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きさらぎ賞の池江厩舎ときさらぎ賞の1戦1勝馬

  • 2018年02月01日(木) 12時00分


シルクロードSのスペシャルシートは今年も健在だった。
自分が候補にあげた、ナリタスターワン・タマモブリリアン・フミノムーン・グレイトチャーターの4頭はちゃんと11人気以下になって、その中のフミノムーンがスペシャルシートにちゃんと座った。イス取りゲームに勝ったのはフミノムーンだった。

15人気3着 単92.6倍

うむ、今年もシルクロードSは3着に「大穴」というスペシャルシートを用意してくれていた。うひょ!

うひょひょひょひょ!

だが、しかし。

あれこれ考えずに黙って買った方が結果的に吉と出る場合もあることを改めて思い知らされた。
今回はこれ以上踏み込まない方がいい!
よし、この4頭から上位人気(1〜5人気で2頭馬券圏内に来やすい)へワイドでも買おう!
と思っていたけれど、当日は馬券を絞りたくなる衝動にかられ、グレイトチャーターを選択してしまった。

グレイトチャーターも12人気で6着と頑張ったけれど、イス取りゲームには勝てなかった。

とことん絞り込むのも大事だけれど、場合によってはぶっ放すのも大事だ。でも自分はそのチョイスに敗れたのだった。

にしても、ムーン・ムーン・ムーン、アドマイヤムーンの1・2・3だなんて、あたかも今週の水曜夜の天体ショー・スーパーブルーブラッドムーンの前祝いみたいじゃないか。戌年でワンワンワンなんて吠えてる場合じゃなかった!

根岸Sは1着内田博、2着戸崎だった。
元地方騎手のワンツー。

根岸Sの用意する地方騎手のスペシャルシートに今年もちゃんと元地方騎手が座った。それも二席も。うひょ!

該当騎手は、戸崎・内田博・岩田の3人だった。その中の二人でワンツーを決めたわけだ。うむ、これも目論見通りだ。うひょひょひょひょ!

だが、しかし。

あれこれ考えずに黙って買った方が結果的に吉と出る場合もある。
今回はこれ以上踏み込まない方がいい!
よし、この3人のボックスでも買おう!
と思っていたけれど、いろんな理由で絞りたくなる衝動にかられ、岩田を選択してしまった(これは先週書いた通り)。

席が2つありそうなところまで進めたけれど、以下同文に敗れたのだった。

適度なところで適度に着席するのは難しいものよのぉ〜。
でも、このアプローチは来年も使える。今日のドランクは来年の今日返盃させていただこう。

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きさらぎ賞の池江厩舎
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池江厩舎の逸材が出走するレースだけど、今年は池江厩舎の登録がない。11年から7年連続で出走させていたから、池江厩舎の馬がいないのは8年ぶりだ。

この7年間、毎年1頭ずつ出走させて、3-1-2-1の好成績だった。池江厩舎を軸にすればだいたい当たっていた。

新馬を勝って、500万のレースを勝って、きさらぎ賞。

サトノダイヤモンド、サトノアーサーがこのパターンできさらぎ賞に出走し、サトノダイヤモンドは1着して、ダービーを2着し、サトノアーサーは2着して、ダービーを10着した。

トーセンスターダムも、ワールドエースも、オルフェーヴルもローテーションは少しずつ違ったけど、ここを使って、最終的にダービーに出走した(オルフェーヴルはダービー1着)。

馬を預けてくれた馬主のためにまずはダービーの出走権を確保する。それが有力厩舎の最低限の使命だとするなら、池江厩舎はきさらぎ賞を上手に使うことで、それを達成させていたとも言える。

きさらぎ賞は、池江厩舎のダービーへのルーティンとも言えた。
ルーティンといえば、競馬王から勝つためのルーティンをテーマにした攻略本「競馬王テクニカル・勝利の習慣」が発売になった。20人を超える競馬の達人たちの競馬に勝つための習慣(ルーティン)を一冊にまとめた本で、これを読むと、勝ってる方々がいかにルーティンを大事にしているかがわかる。

ウマい馬券でもお馴染みの南関東の伝説の予想家「ゲート・イン」の吉冨さんも本書で語っているけど、同じスタンスで競馬に向き合うことはとても大事だそうだ。勝てば勝ったで、負ければ負けたで心は高揚したり、落ち込んだりする。でも予想をし、馬券を買うのに、一番邪魔なのは心の葛藤だそうで、それを防ぐには、競馬とは関係ない型のようなものも必要だそうだ。予想をし、馬券を購入するまでをきちんと型にはめて、それを継続させることが無駄な葛藤を防ぐことになるのだとか。

今は食べてないらしいけど、有名な「イチロー選手のカレーライス」がまさに外から自分に課すルーティンだろう。毎日同じ味の同じカレーを食べることは、日々同じ所作を続け、高いレベルを持続させるのに必要な「型」だったのではないか。同じカレーを食べ、同じ所作でバッターボックスに入り、同じ所作で構えに入る。カレーとバッターボックスの間にも様々なルーティンがあったはずで、すべての所作に意味があったということだろう。けっして縁起を担ぐために食べていたわけではないだろう。

