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意外と紛れる、少なめ頭数トライアル

  • 2018年02月27日(火) 12時00分


◆チューリップ賞は好配当を追求することもできそう

 今週の弥生賞はフルゲート18頭に登録11頭、チューリップ賞はフルゲート18頭に対して登録12頭となった。弥生賞のほうは未出走馬あり、前走ダート3頭ありで計11頭だから、いかに上位人気馬が恐れられており、普通の芝勝ちあがり馬がここを避けているかが分かる。阪神JFの1〜3着馬が揃ったチューリップ賞もある意味同様であろう。

 3歳春GIのトライアルレースが12頭立て以下になったことは過去にどれだけあるか。過去20年ということで1998年以降を対象とし、着順による優先出走権が付与されるレースのみを対象とすると、全部で20レースある。内訳は弥生賞12、スプリングS4、チューリップ賞2、青葉賞とニュージーランドトロフィーが各1である。

 これらがすべて「上位陣の強さ」によって少なめの頭数になったわけではないが、ともあれ少なかったことは少なかったレースである。

 では、これらのレースにおいて上位人気馬は強かったのだろうか?

 1番人気馬の成績は[11-2-1-6]。勝率55.0%はさすがだが、回収率は単98%・複81%でプラスラインまでは及ばない。

 それ以上に気になるのが、上位人気馬の上位着独占が意外と少ないことだ。1〜3番人気で1〜3着を占めたのは16年弥生賞(2,1,3番人気)と05年弥生賞(1,2,3番人気)だけ。4番人気以内での上位独占を探しても01年弥生賞(1,2,4番人気)が加わるだけだ。ちなみにチューリップ賞の12頭立て以下は1,2,6番人気と1,7,2番人気で決まっている。

 こうしてみると、頭数が少なめだから紛れない、というわけでもなさそうだ。弥生賞のほうは前述したような堅い決着もあるのでそれほどひねりにはいけないが、チューリップ賞のほうは4〜7番人気馬をうまく2〜3着に織り込んだ3連単で好配当を追求することもできそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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