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JCに好相性のトニービンとグロリアスソング

  • 2017年11月24日(金) 19時00分


◆ハーツクライはJC得意の種牡馬になりそう

 過去10年のジャパンカップも、最も多くの馬券対象馬を出している種牡馬はディープインパクト。

 興味深いのは、馬券になった5頭のうち3頭は牝馬。牡馬はスピルバーグとラストインパクト。いずれもクラシックでは3着以内に走らず古馬になってピークを迎えた馬。スピルバーグはG1で馬券になったのはこのレースが2度目。ラストインパクトはこのレースがG1初連対。

 ディープ産駒は牝馬優勢。牡馬は、G1連対実績がないフレッシュな馬が走りやすい傾向。これは、JCに限らず古馬中長距離G1に該当するディープ産駒の傾向ですけれども。

 次に馬券対象馬を出しているのがジャングルポケット。ジャガーメイルが14人気で3着。トーセンジョーダンが11人気で3着。そしてジャングルクルーズは17人気で4着。二桁人気の激走馬を最も多く出している種牡馬。

 ジャングルポケット産駒がディープ産駒と異なる傾向は、フレッシュさよりも経験が活きること。トーセンジョーダンは当レース3度目の出走になる7歳でも3着。ジャガーメイルも当レース2度目の7歳で3着。オウケンブルースリがウオッカのハナ差2着と迫ったのも当レース2度目の4歳。

 昨年3着のシュヴァルグランの父はハーツクライ。ジャングルポケットと同じトニービンの血を持つ馬。トニービンは、フレッシュさよりもキャリアが活きるのであれば、今年も注目できるパターン。

 同馬が日曜に走るかはともかく(笑)、今の種牡馬情勢を考えると、ハーツクライはJC得意の種牡馬になりそう。

 トニービンの血を持つスタミナタイプの種牡馬だから適性的にフィットするのがひとつ。

 さらに、先に書いたように、ディープの牡馬は皐月賞、ダービーに向けて仕上げる馬が多いのも変わらないでしょう。ディープ産駒の牡馬は春のクラシックで仕上げると、そのまま燃え尽きる馬も多いため、相対的に有利。

 その他でJCに相性の良いピークを迎えていない(これから迎える)長距離指向の種牡馬の産駒で注目はシャケトラ。父マンハッタンカフェは自身も産駒も芝3000m以上G1に実績を残す種牡馬。

 母父シングスピールもジャパンカップ勝ち馬。その母グロリアスソングも東京芝適性の高い血。

 同じく外国馬ながらJCで勝ち馬と同タイムの3着に走ったファンタスティックライトの父ラーイの母もグロリアスソング。

 サンデーとキングマンボ系という、日本の二大系統の組み合わせがニックス配合であるのと同じように、サンデー系種牡馬とグロリアスソングを持つ母馬も日本のニックス配合なのでしょう。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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