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末脚のキレ味と枠番を重視すべき一戦/チャンピオンズC

  • 2017年11月29日(水) 18時00分

■チャンピオンズC(G1・中京ダ1800m)フルゲート16頭/登録23頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 コースデータの項目でも解説するが、ダートの中距離戦ながら瞬発力の要求度が非常に高いというのが、中京ダ1800mの大きな特徴だ。脚質については先行勢が優勢なのだが、上がり上位馬は総じて素晴らしい成績で、これは東京のダートコースによく似たイメージ。末脚のキレは、チャンピオンズCでも大きな武器となる。

 掲載したのは、チャンピオンズC参考レースにおける、前走上がり3F順位別での成績など。前走での上がり3F順位が3位以内だった馬は、トータル[4-5-5-36]で連対率18.0%、複勝率28.0%と、4位以下馬と比べるとその信頼度は格段に高い。レース当日の馬体重が499キロ以下であれば、さらに信頼できそうだ。

 ちなみに、JBC組など前走が地方でのレースだった馬に関しては、前走で「4着以内」であるのが好走の必要条件。これに該当するのがアウォーディー、ケイティブレイブ、コパノリッキー、サウンドトゥルー、ミツバで、ここからどう絞り込むかが腕の見せどころ。末脚のキレに定評があるサウンドトゥルーは、とくに期待できそうである。

【コース総論】中京ダ1800m

・コースの要所!

★4〜6番人気や10〜12番人気など、人気薄の激走率が高く侮れないコース。
★内枠有利&外枠不利。枠番は内であればあるほどベターで、外枠は割引。
★先行勢が優勢だが同時に上がり上位馬の強さも目立つ。末脚のキレ重視。





 正面スタンド前から発走して、ダートコースをぐるりと1周するコース形態である、中京ダ1800m。最後の直線は約411mと東京に次ぐ長さで、しかも急坂が待ち構えているため、ダートの中距離戦にしては差しや追い込みが決まりやすい。先行力や持久力だけでは勝ち負けに持ち込めない、総合力が問われるコースといえそうだ。

 1番人気や上位人気の信頼度は「並」程度で、4〜6番人気や10〜12番人気など、穴馬の激走率の高さが目立っている。とくに面白いのが10〜12番人気で、なんと1着の回数は7〜9番人気よりも上。単勝適正回収値も203.0と非常に高く、リスクを取りにいく価値は十分にあるはずだ。13番人気以下との非常に大きな成績差から考えても、いちばんお得なのがココであるのは間違いない。

 次に枠番だが、イメージ以上に内枠有利かつ外枠不利。外枠である馬番13〜16番は、信頼度だけでなく回収率ベースの数値も全体的に低くなっている。対照的に絶好調なのが馬番1〜4番で、複勝率23.6%は飛び抜けて高い数値。枠番が内であるほど有利なコースだというのは、データが裏付けている。

 脚質は明らかに先行勢が優勢で、1着のじつに75.0%が、4コーナーを5番手以内で回っていた馬である。このあたりはダートの中距離戦「らしい」結果なのだが、注目すべきは上がり上位馬の好成績。最速上がり馬を筆頭に、速い上がりを繰り出した馬が素晴らしい成績を残しているのだ。道中のペースが厳しくなるG1だと、末脚のキレがさらに大きな武器となりそうである。

【レース総論】チャンピオンズC(G1)

※今回は、中京ダ1800mで行われた「別定&定量×3歳上&4歳上×14頭以上×準OP〜重賞」の13レースを集計対象としています。

・レースの要所!

★1番人気は高信頼度もヒモ荒れ傾向あり。関東馬と関西馬はほぼ互角。
★内枠有利の傾向がコースデータ以上に強い。内枠は人気薄でも要注意。
★先行勢と上がり上位馬が同時に強いのはコースデータとまったく同じ。
★高齢が割引とはならないが、好成績なのは5歳馬。継続騎乗組も強い。







 中京開催のダートG1となってから3年が経過したが、まだまだデータ不足は否めないので、今回は似たような条件で行われたレースを集計対象に含めて、分析を行っている。信頼度の低いデータになってしまうが、そのあたりはあしからずご了承いただきたい。

 参考レースの平均配当は、単勝978円、馬連4645円、3連複1万4905円。意外に順当決着傾向が強く、1番人気はトータル[6-1-2-4]で複勝率69.2%と、信頼度はかなり高い。しかし、チャンピオンズCに関しては波乱決着が続いており、ヒモ荒れ傾向はかなり強そう。人気馬を過信しないスタンスでの予想が望ましそうだ。

