ダノンマジェスティが真の姿を見せた時…牡馬のクラシック戦線をひっくり返す!?/吉田竜作マル秘週報
◆新馬戦は「ピクニックにでも来た気分だったんだろう」
朝日杯FSとホープフルS。2歳牡馬に2つの頂点が用意される形になった17年だが、朝日杯をダノンプレミアムが無敗で制し、一方のホープフルSを2度の敗戦があるタイムフライヤーが勝ったことで、明らかな優劣がついた。
ただ、2歳王者となったダノンプレミアムがそのままクラシックをぶっちぎるかといえば、そうではないだろう。確かに同馬はセンス豊かで伸びシロも期待できるが、距離延長や中山への輸送など越えるべき壁もある。タイムフライヤーは賞レースには敗れたが、皐月賞を狙うという意味では同舞台を経験したという大きなアドバンテージをつかんだ。さらに、タニノギムレット、キングカメハメハといったダービー馬を育て上げた松田キュウ舎のノウハウもある。今後立場が逆転してもおかしくないと思っている。
今年の牡馬戦線が面白いのは、有力候補が2頭にとどまらないところ。藤沢和キュウ舎は精鋭が揃っているところにオブセッションがシクラメン賞をレコードV。「エンジンがかかってからが良かった。楽勝だったね」とルメールも手放しの称賛だ。前出タイムフライヤーを京都2歳Sで下したグレイルも要注目。野中調教師は「あの馬を手前を替えないで差したんだから…。共同通信杯を使うために帰キュウさせたが、今のところ順調。馬は少しずつ良くなっている」。
また、12月24日の阪神芝外1800メートルの新馬を勝ったダノンマジェスティも規格外。直線外ラチ目がけて猛突進しつつ勝ち切った。「まあ初めての場所だったし、ピクニックにでも来た気分だったんだろう」と音無調教師。次走はGIIIきさらぎ賞(2月4日=京都芝外1800メートル)。「使った後も変わりません。普段はおとなしいし、扱いやすい」とは平井助手。この馬が真の姿を見せた時…牡馬クラシック戦線をひっくり返す可能性もあるのではと思っている。