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二強の評価は明暗ハッキリ!/フェブラリーS

  • 2018年02月14日(水) 18時00分

■フェブラリーS(G1・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録24頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 フェブラリーSは、簡潔にいえば「デカい人気馬」が強いレース。ダートの頂上決戦らしく、雄大な馬格を誇るパワフルな馬でなければ勝てない。掲載したのは前走馬体重別での成績で、500キロ以上の大型馬が強いのは一目瞭然だ。ちなみに、前走の川崎記念が出走取消であるため、このデータには含めていない2008年のヴァーミリアンも、500キロをゆうに超える大型馬である。

 人気サイドが強いのも、データをご覧の通り。「3番人気以内に推された前走500キロ以上馬」に限定すると、トータル[6-3-5-8]で連対率40.9%、複勝率63.6%、複勝回収値113という素晴らしい成績となる。2014年の1着馬コパノリッキーのように人気薄でも来るが、効率を考えると、ひとケタ人気に的を絞ったほうがいいはずだ。

 以上のデータから大幅なプラス評価となるのが、ゴールドドリーム、サンライズノヴァ、ケイティブレイブあたり。逆にアタマでは買いづらいのが、前走馬体重が500キロ未満であるテイエムジンソク、ノンコノユメ、サウンドトゥルー、レッツゴードンキなどである。今回のテイエムジンソクは、2〜3着で狙ったほうがベターだろう。

【コース総論】東京ダ1600m

・コースの要所!

★1着馬の64.6%が3番人気以内で89.8%が6番人気以内。人気サイドが強い。
★基本的に内枠不利&外枠有利のコース。「真ん中よりも外」を狙いたい。
★直線が長く差し〜追い込みも決まるが、狙って儲かるのは先行勢のほう。





 ダートG1の開催コースでありながら、スタート直後に200m近くも芝を走ることになる東京ダ1600m。「芝がド下手」というタイプにとって鬼門となる、やや特殊なコースといえる。また、序盤〜中盤のラップが緩みがちで、最後の直線で瞬発力を問われる流れになりやすいのも特徴。砂質が軽く、速い時計が出やすい点も押さえておきたい。

 まずは人気別成績だが、1番人気は連対率55.6%、複勝率66.8%と高信頼度。回収率ベースの数値も高く、かなり優秀な内容といえる。全体的に人気サイドが強いコースであるのは間違いなく、16頭立てのレースにおいても、なんと1着馬の89.8%までが6番人気以内。人気薄をアタマで狙う馬券は、ここではかなり買いづらい。

 次に枠番だが、スタート直後の芝を長く走れる外枠のほうが有利。内枠である馬番1〜4番は勝率、連対率、複勝率のいずれもワーストで、回収率や枠番値もイマイチという冴えない内容である。対照的に好調なのが「真ん中より外」である馬番9〜12番や13〜16番で、信頼度の高さはもちろんのこと、回収率や枠番値も優秀。コース形態が理由で「外>内」となっているのは間違いない。

 最後に脚質面。最後の直線が長く差し〜追い込みも決まるが、狙ってオイシイのはやはり先行勢だ。もっと差せているイメージだったが、勝率、連対率、複勝率のいずれも先行勢のほうが格段に高く、単勝適正回収値や複勝回収値でも大差が出ている。「東京=差せる」というイメージだと、手痛いしっぺ返しを食らうかもしれない。

【レース総論】フェブラリーS(G1) 過去10年

・レースの要所!

★10番人気以下馬は[1-0-0-68]と大不振。人気馬を素直に信頼すべきレース。
★内枠での好走馬も多いが、内容がいいのはやはり外枠である馬番13〜16番。
★コースデータよりもさらに先行勢優勢。4コーナーを5番手以内で回りたい。
★5歳以下馬や前走G1組が強いレース。根岸S組など距離延長組の過信は禁物。








 レースの平均配当は、単勝3435円、馬連1万1846円、3連複1万997円。これだけ見ると波乱傾向の強いレースだが、実際は3番人気以内[7-4-7-12]と人気サイドが圧倒的に強く、ふたケタ人気の大穴はトータル[1-0-0-68]と大不振。2014年に16番人気で1着に激走したコパノリッキーだけが「例外」で、コースデータ通りに順当決着傾向が強い。

 枠番データは、通常のものと「9番人気以内馬」に限定したものの2種類を用意した。どちらでも目立っているのが馬番5〜8番の不振で、回収率ベースの数値や枠番値の低さからも、ここに入った馬は大幅マイナスである。内枠である馬番1〜4番は意外なほど好成績だが、勝った4頭はいずれも3番人気以内で、連対例もすべて5番人気以内。つまり、能力で勝ち負けに持ち込んだものだ。9番人気以内に限定したデータでは、枠番値はマイナス2.7とワースト。人気馬しか買えないといっても過言ではない。

 逆に、文句なしに「買い」なのが外枠である馬番13〜16番で、信頼度の高さ、回収率ベースの数値、枠番値など、すべての指標が超優秀。順当決着傾向が強いこのレースにおいて、人気薄での一発が期待できるとすれば、やはり外枠だろう。内枠の好走率が高いというレースデータに惑わされることなく、コースデータ重視で「外枠有利&内枠不利」と捉えるべきだ。

