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“大賞典ハンター”ヒットザターゲット いよいよラストラン

  • 2018年02月13日(火) 18時02分
小牧太

ヒットザターゲットのラストランに向けた思いを語ってくれました


今週末は、いよいよヒットザターゲットの引退レースとなる小倉大賞典です。2015年の目黒記念をテン乗りで制し、以来、前走の日経新春杯までコンビを組むこと10戦。枠順に一喜一憂しながらも、常にそのときできる精一杯の騎乗を見せてくれた小牧騎手。今回は、ヒットザターゲットとの思い出を振り返りつつ、ラストランに向けた思いを語ってくれました。
(取材・文/不破由妃子)



内枠が当たることを祈るだけ!


──今週はついにヒットザターゲットのラストランですね。

小牧 そうやねぇ。なんか今回が重賞連続出走40回目とかで、また記録を更新するんでしょ? すごいよね。大したもんや。

──ホントですよね。ここまで大きなケガもなく、10歳まで元気に走り続けるなんて、馬はもちろん、厩舎のみなさんにも頭が下がる思いです。さて、ラストランということで、ヒットザターゲットにまつわるメッセージや質問がたくさん届いています。なかでも一番多かったのが、「一番印象に残っているレースは?」という質問です。

小牧 勝った目黒記念(2015年)も、何もかもが思い通りにいったレースやったけど、それ以上に札幌記念(2着)が印象に残ってるなぁ。最後、すごい脚を使って2着(アタマ差)やったけど、完全に脚が余ってたもんね。今思い出しても、あれはホンマに惜しかった。札幌に1頭だけ乗りにいったのもあって、あのレースが一番印象に残ってるかな。

小牧太

小牧騎手が「一番印象に残ってる」と語る札幌記念(撮影:高橋正和)


──続いては、「ヒットザターゲットといえば、新潟大賞典、小倉大賞典、京都大賞典を勝った“大賞典ハンター”。最後の大賞典をぜひ勝利で締めくくってほしいです。小牧さんの意気込みを聞かせてください」というリクエストです。

小牧 なるほど、大賞典ハンターか(笑)。僕が乗った“大賞典”は京都大賞典だけやけど、着順はともかく、去年も一昨年もたしかにいい走りやったわ(一昨年がコンマ4秒差5着、昨年がコンマ6秒差7着)。でも、勝った“大賞典”は、どれも枠順がよかったはずやで。

小牧太

13年の小倉大賞典も3枠5番という好枠で制した(c)netkeiba.com


──新潟大賞典が1枠1番、小倉大賞典が3枠5番、京都大賞典が2枠2番…、たしかに(笑)。

小牧 そやろ? 目黒記念も1枠1番やし、さっき話した札幌記念も3枠5番。とにかく、走るときは必ず3枠までに入ったときや。そういえばこの馬、京都大賞典では北村友一が乗って、ゴールドシップ(5着)を負かしたんやったね。

──そうです。11番人気での勝利で、圧倒的1番人気のゴールドシップが飛んだこともあって、3連単は360万を超えましたからね。

小牧 たしか直線だけ外に持ち出して、外から飛んできて。僕も乗っていたから(4着アドマイヤラクティ)よう覚えてるわ。意気込みといってもなぁ、いつもと同じで枠順次第やから。なんとかスムーズに内を取れるところに入りたいね。外からでも内は取れるけど、必然的に後ろからになってしまうから。小回りだとそうもいかんでしょ。

──下手したら最後方まで下げなければいけなくなりますもんね。

小牧 うん。理想としては、内枠に入って、できるだけ前目の内を取りたいけどね。そうすれば、あとはどういう競馬をするのがベストか、この馬に関してはわかっているつもりやから。この前(日経新春杯)は完全な前残りの競馬になってしまったけど、そんななかでもあれだけ走れているからね。ホンマにまだやれると思う。

小牧太

理想としては、内枠に入って、できるだけ前目の内を取りたい


──続いての質問は、「ヒットザターゲットをずっと応援してきました。小牧騎手は調教では一度も騎乗されていませんが、最後も乗らないのですか?」

小牧 うん、最後までいつも通りで。結局、調教には一度も乗らんかったね。前にも話したことがあるけど、あの馬、調教ではちょっと難しいところを見せるらしいんですわ。でも、僕が知る限り、パドック、返し馬、レースと何の心配もない馬やから、あえて難しい面を知る必要はないと思ってね。

──そうですね。そういうイメージが残ってしまいますものね。さて、いよいよラストランとなるわけですが、最後にドラマが起きたら最高ですね。

小牧 ホンマやねぇ。でも、ここで勝ったら、引退撤回になったりして(笑)。まぁ、引退レースで勝つっていうのはなかなかないことやけど、まずはとにかく内枠が当たることを祈るだけ。この馬の力を全部引き出せるよう、悔いのないレースをしたいね。

小牧太

ここで勝ったら、引退撤回になったりして(笑)

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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