スマートフォン版へ

馬と人とが寄り添って暮らしていた“日本一小さな競馬場”の今昔物語

  • 2018年01月02日(火) 18時01分


約15年前、日本海のすぐ近くに日本一小さな競馬場と言われた場所があった。島根県の益田競馬場。そこには屈腱炎に悩まされる馬が集まって砂浜で調教をし、夏は馬と海で泳いだという。馬と人とが寄り添って暮らしていた。

かつてそこで調教師をしていた大賀一政さんは、競馬場の廃止とともに引退したが、栗東トレセンで調教助手をする息子の「馬の顔見にゃ寂しいろ?」という一言で馬の世界に戻り、滋賀県の牧場で場長を務める。益田競馬場の思い出を語っていただいた。(取材・文:大恵陽子)


「たてがみを握ったら、馬がシュッシュッと泳いで」


 南関東で活躍する御神本訓史騎手は益田競馬場でデビューした。また、宮下瞳騎手に更新されるまで女性騎手最多勝記録を保持していた吉岡牧子元騎手も益田の所属だった。日本一小さな競馬場と言われたが、スター揃いだった。

ノンフィクションファイル

▲現在は大井所属の御神本訓史騎手、その原点は益田競馬場だった(撮影:高橋正和)


 そんな益田競馬場で調教師をしていた大賀一政さん。

「馬場とスタンドの間に道路が通っていて、普通に車やバスが通っていたんよ。馬も慣れっこで、驚くとかもなかったね」

 訛りの入った言葉づかいで大らかに笑った。

ノンフィクションファイル

▲益田競馬場の元調教師、大賀一政さん(撮影:大恵陽子)


 その地は、馬と人との距離がとても近かったようだ。

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

netkeiba豪華ライター陣による本格的読み物コーナー。“競馬”が映し出す真の世界に触れてください。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング