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混戦を断つのはこの馬!/日経新春杯

  • 2018年01月10日(水) 18時00分

■日経新春杯(G2・京都芝2400m外)フルゲート18頭/登録13頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 例年にも増してカオスなメンバーとなりそうな、今年の日経新春杯。それだけに重視したいのが、鞍上が継続騎乗か、それとも乗り替わりかという点である。重視すべきは継続騎乗組で、トータル[7-7-5-36]で連対率25.5%、複勝率34.5%と、乗り替わり組を圧倒。回収率ベースの数値も、単勝適正回収値101.6、複勝回収率111と、いずれも大台を突破している。

 鞍上が乗り替わる馬で「買い」といえるのは、4番人気以内馬と、外国人騎手にスイッチする場合くらいのもの。5番人気以下馬に日本人騎手が乗り替わった場合は、トータル[1-0-2-64]で連対率1.5%、複勝率4.5%という惨憺たる成績である。まったく買えないわけではないが、この成績では手を出しづらいし、リターンがリスクに見合わない。

 というわけで継続騎乗組が圧倒的に優勢なのだが、面白いのが「前走2着以内の継続騎乗組」が1勝もしていないという点だ。勝った7頭はいずれも「前走3着以下」からの巻き返しで、単勝適正回収値は178.7という高さ。信頼度は前走2着以内馬のほうが連対率35.3%、複勝率47.1%と格段に高いが、爆発力があるのは前走3着以下馬なのである。この点を踏まえて、狙う馬券によって買い方を考えたい。

【コース総論】京都芝2400m外 Aコース使用

※今回は京都芝2200m外と2400m外の2コースを集計対象としています

・コースの要所!

★極端な穴狙いは避けたほうがいい条件。狙うならば中穴のほうがベター。
★内枠有利の傾向が見受けられるコース条件。内枠はプラスに評価すべき。
★最速上がり馬の好成績から、先行勢と中団待機組は実際には互角と判断。





 京都芝2400m外は施行レース数が少なく、さらに多頭数となることが非常に少ないコース。データ母数の不足は否めないので、今回はそこに京都芝2200m外のデータを含め、さらに頭数も限定しない場合のデータを掲載している。かなり精度が低いので、あくまで参考程度と考えてもらったほうがいいだろう。

 まずは人気別成績だが、簡潔にいえば「1着はそれなりに堅く、2〜3着はそれなりに紛れる」といったイメージ。大穴の激走率が高いコース条件ではないので、極端な穴狙いは避けたほうがいい。馬券に絡む頻度とリターンの大きさを考えると、バランスがいいのは4〜6番人気や7〜9番人気のゾーン。人気サイドの信頼度は「並」程度なので、過信は禁物といえる。

 次に枠番だが、基本的に内枠有利なコース条件。勝率、連対率、複勝率のいずれも、内枠である馬番1〜4番の数値が飛び抜けて高い。平均人気の差を考えると「高くて当然」ではあるのだが、それでいて枠番値がプラス圏内というのは立派。枠番については、内であればあるほどベターだと考えるべきだ。

 最後に脚質面。掲載したデータだけ見ると「ものすごく先行勢優勢」に見えてしまうが、少頭数で行われたレースが数多く混じっているデータであるため、このような偏りが出て当然。それよりも注目すべきは、連対率50.0%、複勝率67.7%をマークしている、最速上がり馬の好成績だ。「先行勢と中団待機組が互角」というのが正しい評価で、1着馬に関してはおそらく、差し優勢だろう。

【レース総論】日経新春杯(G2) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は2勝も信頼度は決して低くはない。10〜12番人気も要注目。
★勝率が飛び抜けて高いのが内枠である馬番1〜4番。やはり内枠有利。
★最速上がり馬が素晴らしい成績。先行勢と中団待機組の成績は拮抗。
★ハンデ55〜56.5キロに好走例が集中。若くて勢いのある馬が高評価。








 1番人気が過去10年で2勝しかしていない日経新春杯だが、平均配当は、単勝958円、馬連3493円、3連複1万8370円と、意外なほど穏やか。その要因が2〜4番人気の強さで、トータル[5-5-5-15]で複勝率50.0%と、2頭に1頭が馬券に絡んでいる。人気サイド全体で考えると、その信頼度は決して低くはないので注意が必要だ。

 対照的にイマイチなのが、4〜6番人気や7〜9番人気の中穴ゾーンで、このあたりはコースデータとはかなり傾向が異なっている。人気薄で狙うべきは10〜12番人気で、こちらは[2-1-2-25]で複勝率16.7%、複勝回収率171%という素晴らしい成績だ。今年は少頭数となりそうなので、人気サイドからギリギリ手が届く人気薄に流す──といったイメージで買うと、好結果を呼び込めそうである。

 次に枠番データだが、内枠である馬番1〜4番の勝率が飛び抜けて高いことから、やはり内枠有利の傾向にあると考えてよさそう。今年は少頭数なので枠番をそれほど気にかける必要はないが、それでも内枠のほうがベターだ。そして脚質については、コースデータの項目で解説した通り。先行勢と中団待機組が互角に張り合っており、最速上がり馬の好成績から、瞬発力の要求度も相応に高いと考えるべきである。

 そして、注目したいのがハンデ。斤量は「重くても軽くてもダメ」で、適度に背負っている組がもっとも強いレースである。具体的にいえば、牡馬ならばハンデ55〜56.5キロが最適で、今年の登録馬ではヒットザターゲット、ベルーフ、ロードヴァンドールの3頭がこれに該当。ハンデ57キロ以上を背負うミッキーロケットとモンドインテロは、あまり信頼できないパターンなのだ。

 もうひとつ、大きな成績差が見られたのが年齢別成績である。4歳馬が[6-5-2-23]で連対率30.6%とたいへん強く、それに続くのが複勝率34.4%、複勝回収率166%をマークした5歳馬。これが6歳馬になると信頼度はガクンと低下し、7歳以上馬となるとほとんど期待薄──という構図だ。つまり、年齢は若ければ若いほどベター。G2ではあるが、ここは「格より勢い」のレースなのである。

 それを裏付けているのが前走クラス別成績で、前走で条件戦に出走していた馬でも、平気で突っ込んできている。「格」で勝る前走G1組も強いが、これに唯一該当するリカビトスは、日経新春杯ではなく愛知杯に回る可能性が大だ。前走G1組が1頭もいないのだから、例年以上に「勢い>実績」のレースとなっても、おかしくはないはずだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きAコース。良馬場だった土日は前残りの連発で、内のほうが好成績。

・天候予測
 かなりの冷え込みで土曜日には降雪も。極端な道悪はないと思うが要注意。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ダイワメジャー産駒○、ハービンジャー産駒▲、キングカメハメハ産駒△

 新年の3日間開催が終了したが、京都芝は明らかに前有利のバイアスだった。月曜日は降雨で稍重となったが、土曜日と日曜日は前残りのオンパレードで、しかも明確に「内>外」だった。今週末は急激な冷え込みや降雪の影響などもありそうだが、馬場のバイアスが大きく変わることはないはず。「内&前重視」のスタンスを推奨する。

 血統面は4種牡馬の産駒をプラスに評価。ステイゴールド産駒のパフォーマプロミスが人気の一角となりそうな雰囲気だが、[9-10-14-94]と勝ちきれておらず、コース適性が高いとはいえないので要注意だ。1着で狙うのではなく、2〜3着に食い込むパターンを狙ったほうがオイシイ気がするが、どうか。

★出走登録馬・総論×各論

 登録メンバーを見た瞬間に「こ、これはまた……」と思わずつぶやいてしまった、今年の日経新春杯。13頭が登録したが、愛知杯に出走可能なリカビトスは、こちらには回ってこないはずだ。人気を集めそうなのはミッキーロケット、モンドインテロ、パフォーマプロミス、ソールインパクトだが、ただでさえ難解なメンツな上にハンデ戦でもあり、何が起こっても不思議ではない雰囲気だろう。

 しかし、当データ分析ではロードヴァンドールが断然のトップ評価となった。「特注データ」該当馬で、しかも前走が3着以下という、ここでの1着が狙えるパターン。ハンデも56キロとベストで、5歳馬であるのもプラスだ。4歳馬が1頭もいないのを考えると、5歳馬という強みは例年以上だろう。コース実績も十分で、あとは展開と鞍上がどう乗るか次第。内枠に入って4番人気以内にでもなれば、さらに期待大である。

 少し離れての二番手評価がモンドインテロ。こちらも「特注データ」該当馬で1着が狙えるパターンだが、6歳馬でハンデ57キロと、ロードヴァンドールに比べると買い材料が少ない。京都芝ではまったく崩れていないように、ディープインパクト産駒らしい高いコース適性の持ち主。ルメール騎手の継続騎乗で過剰人気が怖いが、信頼度はかなり高いはずである。

 上記2頭から大きく離れた三番手評価に、ソールインパクト。前走のアルゼンチン共和国杯で2着に好走したが、同レース1着のスワーヴリチャードがジャパンCで2着、同3着のセダブリランテスが中山金杯で1着と、いずれも次走で結果を出しているのは大きい。その他にも買い材料が多く、ここでも好走可能な能力馬。ただし、パターン的には2〜3着で狙ったほうがオイシイ。

 以下は、ミッキーロケット、ベルーフ、パフォーマプロミス、カラビナという評価の序列。もしロードヴァンドールが見事に内枠を引き当てれば、そこから流す馬券で勝負──というのが現時点での青写真である。人気はかなり割れるだろうし、単勝や複勝の1点勝負も面白いはず。少ない点数でうまく儲ける、買い目の構築力が求められるレースとなりそうだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース 中山金杯(G3)
1着 06セダブリランテス
2着 01ウインブライト
3着 11ストレンジクォーク

タテ目は覚悟の上だ(#^ω^)ビキビキ

注目の「斤量増」組がことごとく人気になってしまった今年の中山金杯。こんなオッズでは初夢が追えない!ということで、斤量増となる馬で唯一人気薄だった、14マイネルミラノから勝負してみたでござる。そしてえてして、こういうスケベ馬券はハズレとなる運命なのでござるよ(反省)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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