最終追い切りで素晴らしい動きをみせた馬は…
皆さま、あけましておめでとうございます。今年は例年より1日遅い、1月6日がJRA競馬のスタート。その分、ゆっくりされている方も多いと思いますが、トレセンは通常通りに動いております。私も2日から出勤しているので、すでに通常時と変わらない木曜日を迎えています(笑)。
トレセンニュースでも更新しましたが、年明けのウッドチップ馬場はなかなか判断が難しい状態。これには年末の変則スケジュールが影響している、そう判断しました。つまり通常なら1週間に1日しかない全休日が昨年末は29日の金曜日に全休日があったことにより、少し馬も重めになっているということ。まあ、人間で表現すれば、正月太りということなのでしょうが、今朝4日も調教開始から終了まで1℃が続いたことを思えば、汗をかきにくい環境。この影響はやっぱり心配です。
【中山金杯/デニムアンドルビー】
前走後の調教内容は充実しており、追い切り本数もたっぷり。もちろんCWでの追い切りも併用されており、ここは文句なしの本命視と考えていました。しかし、最終追い切りの動きを見てしまうと、どうしたものだろうと考え込んでしまいます。
調教VTRでもその動きを確認できるので、ぜひご覧いただきたいのですが、4コーナーでの手応えが十分で、最後の直線は相手を突き放すと思った脚色でしたが、ゴール前は逆にこちらが手応え劣勢。結局、遅れてしまいました。遅れることは前走と同じなのですが、一旦前に出て遅れた前走と違って、今回は追いつけなかった遅れ。これはどうも気になります。
デニムアンドルビーの最終追い切りの動きがどうも気になる(1月3日撮影)
【京都金杯/ブラックムーン】
2走前のマイルCSは17番人気の低評価に反発するような素晴らしい後方一気で6着。それを思えば、前走の5着はやや物足りない結果。しかし、メンバー最速上がりを使っているのだから、この馬の場合は後方一気が嵌るか否かが着順を大きく左右するような気がします。
状態に関しては、変わらず良好。そう思える理由は最終追い切りの動き。CWでしたが、併せ馬でファステンバーグにきっちり先着。相手が3歳未勝利という格を考えれば、当然の結果ではありますが、追い切りではあまり動くタイプではなく、先着しただけでもそれなりに評価する必要がありそう。あとはもう展開だけ。
状態に関しては、変わらず良好に思えるブラックムーン(写真手前・1月3日撮影)
【京都金杯/クルーガー】
前走後は短期放牧へ出されて、栗東へ戻ったのは12月19日。小休止があったことを思うと素晴らしい状態だった前走よりは落ちると思いきや、普段の仕草を見ていても、そんなことはなさそう。きっといつでも動ける状態にあるのだろうと思っていたら、最終追い切りの走りでした。
4F53.3秒は平凡ですが、1F11.7秒は素晴らしい数字。重心がブレることなく、力強い走りはまさに状態の良さを物語る安定感。脚質やハンデを考えると、決してここで抜けた存在ではないのかも知れませんが、状態に関しては何の心配もなく能力を発揮できる、そう言い切ってもよいくらいだと思います。
【フェアリーS/トロワゼトワル】
前走は新馬戦以来でありながら、初めての東京競馬場遠征。最終追い切りも新馬時のCWから坂路に変更されており、いろんな意味で変化のあった一戦。それを4着したことをどう評価するかによって、今回の評価も変わってくるでしょう。
個人的には今回の休み明けの方が状態は良いと判断しています。だからこそ、同じ関東圏への遠征にもかかわらず、最終追いをCWにしたと思います。時計は遅くなりましたが、ここはオーバーワークの懸念もあるからこそ。前走との違いは最終追いだけではなく、中間のCWでの追い切り量もあって、それを考えると、今回こそ試金石といえる一戦になるでしょう。
今回こそ試金石といえるトロワゼトワル(写真右・12月27日撮影)
【シンザン記念/カフジバンガード】
前走こうやまき賞は中2週のローテーションを坂路とCWの併用で1着。これで2勝はいずれもCWでの最終追い切りだったということになりました。よって、今回の最終追い場所の変化は客観的に見ると評価下げ。しかし、実際の動きを見せられるとそういうわけにもいきません。
ラルムドールを追走する内容でしたが、楽に追いついて、最後は余裕の手応えで先着しています。4F時計は自己ベストを更新していますし、4F目最速の加速ラップ。確実に前走以上といってよい素晴らしい内容でした。最終追い坂路は東スポ4着がありますから、それを考えると、決して坂路追いが悪いというわけではなさそうですし、むしろ前走勝った勢いがそのまま追い切りの動きにも表れた印象を受けます。
◆次走要注意
・12/28 ホープフルS【サンリヴァル】(5人4着)
前半の厳しいハナ争いを凌いで、4コーナーでは早目に先頭というレースぶり。それでいて、勝ち馬から0.6秒しか負けていないあたりは舞台適性と能力がこのクラスでも足りることを証明しています。今度はきっちり右回りのCWでの最終追い切りになるでしょうから、そうなれば当然勝ち負け
[メモ登録用コメント] [中山芝2000m]最終追い切りCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・フェアリーS【スカーレットカラー】
抽選待ちの状態ですが、重賞出走でも十分にやれる能力の持ち主。最終追い切りは軽めでしたが、力強い走りは状態の良さを示しています。抽選漏れしたとしても、ジュニアCか翌週の自己条件には出走してくると思うので、この馬名はぜひとも覚えておいていただきたいです。
スカーレットカラーの最終追い切りは状態の良さを示している(1月3日撮影)
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