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3強決着(3強対決じゃないよ)だとダービーが透過できる?

  • 2018年03月01日(木) 12時00分


今年の弥生賞は3戦3勝馬2頭による2強対決と取る向きと、2戦以上で無敗の3頭による3強対決と取る向きと、無敗ではないけれど戦績的に強そうな馬を加えた4頭による4強対決と取る向きがある。

ダノンプレミアム 3戦3勝 
ワグネリアン   3戦3勝 
―2強派ライン?----
オブセッション  2戦2勝 
―3強派ライン?----
ジャンダルム   3戦2勝
―4強派ライン?----

では、本当のところ何強が正しいのか?

わかりません!!

2強かもしれないし、3強かもしれないし、結果的には1強かもしれない。

でも今年の弥生賞が3強決着(対決じゃないよ)だったら、ある仮説が立てられてしまう。馬券的には思うことあるけれど、まずは3強決着だったらどんな未来が見えてくるか妄察してみる。

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弥生賞の3強決着から透けてくるもの
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今年は2戦以上出走して無敗の馬が3頭出走する。

ダノンプレミアム 3戦3勝 予想1人気
ワグネリアン   3戦3勝 予想2人気
オブセッション  2戦2勝 予想3人気

予想ではあるけど、無敗の馬がちゃんと上位人気を占めている。
こうなると注目はこの3頭の着順だ。

以下は、1・2・3人気の3頭で上位独占した3強決着の弥生賞(過去30年)とその後のダービーの成績。1・2・3人気が上位独占するレースで1着することがとてつもなく意義深いことがわかる。

16年
1着マカヒキ      2人気 単2.6 ダービー1着 
2着リオンディーズ   1人気 単1.9 ダービー5着
3着エアスピネル    3人気 単4.2 ダービー4着

3連単 830円
1着したマカヒキがダービーを勝った。
(皐月賞で好走する馬もいるけれど、主旨をわかりやすくするためにダービーだけ抽出)

05年
1着ディープインパクト 1人気 単1.2 ダービー1着 
2着アドマイヤジャパン 3人気 単12.3 ダービー10着
3着マイネルレコルト  2人気 単5.3 ダービー5着

3連単 810円
1着したディープインパクトがダービーを勝った。

98年
1着スペシャルウィーク 2人気 単2.8 ダービー1着 
2着セイウンスカイ   3人気 単4.4 ダービー4着
3着キングヘイロー   1人気 単2.1 ダービー14着

1着したスペシャルウィークがダービーを勝った。

96年
1着ダンスインザダーク 2人気 単2.1 ダービー2着
2着ツクバシンフォニー 3人気 単11.8 未出走
3着イシノサンデー   1人気 単1.9 ダービー6着

1着したダンスインザダークがダービーを勝つすんでのところで、フサイチコンコルドに1着をさらわれた。

88年
1着サクラチヨノオー  2人気 単5.5 ダービー1着 
2着トウショウマリオ  3人気 単6.0 未出走
3着サッカーボーイ   1人気 単1.6 ダービー15着

1着したサクラチヨノオーがダービーを勝った。

ダンスインザダークの2着はあったけれど、1着した馬はみんなダービーを勝っていると言いたくなる成績だ。3強決着を制さないとダービーを勝てないわけではないけれど、弥生賞の3強決着を制することがダービーに最接近できることはわかる。

弥生賞で、1〜3人気の馬が1〜3着を占めるということは、評価と実力が一致して、紛れのない力通りの対決だったと言えるのかもしれない。

というわけで、こんな仮説が成り立つ。

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弥生賞が3強決着だと、そこで1着した馬はダービーに限りなく近づける。
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ワ〜〜〜〜〜〜!!!!!!

という観点で、もう一度上位人気馬を見つめてみる。

ダノンプレミアム 3戦3勝 予想1人気
ワグネリアン   3戦3勝 予想2人気
オブセッション  2戦2勝 予想3人気
ジャンダルム   3戦2勝2着1回 予想4人気

ジャンダルムも入れてみた。
要は、1〜3人気の馬が1〜3着を占めればいいわけで、ジャンダルムが評価をあげて、3人気以内に入って、3着以内に入ればそれはそれでいいからだ。正直、日本では1800までしか勝ち鞍のない父Kitten's Joyと自身も産駒もスプリンターが多い母ビリーヴの産駒が弥生賞を勝つイメージはしにくいけど、弥生賞で3着以内に入る可能性はある。

仮に3強決着するとしたら、では、どの馬が1着するのか?

わかりません!
単2倍台の2人気が強そうなことはわかるけど、それ以上のことは自分にはわかりません!
わかっていたら2強とか3強とか言わない。1強だとドヤってるはず。

ではどんな馬券の買い方をすればいいのか?

3連単発売以後の決着では、3連単830円、810円だった。

3連単の3頭ボックスは6点だから、均等買いでもプラスにはなる。なるけれど、6点買って、800円くらいだとほぼトリガミみたいなもんだ。ならば、1着する馬を決めて、3連単を買った方が良い。それができれば2点ですむ。

結局1着する馬を探すのが大事ということになってしまう…。

1着といえば、『単勝すごいぜ!』(http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=133779)という本が発売になった。単勝力を向上させると、それは単勝馬券だけでなく、馬単・3連単・WIN5にまで伝播して、何もかも良い方に転がるはずで、本書はそれを追求したものと自分は解釈した。

思えば去年のエリ女でモズカッチャンから馬券を組み立てたのに当たりはスルリと抜けて、気絶したっけ。
奈落の底に落下中、何度も「単勝を買っておけばよかった」と痛感してたっけ。

それ以来、できるだけ単勝を買うようにしてるので単勝の重要度はわかっているつもりだ。でも「すごいぜ!」と実感するまでは堪能させてもらえてない。どちらかといえば、単勝に救われてる感じだ。

それに比べて本書に登場する講師陣(亀谷敬正・双馬毅・古澤秀和・山崎エリカ)はみんな単勝の凄みを実感していて、実に羨ましい。語る言葉にも厚みがある。

亀ちゃんのように単勝的考えから3連単を買って、爆発的に儲けたいし、双馬君のように単勝10万円買って、単勝の破壊力を堪能したいし、古澤君のようにパドックで単勝万馬券の馬を1年で3、4回抽出してみたいし、山崎さんのように騎手投資で回収率130%を達成させてみたい。よし、自分も単勝力を磨いて単勝のすごさを体感させるぞ!

