこ馬場だった今年の天皇賞・秋の結果が例年通りに機能するかだが、こればっかりはやってみないと何ともいえない。ただし、先週のマイルCSで大敗からの巻き返しが期待されたサトノアラジンは、12着に惨敗している。天皇賞・秋での着順や内容は、意外に信頼できそうな気がするのだが、どうか?

【コース総論】東京芝2400m Cコース使用

・コースの要所!

★1着馬の85.0%が5番人気以内。人気薄を1着で狙うのは難しいコース。
★信頼度だけでなく、回収率や枠番値からも「内枠有利&外枠不利」。
★差し優勢のコースで最速上がり馬の成績も優秀。先行勢はそれなり。





 正面スタンド前から発走して、広々とした東京芝コースをぐるりと1周。最初のコーナー進入までの距離も十分にあるので、展開的な紛れが起きづらい形態といえる。1番人気の信頼度が高いのがその証明で、能力をキッチリ発揮できるはず。1着馬のじつに85.0%が5番人気以内と、人気薄をアタマでは狙いづらいコースといえる。

 回収率ベースの数値も、人気サイドが強いコースであるのを裏付けている。単勝適正回収値だけでなく複勝回収率もトップは1〜3番人気で、そこから人気が落ちるごとに、回収率も落ちていく。極端な穴狙いはしないほうが賢明で、上位人気をうまく組み合わせて儲ける「買い方」が問われそうだ。

 枠番については、ハッキリと内枠有利&外枠不利。内枠である馬番1〜6番の平均人気が8.1と抜けて高いのを加味しても、内枠の成績はやはり優秀だ。回収率ベースの数値が高いのも内枠で、対照的に外枠は信頼度、回収率の両方がイマイチ。ひとケタ馬番を引けるかどうかで、信頼度は大きく変わるといっても過言ではない。

 直線の長い東京コースらしく、脚質は差し優勢。中団待機組の複勝率が先行勢より6%以上高いというのは、めったに出てこない結果である。最速上がりの馬も複勝率62.7%、複勝回収率173%と超優秀で、イメージ以上に差し優勢と考えたほうがいいはず。「差し→差し」や「差し→先行」での決着を想定して、馬券を組み立てたい。

【レース総論】ジャパンC(G1) 過去10年

・レースの要所!

★コースデータ同様に人気サイドが優秀な成績。ふたケタ人気だとキツい。
★牝馬が異様に強いレース。外国馬は過去10年で3着以内に好走した例なし。
★コースデータ以上に内枠が強く回収率も優秀。ただし脚質は先行勢優勢。
★6歳以上馬は大幅割引。騎手は「関西×継続」と「外国人×乗替」に注目。








 レースの平均配当は、単勝983円、馬連3536円、3連複1万9510円と全体的に低め。それもそのはずで、ここは人気サイドが非常に強く、対照的にふたケタ人気馬の好走例は[0-0-2-82]と、わずか2回しかない。人気薄を狙うとしても7〜9番人気あたりで、妙味や効率を優先するなら4〜6番人気がオススメ。いずれにせよ、人気薄を積極的に買えるレースとは言いがたい。

 目立っているのが、過去10年で5勝をあげている牝馬の強さだ。昨年は3頭が出走していずれも着外に終わったが、ここにぶつけてくるような牝馬は、牡馬に勝るとも劣らない女傑ばかり。今年はソウルスターリングが紅一点となるが、やはり侮れないものがある。あとは、完全に「関西馬>関東馬」であることや、外国馬がサッパリ通用していないのも、このレースの特徴といえる。

 枠番データは、コースデータ以上に内枠有利。勝率、連対率、複勝率のいずれも断然のトップで、枠番値はプラス1.1という猛烈な高さである。回収率の高さも文句なしで、内枠というだけでかなり有利であるのは間違いなし。レースデータでは外枠不利ではないが、実際はコースデータの通り、内枠有利&外枠不利である可能性が高い。

 ただし、脚質面はレースデータと大きく異なる結果となった。中団〜後方から差し切ったのは2015年のショウナンパンドラだけで、それ以外はすべて先行策からの押し切り。2〜3着馬も先行勢が8頭、中団待機組が同じく8頭と拮抗している。後方から直線一気を決めるのは至難の業で、先行勢重視の姿勢で予想したほうがいいはずである。

 年齢別でもっとも好成績なのは4歳馬で、それに続くのが5歳馬と3歳馬。6歳以上になると、成績はガクンと落ち込んでしまうので要注意だ。そして単勝オッズ別成績では、14.9倍以下と15.0倍以上との境目が分水嶺。回収率から考えると、単勝5.0〜9.9倍の「1着」狙いや、10.0〜14.9倍の「2〜3着狙い」がオイシイ。

