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遅れてきた大器がデビューするクラシック最終便(辻三蔵)

  • 2018年01月30日(火) 18時00分


◆将来を見据えて素質を図るには最適な東京芝1800m

 1回東京開催に行われる芝1800mの3歳新馬戦はクラシック最終便と言われている。出世街道を歩んだのは古くは2001年マンハッタンカフェ(同年の菊花賞、有馬記念勝利)、近年は2016年ビッシュ(同年のオークス3着)。そして極めつけは昨年の有馬記念で史上最多タイのJRAGI7勝を挙げたキタサンブラックだろう。

 デビューしたのは2015年1月31日。残雪まぶしい東京競馬場で新馬戦(芝1800m)を勝利。当時はフルゲート16頭に対して34頭が出馬投票したが、キタサンブラックは優先出走権なしで抽選を突破した。初日の新馬戦を勝ったことで中2週で再度東京に遠征し、500万下を連勝。中3週でスプリングSを勝ち、クラシック候補に名乗りを上げた。

 1回東京開催で芝1800mの新馬戦を使うメリットは日本ダービー、オークスを走る前に、東京競馬場を体験できること。2015年のスイートピーSを制したディープジュエリーのように、新馬戦での勝利経験がオークストライアルの好結果に結びつくケースもある。また、Dコース使用でフルゲートが16頭になり、枠順による有利不利が少ないのも魅力だ。実力が反映されるので将来を見据えて素質を図るには最適なコース形態だ。

 今年1月28日に行われた東京5R3歳新馬戦(芝1800m)では1番人気のフィエールマンが接戦を制した。出遅れ気味に発進し、スタート直後は後方15番手を追走。しかし、持ち前のセンスの良さで2番手に進出。16番枠で前に壁を作れない展開だったが、上手に折り合いがついた。

 直線では周囲の動向を見ながら追い出しのタイミングを計る余裕。一旦、最内を突いたパストゥレイユ(3着)に出し抜けを食らったが、慌てずに差し返して初勝利を飾った。2着サンライズシェルとはクビ差だったが、着差以上に強い内容だ。このレースはフルゲート16頭に対して31頭が出馬投票。フィエールマンは優先出走権なしで抽選を突破。2、3着馬は優先出走権が2個あり、仕上がりが進んでいたが、能力の違いを見せつけた。

 中間の調整で3歳オープンのマウレア(阪神ジュベナイルF3着)、ムスコローソ(クロッカスS3着)相手に互角の動きを見せた素質馬。父ディープインパクト、母リュヌドールはフランスで芝長距離GIIを2勝し、イタリアでリディアテシオ賞(GI、芝2000m)を勝った優良血統。未完の大器と呼ばれる姉ルヴォワール(3戦2勝)以上のスケールの大きさを感じる。

 勝ち時計の1分51秒3(良)は同日のセントポーリア賞(1分49秒8)と比べると平凡に映るが、キタサンブラックの勝ち時計が1分52秒3(稍重)。上がり3ハロン34秒2はキタサンブラックと同タイムなら気にする必要はない。クラシックでの活躍が期待される遅れてきた大器だ。

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