本書は、日々の生活の中で自分に課してるルーティンだけが掲載されているわけではなく、馬券アプローチに関するルーティンがたくさん掲載されている。勝てば勝ったで調子に乗り、負ければ負けたで挽回しようと焦りまくる自分には参考になることだらけだ。競馬で勝ちグセ(習慣)を身に付けたい方にはオススメな一冊だ。

とにかく、今年のきさらぎ賞には池江厩舎がいない。いないけれど、過去の池江厩舎の馬に馬券のヒントがあるかもしれない。

過去7年で池江厩舎の馬の成績は、3-1-2-1。

馬券圏外に敗れたのは1頭のみ。
5年前のリグヴェーダが1人気で8着に負けた。

リグヴェーダと馬券圏内に走った他の6頭との違いは、キャリア。
リグヴェーダは前走新馬を勝っての出走で、キャリア1戦だった。
他の馬はすべて2戦以上使われての出走だった。サトノダイヤモンドでも新馬1着・500万平場1着・きさらぎ賞だった。

新馬を勝って、2戦目で重賞を勝ち負けするのは基本的に難しい。2歳の11月くらいまでは、そういう馬ばかりだから勝ち負けするけど、12月の阪神JFや朝日杯FSくらいから難しくなる。きさらぎ賞でも前走未勝利1着で馬券になった馬はいても、前走新馬1着で馬券になった馬はこの10年ではいない。

池江厩舎もそれがわかっているからサトノダイヤモンドにも500万の平場を挟んだのではないか。

リグヴェーダが負けた原因は他にもあるかもしれないけれど、「1戦1勝馬で勝ち負けするのは厳しい」という理由だけで十分だ。なぜなら、今年は1戦1勝馬が1番人気になりそうだからだ。

予想オッズ
1人気 ダノンマジェスティ 2.3 前走新馬1着
2人気 グローリーヴェイズ 2.9 前走500万特別2着
3人気 カツジ       3.6 前走デイリー杯2着

このままなら、キャリア1戦という理由だけでダノンマジェスティを切れる。新馬戦で左に寄れながら、レース上がりより0.5秒も速い上がりで勝ったレースっぷりには有り余る才能を感じさせるし、だからこそ1人気の評価だろうけど、キャリア1戦はやっぱり気になる。

今年のメンバーはどこか頼りなく、逸材感のある馬や前走G1(朝日杯FS)を走った馬もいない。実績的にはG2のデイリー杯を2着したカツジだけど予想では3人気だ。全体的にあまり信用されている馬がいない感じだ。だからこそ、ダノンマジェスティへ期待が集まるのかもしれない。

競馬は横の比較も大事だ。過去に例がなくても、その時のメンバーがいつもより弱ければ、過去データなどあっさり吹っ飛ぶ。

だとしても、1人気は心配だ。っていうか、こういう場合は人気の押し出し・引き出し的見地から3人気に引き出された馬を買いたくなる。予想オッズどおりならカツジとなる。

でも、なんだろう? 今年は1〜3人気の馬たちをナイガシロにしようとは思わないけど、軸は別の馬から買いたくなる。

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きさらぎ賞・注目馬
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サトノフェイバー

人気のある1戦1勝馬のデルタバローズをナイガシロにして、人気のない1戦1勝馬のイェッツトに注目した京成杯と同じ理屈だ。
基本的には前走新馬組は厳しいけれど、人気がないなら今年に限っては通用する馬もいるのではないか?

デルタバローズは3人気で13着に負けて、イェッツトは6人気で3着した。

強い馬は朝日杯FSとホープフルSに出走したからか、年明けの重賞が手薄になってるように見えた。実際、1月の3歳重賞には1戦1勝馬が馬券に絡んでいた。

フェアリーS  7人気3着 レッドベルローズ
シンザン記念 7人気2着 ツヅミモン
京成杯    6人気3着 イェッツト

きさらぎ賞にも1戦1勝馬は4頭登録している。
ダノンマジェスティ 1人気(予想)
レッドレオン    4人気
サトノフェイバー  5人気
ニホンピロタイド  8人気

ダノンマジェスティは1人気になりそうだからサゲ。
レッドレオンは1戦1勝馬を重賞で活躍させやすい角居厩舎の馬だから気になるけど、前走騎乗したMデムーロが騎乗しないのがちょっと嫌。角居厩舎は勝ち負けの自信があるときはMデムーロを確保すると思うからだ。だからサゲ。
ニホンピロタイドの新馬戦は自分には平凡に見えた。

残るのはサトノフェイバー。
前走は2000を逃げ切ったけど、まだ余裕があるように感じられた。
それだって未知だから、ダノンマジェスティと変わらない。でも5人気ならその未知に賭けられる。

ちょい人気薄の逃げや番手追走の馬が好走する過去歴もある。今回も逃げるかはわからないけど、先行はしそうだ。

というわけで、今年のきさらぎ賞は、池江厩舎の馬はいないけれど、池江厩舎っぽいサトノの馬に期待することにした。

「池江厩舎と思いきや、南井厩舎のサトノでした〜!」とは実況されないだろうから、勝った場合は自分が心のなかで叫ぶことにする。

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東京新聞杯・注目馬
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ダイワキャグニー
リスグラシュー

ディープインパクト産駒が6頭、4歳勢が5頭、アドマイヤムーン産駒が2頭登録。
自分は4歳勢に期待してみた。1人気じゃなければ、前記の2頭を買ってみたい。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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