 最後に騎手関連データだが、乗り替わりで好走しているのは外国人騎手ばかりで、日本人騎手に限ると[0-2-2-32]と低空飛行。逆に継続騎乗で強いのは日本人騎手で、関西所属騎手は[6-2-4-21]と好成績を残している。想定段階だが、このデータがプラスに働くのはキタサンブラック、シュヴァルグラン、ソウルスターリング、ヤマカツエース、レインボーラインの5頭となる。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 Cコース継続。差しが決まり始めるも、馬場は内のほうが良さそう。

・天候予測
 木曜日に少し降雨があるも週末には回復。良馬場前提で予想したい。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒△、ハービンジャー産駒△

 先週からB→Cコース替わりとなった東京芝コース。その影響もあってか、先週は内枠に入った馬のほうが全体的に好成績だった印象だ。ただし、脚質に関してはフラットで、後方からの追い込みも相応に決まっている。最終的な判断は土曜日の競馬を見てからになるが、現時点では「内有利もフラットな馬場」との前提でいきたい。

 血統面は、ディープインパクト産駒など3種牡馬の産駒をプラスに評価。ディープインパクト産駒の強さはご覧の通りで、信頼度の高さはもちろんのこと、単勝適正回収値の高さも102.4と申し分なし。外国馬の血統については、父ケープクロス×母父モンズンという組み合わせで、ネヴァーベンドのクロスでスピードを補完しているギニョールに、もっとも可能性を感じる。

★出走馬・総論×各論

 サトノクラウンの鞍上が絶好調のM.デムーロ騎手に正式決定したことで、さらに盛り上がりそうな今年のジャパンC。残念ながらフルゲートは割り込みそうだが、昨年覇者のキタサンブラックに、ダービー馬レイデオロ、オークス馬ソウルスターリングなど、日本馬は強豪ぞろい。さらに外国馬もイキートスなど4頭がエントリーと、かなりレベルの高いメンバー構成である。

 トップ評価は、前走の天皇賞・秋でもその力を見せつけた、帝王キタサンブラック。プラス評価となった項目は非常に多く、それでいてマイナス評価はほとんどないという、文句なしの内容である。不安材料があるとすれば、継続騎乗する武豊騎手のコンディションだが、これは判断しようがないもの。内枠の偶数馬番を引き当てればベストで、そうなれば迷わず本命に推したい。

 二番手評価に紅一点のソウルスターリング。毎日王冠、天皇賞・秋とイマイチな結果が続いているが、オークスを制した東京芝2400mで良馬場ならば、大きな巻き返しがあって不思議ではない1頭だ。C.デムーロ騎手に乗り替わる予定であるのも、ここではプラスに働く。牝馬の強いレースで、斤量53キロも好材料。狙ってみる価値は十分ある。

 三番手評価にサトノクラウン。M.デムーロ騎手騎乗というだけで、問答無用で勝ち負けになってしまいそうな勢いである。渋った馬場になったほうが面白そうではあるが、現在の充実ぶりを考えると、今ならば良馬場でもやれそう。例年よりも荒れて時計のかかる馬場になっているのは、間違いなくプラスである。

 四番手評価にレインボーライン。宝塚記念からのぶっつけで3着に食い込むのだから、やはり力がある。昨年のこのレースで最速上がりをマークしているのも、忘れてはならないポイントだ。いささか展開待ちなところはあるが、前走を叩かれての上積みもあるはずで、そのキレ味はやはり脅威。前走以上の結果があって驚けない。

 以下はレイデオロ、シュヴァルグラン、マカヒキ、ギニョール、イキートスという評価の序列。ただし、内枠有利&外枠不利のコースなので、評価はここからかなり上下すると思われる。最終的な人気や、どの馬が「単勝オッズ14.9倍以下」になるかも含めて、まだまだ考える必要がありそうである。


■総論×各論・先週の馬券回顧



京都11レース マイルCS(G1)
1着 18ペルシアンナイト
2着 11エアスピネル
3着 04サングレーザー

なんだよあの神騎乗(#^ω^)ビキビキ

パトロールフィルムを何度も確認しましたが、18ペルシアンナイトでのミルコの手綱さばきは「神騎乗オブザイヤー2017」にノミネートされるべき。普通なら、11エアスピネルと04サングレーザーで決まってますよコレ。直線なかばでは「よっしゃ枠連で正解!」と喜んでたんだけどなあ(意気消沈)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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