グレイル野中師が見据えるダービー/吉田竜作マル秘週報
◆2018年の始動となる共同通信杯に向けて早くも準備に
早いもので「POG(秘)週報」も2017年の最後を迎える。そこそこ長く続いている当コラムだが、振り返ってみると有馬記念の後に書いた記憶がないような…。こういう形で締められるのもホープフルSがGIへ昇格したおかげ? 最後まできっちりと仕事をこなして、お酒であかを落とし、そして爽快な気分で新年を迎えたいものだ。
トレセンへの入退キュウなど、手続きがもろもろ必要なことは、間もなく“一時休業”となる。しかし、そこは生き物が相手。時間の歩みが止まらない以上、目標とするレースへの準備を怠るわけにはいかない。
例えば京都2歳Sで、新馬戦に続く無傷の連勝を飾ったグレイルは、激戦の後、放牧に出されていたのだが、「週中までには(栗東トレセンに)戻す」と野中調教師。2018年始動となる共同通信杯(2月11日=東京芝1800メートル)に向けての準備に早くも入る。
「もっとゆっくりしてもという声もあるだろうが、年が明けてしまえばレースまで6週間しかないからね。もともとウチはじっくりとやっていくキュウ舎だし、早過ぎるってことはない。まだ緩さがある段階で、これだけ走ってくれると、逆にいろいろ怖い面もあるからね。時間はあった方がいいんだ。共同通信杯なら、その次までの間隔も十分に取れるし、いろいろな選択肢ができる。もちろん、東京を経験できるのも大きい」
野中調教師はすでに、はるか先にある日本ダービーをも見据えている。そう、来春のクラシックの有力候補を抱える陣営に、気の休まる時などありはしないのだ。労務絡みがいろいろ難しいご時世だが、ダービーまではすべてをささげ、ひと息つくのはその後でとなるのだろうか。もっとも、ダービーが終われば、すぐ新たな2歳新馬戦がスタート。気が休まる時などないのだが…。
北海道では現1歳馬たちがすでに本格的なトレーニングに入っていると聞く。しばらくは厳しい寒さが続くだろうが、皆さんも芽吹く時を待つ若駒の“熱”を感じながら、暖かくして年末年始をお過ごしください。今年も当コラムをご愛読いただき、ありがとうございました。