話を戻す。
弥生賞だ。

よくよく考えたら、3強で決着するかはまだわからない。仮に3強で決着したら、1着した馬がダービーに最接近できるという話だ。それに自分の解釈が正しければ、『単勝すごいぜ!』的にも弥生賞は全力で単勝を仕留めに行くレースではないと読み取れる。そう、プロはレースを選ぶのだ。

ならばこれ以上踏み込んでも意味はない。3強決着になったら、その時に来たるべくダービーのことを妄察することにしよう。っていうか、勝手に透けて見えて来るはずだ。

ちなみに4強による4強決着も過去にあった。前記したマカヒキの勝った年とサクラチヨノオーが勝った年が4強決着で、そこに00年が新たに加わった。

00年に1着したフサイチゼノンはダービー未出走で、2着のエアシャカールはダービーでハナ差2着だった(1着はアグネスフライト)。4強決着でも検討する価値はありそうだ。

16年
1着マカヒキ 2人気 単2.6 ダービー1着
2着リオンディーズ 1人気 単1.9 ダービー5着
3着エアスピネル 3人気 単4.2 ダービー4着
4着タイセイサミット 4人気 単20.8

00年
1着フサイチゼノン 1人気 単3.3 出走なし
2着エアシャカール 4人気 単7.3 ダービー2着
3着ラガーレグルス 2人気 単3.5
4着ジョウテンブレーヴ 3人気 単6.9 ダービー6着

88年
1着サクラチヨノオー 2人気 単5.5 ダービー1着
2着トウショウマリオ 3人気 単6.0
3着サッカーボーイ 1人気 単1.6 ダービー15着
4着モガミファニー 4人気 単8.9 ダービー17着

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弥生賞・注目馬
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サンリヴァル
トラストケンシン

サンリヴァルに食い込む余地はないか?
前走のホープフルSは前半35.8の速いペースを35.9で追走した。しかも2角に入るくらいまで3頭で先行争いをしていた。時計だけなく精神的にもキツいペースだった(ように見えた)。

実際、先行を争った2頭は競走中止と14着だった。しかも、サンリヴァルは4角を回ってすぐに仕掛けていた。あのペースで行って、さらに出し抜こうと早めに仕掛けていた。それで4着ならば、まだわからない。

今回はホープフルSの時のような先手争いにはならないのではないか? サンリヴァルには逃げて欲しいけれど、仮に玉砕覚悟の馬やペースメーカー的な馬が出現したら、今回は喧嘩をせず2、3番手の競馬をする気がする。みんな本番を見据えての折り合い重視の競馬をするはず。ダノンプレミアムが3、4番手にいてくれたら、その後方も落ち着くはず。少なくとも3角までは落ち着くはず。

で、ダノンプレミアムが4角を回るまで仕掛けずにすむ競馬になったら、前に行く馬に3着以内(皐月賞の権利)の視界が開けるのではないか。それをサンリヴァルに期待したくなる。

でも逆パターンもあり得る。
3着以内、できれば2着以内に入って賞金を上乗せしたいオブセッションが3角くらいから動いたら、ダノンプレミアムも押し上げられて、先行馬は苦しくなるかもしれない。

オブセッションが早めに動くことで、その後ろにいる予定のワグネリアンやジャンダルムも少しずつ早く動いたら、ワグネリアンやジャンダルムよりも後ろにいる予定のトラストケンシンにもチャンスが訪れるかもしれない。問題はワグネリアンやジャンダルムが動いた時に食らいついていけるかだ。食らいつければお楽しみはある。

3強決着するか、4強決着するか、伏兵が紛れ込むか。
今年の弥生賞は、ちょこっと伏兵を紛れ込ませつつ、実力があると思しき人気馬たちのレースぶりを鑑賞するのがいいような気がする。

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チューリップ賞・注目馬
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1戦1勝馬の流れに乗るとサラキアしかいない。
ノーザンF生産で、馬主はシルクだし、予想5人気はちょうどいいのかもしれない。

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オーシャンS・注目馬
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リエノテソーロ

コメントエンターテイナーの可能性を感じさせてくれる若手調教師・武井師がリエノテソーロに関してどんなコメントを発信してるのか探してみたけど、自分には見つけられなかった。週末まで待機だ。

リエノテソーロに関しては去年のNHKマイル(13人気2着)〜ユニコーンS(1人気7着)にかけての一連のフリが面白く、馬券にも大いに役立たせていただいた(あの頃のコラム参照)。レース前コメントは基本的に信用しないけど、その時の武井師のコメントには想像を掻き立ててくれる何ものかがあって、実にニギニギしかった。

だからついつい、前走のターコイズS〜今走のオーシャンSにかけて、参考になるフリコメントはないかと探索してしまうんであります。現状、よくわからないので、週末の新聞コメントなどを読んで、買うか買わないか決めることにしました。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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