 脚質面は、コースデータ以上に先行勢が優勢。芝ではクラスが上がるにつれて差しが決まりやすくなるが、速いペースで先行してもバテない超一流が揃うここでは、逆に差せなくなるようである。最速上がり馬が2勝しかしておらず、単勝適正回収値が100を割り込んでいるのも、先行勢優勢を裏付けるデータ。昨年カフジテイクが34秒台の上がりを繰り出したが、それでも3着だったのを忘れてはならない。

 年齢別では5歳以下馬が優勢で、6歳馬はマズマズ。7歳以上になると信頼度がガクンと落ちる──という構図にある。そして前走レース別では、出走数がもっとも多い根岸S組など、距離延長組の不振が目立っている。根岸Sで4着以下に敗れているようでは、ここでの好走は期待薄だ。前走がJRAならばチャンピオンズCか東海Sが望ましく、地方ならば川崎記念組と東京大賞典組がプラス評価の対象となる。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 先週の日曜日は雨と凍結防止剤の影響で前残り連発。今週も要警戒。

・天候予測
 土日ともに好天となる見通しだが冷え込みはかなり厳しい。

・注目血統
 アドマイヤオーラ産駒◎、トワイニング産駒○

 降雨と凍結防止剤の影響か、先週の日曜日は前が残りまくっていた東京のダート。月曜日になって差せるようになったが、トータルでは相変わらず、前が残りやすいバイアスにあると思われる。ダート戦なので芝ほど馬場を気にする必要はないが、今週末も冷え込みはかなり厳しく、凍結防止剤の影響が出る可能性もありそう。日曜日の午前中に、このあたりはしっかりチェックしたい。

 血統面は、アドマイヤオーラ産駒とトワイニング産駒をプラス評価。勝利数トップのゴールドアリュール産駒や複勝率の高いキングカメハメハ産駒も悪くない内容だが、ここを含めるとプラス評価の対象が一気に増えてしまうので、あえて据え置いた。プラス評価の馬もマイナス評価の馬も少ないので、おそらく今年は、血統というファクター自体を軽視して問題ないと思われる。

★出走登録馬・総論×各論

 昨年、中央ダートG1を完全制覇しているゴールドドリーム。そして、昨年のチャンピオンズCでは2着に惜敗するも、東海Sでその強さを改めて証明してみせたテイエムジンソク。この2頭が今年の両看板で、それに続くのが川崎記念を快勝したケイティブレイブや、根岸Sでの好走組であるノンコノユメ、サンライズノヴァあたりだろう。

 しかし、テイエムジンソクの扱いについては警鐘を鳴らしたい。その強さはここでも間違いなくトップクラスだが、プラス評価となった項目は非常に少なく、東京のダートも今回が初出走。東京ダ1600mのやや特殊なコース形態を考えると、人気になればなるほど不安が増す。「真ん中よりも内」の枠番に入った場合には、大コケもなくはない──というのが現時点での見立てである。

 トップ評価は、昨年の覇者であるゴールドドリーム。スタートで後手を踏むケースが目立つ馬だけに、直線の長いコースは大歓迎だ。引き続きムーア騎手が騎乗するのも大きなプラスで、前走馬体重538キロと馬格も文句なし。チャンピオンズCから直行というローテも昨年同様で、よほどの太め残りでもないかぎり、大崩れは考えづらい。

 僅差の二番手評価にケイティブレイブ。前走の川崎記念は展開に恵まれた面もあるが、危なげなく逃げ切ったのは好印象だ。ハナを主張しそうなのはテイエムジンソクくらいで、おそらく逃げ〜先行馬のほうが展開は楽。好枠番を引いてうまく立ち回れば、ゴールドドリームを逆転できる可能性も十分にあるはずだ。

 三番手評価に「外枠を引いた場合の」アウォーディー。意外にも、東京のダート戦は今回が初出走だ。芝でも結果を残している馬なので、外枠から好スタートを決めて芝の部分でスピードに乗れれば、大きな変わり身があって不思議ではないはず。久々にこの馬「らしい」走りが期待できるとすれば、このパターンだろう。

 以下はサンライズノヴァ、テイエムジンソク、インカンテーション、ベストウォーリア、ノンコノユメという評価の序列。あとは枠番次第&当日の人気次第だが、この序列が大きく入れ替わることはないだろう。人気のテイエムジンソクを「1着では買わない」をテーマに、どのような買い目が儲かるかをギリギリまで考えたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧



東京11レース 共同通信杯(G3)
1着 06オウケンムーン
2着 01サトノソルタス
3着 04エイムアンドエンド

エイムアンドエンドの複勝が正解か(#^ω^)ビキビキ

エイムアンドエンドの競馬をカフジバンガードに期待したんですが、スタートで少し後手を踏んで、後方からの競馬になっちゃいましたからねー(歯ぎしり)。それでも、上位から僅差の5着まで追い上げたように、やはり力はある。レースの見立て自体は合っていたと思うので、来週以降もこの調子をキープしたいところです。

※コース&血統データは2014年2月1日〜2018年2月4日、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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