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父キングカメハメハ、母ピンクカメオの“金子血統”カプア

  • 2017年12月06日(水) 12時00分
●カプア(牝 美浦・萩原清 父キングカメハメハ、母ピンクカメオ)

 母ピンクカメオは18頭立ての17番人気でNHKマイルC(GI)を制覇した。パカパカファームが生産した初めての重賞勝ち馬でありG1優勝馬でもあった。その半兄にブラックホーク(99年スプリンターズS-GI、01年安田記念-GI)、半妹にカウアイレーン(10年クイーン-GIII・3着)がいるように、2代母シルバーレーンの一族は活力にあふれている。ディープインパクトを父に持つ半姉3頭は、2頭が未勝利で1頭が2勝馬。このファミリーのポテンシャルから考えると物足りない成績だ。シルバーレーンの一族とディープインパクトの交配は、この兄弟以外にも何度か試みられたがこれという馬は出ていない。一方、キングカメハメハとの組み合わせで誕生した2頭はいずれも勝ち上がり、本馬の4分の3同血に前出のカウアイレーンがいる。配合的に楽しみが大きい。芝1600mから2000mあたりでいいところがありそうだ。

●サクラレイメイ(牝 美浦・田島俊明 父サクラプレジデント、母サクラアカツキ)

 本馬はサクラアカツキ(00年中山牝馬S-GIII・3着)の娘で、半兄サクラマジェスティ(父サクラローレル)は岩手競馬の有馬記念ともいえる桐花賞(ダ2000m)で3着となった。牝系をさかのぼると谷岡牧場が輸入した名繁殖牝馬スワンズウッドグローヴに到達する。同馬はサクラセダン、サクラジョオー、サクラグローブ、サクラタニマサなどを通じて牝系を発展させ、とくにサクラセダンの分枝からダービー馬サクラチヨノオー、朝日杯3歳S(GI)の勝ち馬サクラホクトオー、七夕賞(GIII)を勝ったサクラトウコウ、札幌記念(GII)と中山記念(GII)を勝ったサクラプレジデントなどを出した。本馬の父はサクラプレジデントなので、同牝系同士の配合となり、スワンズウッドグローヴ4×4という牝馬クロスが生じる。将来、繁殖牝馬となった際の血統的価値を見越した谷岡牧場の勝負手といえる配合だろう。芝向きの中距離タイプ。

●マイヨヴェール(牡 栗東・飯田祐史 父ハードスパン、母ブライトサファイヤ)

 現3歳の半兄サンライズノヴァ(父ゴールドアリュール)はユニコーンS(GIII)の勝ち馬。母ブライトサファイヤの半兄にフェブラリーS(GI)を勝ったサンライズバッカスがおり、3代母ワールドサファイアの一族には日本テレビ盃(Jpn2)など4つの重賞を制したマコトスパルビエロがいる。ダート適性の高い牝系なので、ハードスパンを父に持つ本馬はほぼ確実にダート向きだろう。ハードスパンは競走馬としてはG1を1勝した程度の成績だったが、種牡馬として大成功し、日本で1年供用されたあと、アメリカに呼び戻されている。Roberto 4×4というクロスは、日本での種付けで誕生したハードスパン産駒の出世頭ダークリパルサー(2戦2勝)を彷彿させる。スピードの持続力を武器とするダート馬だろう。

●レッドラファーガ(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母ツインテール)

 母ツインテールは現役時代に1勝。母の父Tale of the Catは現役時代にG1こそ勝てなかったものの、ヨハネスブルグの叔父、Pulpitの従兄弟にあたる良血がモノをいい、種牡馬として成功を収めた。芝・ダートを問わず活躍馬を送り出し、日本でもエーシントップが3つの芝重賞を勝っている。2018年から社台スタリオンステーションで供用を開始するドレフォン(米最優秀スプリンター)の2代父でもある。サンデーサイレンスとの相性も抜群で、アメリカでG1を制したTale of Ekatiという産駒は、母の父がサンデーサイレンスだった。Storm Cat系なので、それとニックスの関係にあるディープインパクトとも優れた相性を示すだろう。本馬の3代母Gaily Gailyはフラワーボウル招待H(米G1)など7つの重賞を制した芝馬。2代母の父Silver HawkはRoberto系のスタミナタイプ。底力とスタミナに秀でたこれらの血は、「ディープ+Storm Cat」の素軽さをしっかりと支えている。芝2000m以上で本領を発揮しそうだ。

●レーガノミクス(牡 栗東・池添学 父ロードカナロア、母トップセラー)

 母トップセラーはアドマイヤメイン(06年青葉賞-GII、06年毎日杯-GIII、06年日本ダービー-GI・2着、06年菊花賞-GI・3着)の4分の3姉で、現役時代は芝中距離で準OPまで出世した。2代母プロモーションはクイーンS(GIII)の勝ち馬。本馬は「ロードカナロア×スペシャルウィーク」という組み合わせで、ロードカナロアの母の父Storm Catはスペシャルウィークの母の父マルゼンスキーとニックスの関係にあるのでおもしろい。本馬の4分の3兄レジェンドセラーはルーラーシップ産駒だけあって長めの距離で頭角を現し、現在3勝を挙げて準OP入りを果たした。まだ3歳と若く、いずれ重賞戦線に乗ってくるだろう。本馬の父ロードカナロアは短めの距離を得意とし、芝1400〜1600mがベスト。現2歳の初年度産駒は現在31勝を挙げており、11年のダイワメジャー(31勝)以来6年ぶりに2歳戦で30勝以上を挙げた新種牡馬となった。残り3週でディープインパクトの大記録41勝(10年)にどこまで迫れるか注目したい。芝向きのマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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