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今年いまだ未勝利…苦しい心境を吐露「900勝なんて言ってられへん」

  • 2018年02月06日(火) 18時01分
小牧太

今週は小牧騎手らしい、ストレートな「太論」を展開!


今年は初勝利が遠い小牧騎手ではありますが、人気以上の激走も多々で、一戦入魂の気迫が感じられる今日この頃。今回は、これまで騎乗した馬についての小牧騎手ならでは見解や、この時期必見の「冬毛問題」、さらに“1勝”になかなか手が届かない現在の心境まで、小牧騎手らしいストレートな「太論」を展開します!
(取材・文/不破由妃子)



900勝まであと24勝……できるのかな(苦笑)


──今回は、これまで小牧さんが騎乗経験のある馬についての質問から。まずは、ワンダーアビルマンですが、「現級勝ちがあるように、500万では力が上だと思っているのですが、ここ数戦は結果が出ていません。小牧騎手は12月16日に騎乗されていますが(阪神8R・ダ1800m・12着)、改めてそのときの敗因を教えてください。やはりケガの影響が残っていると思われますか?」という質問です。

小牧 ケガの影響がどの程度あるのかはわからんけど…。たしかに12月に乗ったときは伸びんかったなぁ。ジックリ乗ったんやけど、最後ひと脚も使ってくれへんかったから。

──春から秋にかけて、骨折で半年くらい休んでいたんですよね。

小牧 うん。やっぱりいきなりは難しいのかもしれないね。スポーツ選手だって、長いあいだケガで休んでいたら、本調子に戻るまで時間が掛かるでしょう。だから、この馬に限らず、休んだことが影響しているのであれば、勝ち負けの前にまずは入着せんことには。

──500万勝ちは小牧さんの手綱でしたものね。やっぱりその頃とは違いますか?

小牧 あの頃は確実に脚を使っていたし、なんせそのあと1000万でも掲示板に載った馬やからね(2017年5月21日・京都12R・4歳上1000万下5着)。本来は500万はもちろん、1000万でもやれる力があると思うんやけど。

──続いては、モンサンフィエールについて。「12月の未勝利戦(2着)に騎乗されたとき、『ダートで一変しそうな雰囲気を感じていた』とコメントされていましたが、それはどういったところから感じ取ったのでしょうか?」という質問です(ここ2戦は北村友騎手騎乗で、2着→1着)。

小牧 それはね、芝がもうひとつやったから。それ以前に、この馬ね、調教でものすごく動くんですわ。これはいいなと思っていたら、芝では本来の動きを発揮できん感じで。でも、絶対に走る能力はあるから、ダートにいけば違うはずと思ってね。期待通りでしたわ。でも、この前の中京(1月21日)は乗れなくて…。気持ち的には、この馬1頭でも中京に行きたいくらいやったんやけど、こっち(京都)にも楽しみな馬がいたからねぇ。まぁこればかりは仕方がないです。

──続いては、“冬の牝馬”についての質問です。「冬場の牝馬は毛ヅヤもあまりよく見受けられないし、冬毛を刈っている馬もいたりして、どう判断したらいいのでしょうか?」。

小牧 牝馬は冬毛が出やすいからねぇ。ようわからんけど、新陳代謝の問題なのかな。冬毛が伸びているということは、自分の体を守ろうとしているわけやから、やっぱり体調が万全ではないんだと思う。そこは人間と一緒ですわ。人間も体調が悪いと肌が荒れたりするでしょ? 馬も一緒で、体調の良し悪しは毛ヅヤに現れるからね。

──“刈っている”ということは、冬毛が出ているということですよね?

小牧 そうだろうね。だから、この時期はそのあたりも気にして見ておいたほうがいいかもしれないね。

──さて、今年は初勝利までが遠くて…。

小牧 勝てんねぇ。ひとつ勝つことの難しさをヒシヒシと感じてますわ。まずはひとつ勝たんことには、900勝なんて言ってられへん。

──900勝まで、あと24勝ですからね。

小牧 できるのかな(苦笑)。節目の勝利のときは、だいたい記念品を作るんやけど、たぶん900勝の記念品ももう準備に入っていて…。できんかったら、どうすんのやろ(笑)。

──小牧さんがおっしゃるように、まずは1勝ですね。

小牧 うん。あとは制裁がないように、真っ直ぐ乗ること。今年は無制裁でいきたいわ。とはいえ、そこばかりに意識が向いてしまうと馬が動かんような感じになるから、適度に必死にならなアカンのやけどね。まぁ、そのバランスを上手いこと取りつつね、泥臭く乗っていきますわ。

小牧太

適度に必死に、泥臭く乗っていきますわ

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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