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GI戦線を占う一戦!根岸S&シルクロードS有力馬の追い切りチェック!

  • 2018年01月24日(水) 18時00分


これまでとは違う仕上げで驚かされた馬も


 AJCCのゴールドアクターは11着。ウマい馬券では無印にしましたが、その理由は最終追い切りのラップと主観的な印象。もともと入れ込みやすいタイプだけに、6Fからあれだけ速い時計を出して、最後に失速するようなラップを踏んでしまうと、この惨敗も仕方ないような気がします。問題はこの後。ひと叩きして良くなってくるはずですが、年齢的なことを考えても、後遺症になる惨敗でなければよいのですが。

 逆に勝ったダンビュライトは素晴らしい騎乗。勝つにはあれしかなかったと思います。この後は大阪杯に直行することになりそうですが、この競馬ができれば、レースの鍵を握る重要な役割を果たしそう。「春のG1」を見据えた上で要注目はシルクロードS。現時点では決してスケールが大きいわけではありませんが、ここでの走り次第では高松宮記念で主役を務める可能性もありそうな馬がたくさん。どの馬がどんな展開でどんな走りを見せるか、注目しています。

【根岸S/キングズガード】

 前走チャンピオンズCはメンバー最速上がりを使うも8着。実績乏しい距離だったことも思えば、健闘の部類といってよいでしょう。そこから中7週、坂路とCWを併用して、最終追い切りはCWという選択でした。この調教内容は昨年4着時とほぼ同じです。

 昨年と違うのは、CWでの併せ馬を追走した点。昨年は先行して手応え悪く遅れましたが、今年は内から追いかけて、並びかけたところがゴール。時計が少し遅い点は気になりますが、数字自体はプロキオンS1着時よりも速いもの。ここは終い重点できっちり動けたということを評価すべきでしょう。あとはいつも東京競馬場だとメンバー最速上がりをマークできないこと。ここがコース相性なのかも知れません。

キングズガードの調教は評価すべきだが…(1月23日撮影) style=

キングズガードの調教は評価すべきだが…(1月23日撮影)


【根岸S/カフジテイク】

 キングズガードの項で触れた、東京競馬場でのコース相性という意味では、この馬が最適といってよいはず。昨年の勝ち馬であり、東京ダートでは1600mも含めて、常にメンバー最速上がり。前走の7着をどう評価するかですが、勝ちを意識してカフジテイクなりに前々でレースしたことも影響したように思います。

 今回の最終追い切りは少し地味。昨年は調教助手が跨って、ゴール前では少し余裕がありながら4F53.6秒、2F25.2秒。しかし今回は福永祐一騎手が跨って、ゴール前はほぼ一杯で4F53.8秒、2F25.0秒。数字的にはほぼ同じなので、気にすることはないかも知れませんが、主観的な印象が違います。レースも調教も軽い馬場が得意なので、24日の重たい馬場が応えたという考え方もできますが、積極的に連覇賛成というわけではありません。

積極的に「連覇賛成」とは言えないカフジテイク(1月23日撮影) style=

積極的に「連覇賛成」とは言えないカフジテイク(1月23日撮影)


【シルクロードS/ファインニードル】

 セントウルS1着時は本当に絶好調。今でもその走りや姿を覚えていますが、個人的にはそれにほぼ近いシルエットの現状だと思っています。それだけにこれまで通りの仕上げで出走してくると思ったら…。なんと最終追い切りはCW。これには驚きました。

 なにせCWで追い切るのは2歳時以来、最終追い切りに関しては新馬戦以来という超久々。高橋義忠調教師に直接取材したわけではないので、どういった考えで今回の選択になったのか分かりませんが、休み明けの京都芝1200mは6走前の鞍馬Sで負けており、同じ轍を踏まないという意味ではこの選択なのかも知れません。動きに関しては、かなり高いレベルで評価すべき内容。5F標識から13秒台のラップを刻んでいきながらも、最後まで伸び続けた走りは素晴らしいと思います。

2歳時以来のCW追い切りとなったファインニードル(1月24日撮影) style=

2歳時以来のCW追い切りとなったファインニードル(1月24日撮影)


【シルクロードS/ダイアナヘイロー】

 スプリンターズSは初めての関東圏への輸送、初めてのG1、実績乏しい直線急坂とかなり厳しい条件だったと思います。それゆえに惨敗は仕方ないと思っていますが、今回は休み明け。しかも牝馬ですから、この厳冬期に仕上げるのは難しいのでは、と思っていましたが、それは私の勝手な思い違い。CWでの動きなどを見ていると、休み明けなど全く関係ない軽快さがあります。

 最終追い切りも4F52.3秒の速い時計。これは評価できますが、4F目が12.8秒と失速がかなり大きくなりました。過去にこのようなラップでの好走例もあるだけに、一概に評価を落とす要因にはなりませんが、やっぱり4F目最速がベスト。ハンデが55キロということも合わせると枠順などの要素もアドバンテージになるような状況にならないといけないかも知れません。

【シルクロードS/アレスバローズ】

 前走南総Sのレースぶりからも即重賞通用の器であることは間違いありません。だからこそ、netkeiba.comの予想オッズでもここまで人気を集めているように思います。ただ、この馬が好成績を残しているのはすべて前日輸送の一泊競馬。未勝利戦こそ当日輸送でしたが、それ以外はすべて前日輸送です。

 そのあたりはテンションの高さもあると思いますが、24日の最終追い切り直前もテンションは少し高め。坂路で前半を少し行きたがるような素振りを見せたこともあり、4F目が最速になるラップを踏むことができませんでした。爆発力が売りのタイプだけに、少しでも行きたがるところを見せてしまうと惨敗も考えられる馬。印でいえば、本命よりも単穴タイプ。そんな気がします。

アレスバローズは印でいえば、本命よりも単穴タイプ(1月23日撮影) style=

アレスバローズは印でいえば、本命よりも単穴タイプ(1月23日撮影)


◆次走要注意

・1/21 AJCC【レジェンドセラー】(4人7着)

 初めての重賞挑戦で見せ場ないままに終わってしまいました。個人的には重賞のペースでいつものような走りができるかどうか、それが気になっていましたが、過去に経験したことがない淀みない流れに乗っていくことができなかったと思います。しかし追い切りでの動きから、ここで止まるような馬ではないはず。今後は必ず長距離重賞で巻き返してきます。

[メモ登録用コメント] [芝長距離]最終追い切り南Wで6F83秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・北山S【ロイヤルパンプ】
 京都競馬場に実績がある馬だけに、前走東京ダート2100mでの惨敗は忘れてよいでしょう。休み明けになりますが、最終追い切りは久しぶりにこの馬らしい機敏な走りを見ました。もともと寒い時期が得意なタイプですし、得意の舞台に戻れば、巻き返しがあっても不思議ではありません。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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