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好走の必要条件を満たす馬を狙え!/中山金杯

  • 2018年01月03日(水) 18時00分

■中山金杯(G3・中山芝2000m)フルゲート17頭/登録17頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 つい「初夢」を追いたくなってしまうが、近年の中山金杯は波乱傾向が弱く、大荒れは望み薄。しかし、好走馬にたいへんわかりやすい特徴があるので、馬券は非常に買いやすい。じつは、「前走から斤量増となる人気馬を狙う」というシンプルきわまりない馬券戦略で、簡単に儲かってしまうのだ。

 論より証拠、まずはデータをご覧いただきたい。過去10年の連対馬20頭のうち、じつに14頭までが前走から「斤量増」だった馬。連対率45.2%、複勝率61.3%と信頼度は猛烈に高く、さらに回収率ベースの数値も文句なしの高さである。それに対して、前走から斤量増減のなかった馬や斤量減となった馬は、2〜3着にくるのが精一杯。斤量増の馬が狙い目であるのは、誰の目にも明らかだろう。

 さらに、対象を「6番人気以内馬」に絞り込むことで、信頼度はさらにアップ。ちなみに、今年の登録馬で前走から斤量増となるのは、ウインブライト、セダブリランテス、ダイワキャグニー、ブラックバゴ、マイネルミラノの5頭。このあたりが、キッチリ上位を独占する可能性も十分にあるはずである。

【コース総論】中山芝2000m Cコース使用

・コースの要所!

★基本的には人気サイドが強いコース。極端な穴狙いは避けるのが賢明。
★もっとも信頼度が高いのは外枠。枠番による有利・不利のないコース。
★先行勢が優勢も、中団から差しての1着多し。最速上がり馬も好成績。





 前回のホープフルSでも解説したが、中山芝2000mは基本的に人気サイドが強いコース。中山というだけで紛れがありそうなイメージだが、1番人気は[30-24-16-31]で連対率53.5%、複勝率69.3%と高信頼度で、2〜3番人気の成績もなかなかのものだ。「複勝回収率がもっとも高いのが1〜3番人気」というのが、このコースの特性をよく物語っている。

 そしてもうひとつの特徴が、中山芝なのに内枠有利ではないという点だ。データをご覧の通り、もっとも信頼度が高いのは外枠である馬番13〜18番で、回収率ベースの数値や枠番値も非常に優秀。イメージだけで外枠を割り引くファンが多いのか、ここを狙うのは期待値的にかなりオイシイ。枠番の内外を気にする必要がないコースといえる。

 脚質に関しては先行勢優勢なのだが、中団待機組の成績も決して悪くはないので注意が必要。こと1着馬に関しては、先行勢と中団待機組はかなり拮抗している。最速上がり馬の成績も優秀で、イメージ以上に差せるコースと考えたほうがいいはず。クラスを考えると、「差し→先行」での決着を想定した馬券が、もっとも期待できそうである。

【レース総論】中山金杯(G3) 過去10年

・レースの要所!

★5番人気以内[10-7-7-26]と上位人気の強さが目立つ。基本的には順当決着。
★レースデータでは内枠が好成績で外枠が低調。コース替わりの影響が大か。
★コースデータよりも、格段に前残り傾向が強め。最速上がり馬も成績不振。
★ハンデを背負う側が圧倒的に強いレース。ハンデ56.5キロ以上馬を重視。








 レースの平均配当は、単勝541円、馬連2719円、3連複1万5408円とかなりの低め水準。とくに目立っているのが単勝平均の低さで、過去10年の勝ち馬はすべて5番人気以内と、順当決着傾向が非常に強い。対照的に、6番人気以下はトータル[0-3-3-99]で複勝率5.7%と低信頼度で、リスクに対してリターンが見合っていない印象。過剰な穴狙いは避けるべきレースといえそうだ。

 人気別成績で狙ってオイシイのは、4〜6番人気のゾーン。こちらはトータル[3-5-4-18]で連対率26.7%、複勝率40.0%と、1〜3番人気と比較しても遜色のない信頼度の高さだ。単勝適正回収値97.9、複勝回収率106%と、回収率ベースの数値も十分な高さ。ここから入る馬券に、いちばん妙味があるのは間違いない。

 コースデータとまったく異なる結果が出たのが、枠番別成績である。内枠である馬番1〜6番が成績優秀で、外枠である馬番13〜18番が低空飛行。平均人気の差も大きく影響しているが、おそらくCコース替わりの影響もかなり大きいと思われる。コース全体では枠番不問だが、中山金杯というレースに関しては、内枠重視の姿勢が望ましいか。

