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一時帰国の2日間でキャリア最高の4勝 海外修行での成長を強烈アピール

  • 2018年02月22日(木) 18時01分


矢作師からの指令「今週はうちだけで3勝はしろよ!」


 こんにちは。坂井瑠星です。

 今回のコラムは前回の続きで、一時帰国した週を中心に振り返っていきたいと思います。

 その週は、かなり前から矢作先生とエージェントと相談し、中京で乗ると決めていたので、「全レース乗って大暴れしてやる!」くらいの気持ちで臨みましたが、土曜日11頭、日曜日5頭の騎乗となりました。

 それでも土曜日は中京で騎乗していた騎手のなかで一番数が多かったですし、所属の矢作厩舎以外の馬にも数多く乗せていただき、関係者の方には感謝しています。

 出馬表が出た木曜日の夜は、矢作厩舎の新年会へ。いつもお世話になっている厩舎スタッフの方と楽しい時間を過ごすことができました。

 そのときに矢作先生に言われた言葉が──「今週はうち(矢作厩舎)だけで3勝はしろよ!」。迷わず「はい! わかりました。頑張ります!」と答えましたが、僕にとって土日で3勝というと、キャリアタイの数字。後から考えてみればかなり高いハードルでした。

 帰り際には、「俺がいるとプレッシャーになるから、土日は中京には行かないから」と先生。「そんなことないですよ!」とは言いましたが、実は少しだけいつもより気が楽でした(笑)。

 そんななかで迎えた土曜日の中京でしたが、1レースの前から多くの関係者の方に声を掛けていただきました。

「オーストラリアはどうだ?」

「日本は寒いだろう?」

「俺も昔、オーストラリアに行っていたんだよ!」

 などなど、普段はあまり話す機会がないような方とも交流を持つことができました。栗東トレセンでの調教の際にも感じていましたが、自分が思っている以上に周りの方たちは僕のことを見ていて、オーストラリアに行って一体何が変わったのか、その変化が注目されているのだなと思いました。

 晴天のなか迎えた第1レースは9番人気で4着。まずまずの結果でしたが、乗った感触がよかったので、自信を持って次に臨みました。

 第2レースは、矢作厩舎のマイウェイアムールに騎乗。指示は逃げだったので、1枠1番という絶好の枠を引いた時点で楽しみにしていました。若干躓き気味のスタートでしたが、指示通り逃げの手に出て断然人気の馬を競り落として勝つことができました。

挑戦者

▲1勝目 1月27日中京2Rをマイウェイアムールで逃げ切り勝ち (C)JRAフォトサービス


 いつもは勝ったときにホッとする気持ちが大きいのですが、このときは、まずは1勝してアピールできたこと、そしていつもお世話になっている田畑オーナーの馬で勝つことができ、純粋にうれしかったです。

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1997年5月31日、東京都生まれ。父・坂井英光は大井競馬所属の調教師、叔父も元騎手の坂井薫人という競馬一家。同期には荻野極、木幡巧也、藤田菜七子ら。2016年に栗東・矢作芳人厩舎でデビュー。2019年、ノーワンでフィリーズレビューを勝利し重賞初制覇。2020年には、ダノンファラオでジャパンダートダービーに勝利し交流GI初制覇を飾った。日本だけの騎乗でなくオーストラリア、ドバイなど多くの海外遠征にも挑戦している。

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