 枠番は、コースデータ以上に内枠有利。内枠である馬番1〜4番は、勝率こそ3.8%と低いが、連対率15.4%、複勝率25.0%と、トータルでの信頼度は非常に高い。単純に内外を比べたデータにおいても、複勝率・回収率・枠番値のいずれも、内が外を圧倒。たとえ人気薄でも、内枠に入った馬は押さえておきたいところである。

 脚質については「先行勢と上がり上位馬が同時に強い」という、コースデータとまったく同じ傾向が見受けられる。上がり上位馬の成績はコースデータ以上といえるもので、やはりクラスが上がれば上がるほど、末脚のキレ味が求められそう。年齢別で大きな偏りは見られず、高齢でも割引とはならないが、5歳馬が圧倒的に強いというのは覚えておいて損はないはずだ。

 あとは、関東馬と関西馬の成績が拮抗していることや、鞍上の乗り替わりが大幅マイナスであるのもポイント。外国人騎手へのスイッチであっても成績はイマイチで、ここは継続騎乗組を信頼したほうが好結果を呼び込めるはず。これを理由に過剰人気となるような馬は、思いきって「消し」で勝負してみるのも面白い。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 ダートコース&開幕週も、念のため土曜日のうちにバイアスを確認すべき。

・天候予測
 週末の気温は低いが天候には恵まれそう。良馬場前提の予想で問題なし。

・注目血統
 ゴールドアリュール産駒◎、カネヒキリ産駒○、ディープスカイ産駒▲

 ダート戦なので、芝のレースほど馬場のバイアスを気にする必要はないはず。幸い、天候も今のところ大きく崩れる気配はなく、好天のなかでレースを迎えられそうだ。とはいえ、土曜日にどのような結果が出ているかは、必ずチェックしておきたいところである。

 血統面は、ゴールドアリュールなど3種牡馬の産駒をプラス評価。ネオユニヴァース産駒も好成績ではあるのだが、単勝適正回収値の低さを考えると、人気薄での好走は期待しづらいと判断した。それとは対照的に回収率ベースの数値が非常に高いのが、カネヒキリとディープスカイの産駒。ミツバやモルトベーネは「一発」があって不思議ではない。

★出走登録馬・総論×各論

 末脚のキレ味と先行力が同時に要求されるのが、中京ダ1800mの特徴。なかなか難しい条件だが、これを見事にクリアするのが、トップ評価となったテイエムジンソクである。前走のみやこSでも、4コーナーを先頭で回り、それでいて2位の上がりをマーク。これで内枠でも引き当てれば、文句なしの本命候補といえる。鞍上の古川吉騎手も、超久々のG1勝利へ向けて、ここはかなり力が入るはずだ。

 二番手評価に、昨年の覇者であるサウンドトゥルー。ローテは昨年と同じだが、JBCクラシックを快勝して臨む今年のほうが勢いは上だ。コース適性の高さはトップクラスで、ダ1800m戦はまさにベスト条件。末脚のキレ味はここでも上位で、7歳と高齢であるのもマイナス材料ではない。今年も大いに期待が持てそうである。

 三番手評価にノンコノユメ。久々だった前走は出遅れて後方からのレースとなったが、直線では素晴らしい末脚を見せた。ここは中穴人気になりそうで、鞍上が継続騎乗予定であるのも大きなプラス材料。昨年は6着に終わったが、一昨年の2着馬であるのは忘れてはならないポイントだ。勝ち星からしばらく遠ざかっているが、侮れない1頭といえる。

 以下は、アウォーディー、ケイティブレイブ、カフジテイク、キングズガード、コパノリッキー、ミツバ、ロンドンタウンという評価の序列。ただし、枠番の影響が非常に大きいコース&レースであり、内枠を引いた馬は評価を大きく引き上げる必要がある。上位評価の3頭にはぜひとも、内枠を引き当ててもらいたいものだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧

東京11レース ジャパンC(G1)
1着 01シュヴァルグラン
2着 02レイデオロ
3着 04キタサンブラック

ハズレ馬券を紛失した(#^ω^)ビキビキ

というわけで、馬券ナシですがご容赦を。「ウマい馬券」では内枠重視の姿勢で、◎04キタサンブラック、○02レイデオロ、▲03ギニョール、△01シュヴァルグランと印を打って3連複主体で勝負。それなのに△○◎がヌケるという、相変わらずの馬券下手っぷりを発揮。ギニョールからの欲張り馬券が、結果的に間違いだったんだよなあ(猛反省)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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