 脚質データも、Cコース替わりの影響を色濃く感じる結果となった。とくに目立っているのが、最速上がり馬の成績不振。[1-0-1-8]と、4着以下に終わるケースのほうが圧倒的に多いのである。明らかに先行勢優勢という結果で、後方に置かれた馬はほぼ全滅。先行策から粘りきれるような馬を、ここは上位に評価すべきだろう。

 そして、かなり重視したいのが斤量である。完全に「背負っている組」が強いレースで、ハンデ56キロ以上が好走の必要条件といっても過言ではないほど。とくに強いのがハンデ56.5キロ以上馬で、トータル[7-4-4-23]で連対率28.9%と、その信頼度は非常に高い。つい軽ハンデ馬の激走を期待したくなるが、実際はかなり期待薄なのだ。

 そしてもうひとつ、好走の必要条件がある。それが「前走5着以内」であることで、こちらもトータル[8-7-6-42]で複勝率33.3%と、前走6着以下馬との成績差は明白。また、前走6着以下から巻き返した馬のほとんどが、前走でG1〜G2に出走していたのも押さえておくべきポイントといえる。

 そして最後に騎手関連データだが、地元である関東所属騎手の成績がイマイチで、関西所属騎手や外国人騎手のほうが総じて好成績。関東馬と関西馬の比較でも関西馬のほうが優勢と、関東のレースだが「西>東」という構図にある。継続騎乗と乗り替わりで極端な成績差はないが、一応は継続騎乗組のほうが好成績。このあたりも多少は意識しつつ、買い目を考えていきたい。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Cコース替わり。前残り傾向が強くなる可能性が大なので要注意。

・天候予測
 微妙な天候だが土日の降雨はなさそうな雰囲気。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、メイショウサムソン産駒○、キングカメハメハ産駒▲、バゴ産駒△

 レースデータの項目でも触れたが、Cコース替わりで前有利&内有利の傾向が強まる可能性が大。コース自体はフラットなのだが、Cコース替わりによって、馬場のバイアスが大きく変化する場合が多いようだ。木曜日〜金曜日や月曜日以降に天候が崩れそうだが、中山金杯の当日は良馬場での開催になると思われる。

 血統面は、4種牡馬の産駒をプラスに評価。意外に侮れないのがメイショウサムソン産駒とバゴ産駒で、いずれもディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒に勝るとも劣らない成績を残している。少し時計のかかるパワーが必要な馬場にでもなれば、その高いコース適性が、さらに生きるはずである。

★出走登録馬・総論×各論

 ここまで長々と講釈を垂れてきたが、中山金杯の「要所」はじつにシンプル。特注データの項目でも述べたように、前走から「斤量増」となる馬であること。ハンデが56キロ以上であり、56.5キロ以上であればモアベターだ。あとは、前走で5着以内であることや、先行できる脚質であればベスト。これらの条件に当てはまる馬は、そう多くはない。

 トップ評価はダイワキャグニー。毎日王冠で4着、キャピタルSで1着と、昨年の秋にはなかなかのパフォーマンスを見せた。東京コース適性が高く、中山芝での実績がないのは割引だが、今ならそれでも十分やれそうな雰囲気。前述の好走条件もしっかり満たしているので、ここは好勝負必至である。

 二番手評価にウインブライト。こちらも斤量増でハンデ56キロ、前走は福島記念で好位追走から1着と、好走に必要な条件をしっかり満たしている。中山芝での実績があることを考えると、ダイワキャグニー以上のパフォーマンスを発揮してくれる可能性も十分にある。ムラっぽいところのある馬ではあるが、ここは面白い存在だ。

 三番手評価にマイネルミラノ。前走が6着以下であるのは割引材料だが、唯一の「ハンデ56.5キロ以上馬」であるのは大きな魅力で、中山芝実績や先行力に関しても十分。ちょっと人気を落として、配当的な妙味がありそうなのも魅力的である。うまく内枠を引き当ててハナを切れれば、大きな変わり身を見せてくれそうだ。

 以下は、セダブリランテス、ブラックバゴ、デニムアンドルビー、トーセンマタコイヤ、レアリスタという評価の序列。大きく荒れるケースは今年も考えづらいので、バットを短く持ったシュアなバッティングで、堅実にヒットを狙いたいところである。


■総論×各論・先週の馬券回顧



中山11レース ホープフルS(G1)
1着 07タイムフライヤー
2着 15ジャンダルム
3着 13ステイフーリッシュ

俺の希望はどこに行った(#^ω^)ビキビキ

というわけで、最後の最後まで冴えない結果に終わりましたが、この配当だったら素直に07タイムフライヤーの単勝で良かった気がする(結果論)。そして、12月はトップ評価馬が全勝したというのに、馬券が当たっていないのは何故……?

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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