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中山記念、次の目標に一番近いのはどの馬か

  • 2018年02月24日(土) 12時00分


◆ドバイ、香港さらには豪州の遠征まで視野に入れて出走

 中山記念は少し前まで谷間の重賞だった。リピーターが多く、ローエングリン、バランスオブゲーム、カンパニー、勝てずとも2着、3着があるシルポート、ロゴタイプなど、この舞台を得意とする馬たちのGIIだった。

 それが今は、ドバイ遠征への叩き台として、また、香港さらには豪州の国際競走まで視野に入れて出走してくるものが多くなってきた。さらには大阪杯がGIに昇格した昨年からは、そこを目標にするトップホースが始動するレースにもなっている。ヴィクトワールピサ、ジャスタウェイ、ドゥラメンテはドバイへ、昨年の勝ち馬ネオリアリズムは次走で香港のクイーンエリザベスII世Cを勝ち、5着ヴィブロスがドバイターフで世界の強豪を下しと、中山記念からこの先を見据えるのが楽しみなGIIに変貌している。

 今年の顔ぶれの中にも、結果次第では海外遠征をと構えているものもいれば、大阪杯、牝馬ならヴィクトリアマイルを念頭に出走してくるものもいる。

 そこで、次の目標にどの馬が一番近いかを判定するのだが、マイルから中距離路線上のトップホースとして分かりやすいのがペルシアンナイトだ。中山内回りなら皐月賞2着の実績があり、GIマイルCSを勝っている。加えて、手綱を取るM・デムーロ騎手は目下中山記念を連勝中なのだ。ひとハロンずつ距離をのばして大阪杯へと、着々とステップを踏んでいる。

 デムーロ騎手は2年前ドゥラメンテで勝ったときは、「ゲートはうるさかったが、いいポジションが取れた。少し短いと思ったがいい手応えで走れた」と語り、昨年のネオリアリズムのときは、「スタートが決まっていいポジションが取れ、いい感じで走れた」と、いずれも位置取りがよかったことを勝因に上げていた。3歳でマイル王になった切れ味を、4歳の初戦でさらに進化させてみせるだろう。

 同じ4歳でも牝馬のアエロリットもNHKマイルCを勝った実力馬。久々を苦にしない強味がある。ドバイターフ連覇を狙うヴィブロスは、体も精神面でも成長しており、古馬のオープン馬と初めて対戦した昨年とは違う。このGI馬3頭に対し、年明けに勝って勢いのあるマイネルハニーは展開面からも妙味があり、この舞台が合うサクラアンプルールとともに押えに入れておきたい。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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